第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験 午前問題・解答・解説

目次

人間の尊厳と自立【2問】Aパート

問題1

社会福祉の理念を発展させた人物に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N.)は,「ソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)」を提唱した。
  2. ニイリエ(Nirje,B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の8つの原理」を提唱した。
  3. ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W.)は,「エーデル改革」を提唱した。
  4. リッチモンド(Richmond,M.)は,「ケースワークの7原則」を提唱した。
  5. エリクソン(Erikson,E.)は,「自立生活運動の理念」を提唱した。

正解は 2 です。

ニイリエ(Nirje, B.)は、スウェーデンで「ノーマライゼーション」の考え方を具体化し、障害のある人が当たり前に送るべき生活の基準として「8つの原理」を提唱した人物です。

試験では、この8つの言葉の定義がそのまま出題されやすいため、正確に押さえておくことが大切です。

1. 一日のノーマルなリズム
2. 一週間のノーマルなリズム
3. 一年間のノーマルなリズム
4. ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
5. ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
6. その文化におけるノーマルな性的関係
7. ノーマルな経済水準とそれを得る権利
8. ノーマルな環境形態と水準

問題2

Aさん(62歳,男性,要介護2)は,2年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。妻と自宅で過ごしたいと希望し,訪問介護(ホームヘルプサービス)と訪問看護を利用している。最近,症状が進行し,サービス担当者会議で,Aさんは,「人工呼吸器はつけないで,最期まで自宅で生活したい」と言った。

会議のあと,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)に,「夫にはなかなか言えないのですが,一日でも長く一緒にいたいので,私は人工呼吸器をつけてほしいと思っています」と気持ちを伝えた。

次のうち,Aさんの妻に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の提案として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1.  「会議で話されていたAさんの意思が大切なので,尊重しませんか」
  2.  「私にはわからないので,医師に決めてもらってはどうですか」
  3. 「Aさんに人工呼吸器をつけてもらったほうがいいですよね」
  4. 「Aさんとお互いの気持ちを話し合う時間をつくりませんか」
  5. 「病院や施設の情報がほしいと介護支援専門員に伝えてはどうですか」

正解は 4 です。

奥様が「夫にはなかなか言えない」と一人で抱え込んでいる本音を受け止め、ご夫婦が互いの想いをしっかりと話し合えるよう、安心できる場を提案することが最も適切な関わり方です。

ご本人の「最期まで自分らしく家で過ごしたい」という意思も、奥様の「一日でも長く一緒にいたい」という願いも、どちらも家族を想う大切な本心です。どちらか一方の意見だけを否定したり誘導したりせず、ご夫婦が後悔のない選択を進めていけるよう、話し合いの時間を提案するこの選択肢が正解となります。

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