ケアマネ代は無料!介護費用で「損しない」ための5つの基本ルール

「介護が始まったら、毎月いくら飛んでいくんだろう…」
親の貯金や年金額を考えると、経済的な不安は尽きません。

ニュースでは「負担増」の話ばかりが耳に入ってきますが、実は介護保険制度には、利用者がお金の心配でサービスを諦めないよう、「無料」になっている部分「救済される」仕組みがいくつも用意されています。

その一方で、ルールを知らないと「全額自費」になってしまう落とし穴も存在します。

今回は、親の財布と生活を守るために知っておきたい、介護のお金に関する「5つの常識」をわかりやすく解説します。

目次

1. ケアマネジャーへの相談料・計画作成は「0円」

これが最も意外に思われることかもしれません。
介護の入り口となる「ケアマネジャーへの相談」や、毎月の「ケアプラン(利用計画)作成」にかかる費用は、全額が介護保険から支払われるため、利用者の自己負担は0円です。

これは、「お金がないから計画を作ってもらえない」という事態を防ぎ、誰もがプロのサポートを受けられるようにするための国の配慮です。

「何度も相談したら悪いかな…」と遠慮する必要はありません。プロに頼ることは、制度として保障された権利なのです。まずは気軽に相談することから始めましょう。

2. 「1割負担」とは限らない?負担割合証をチェック

「介護保険は医療と同じで1割負担でしょ?」と思っている方は要注意です。
現在の制度では、所得(収入)に応じて、自己負担の割合が「1割」「2割」「3割」の3段階に分かれています。

「うちはそんなにお金持ちじゃないから」と思っていても、世帯構成や年金の受給額によっては2割負担になるケースもあります。
サービスの利用を始める前に、必ず自治体から届く「介護保険負担割合証」(オレンジ色などの証書)を確認してください。これがすべての費用の計算のベースになります。

3. サービスを使いすぎると「全額自腹」の恐怖

ここが一番の落とし穴です。
介護保険には、要介護度ごとに「月々に使える金額の上限(区分支給限度基準額)」が決まっています。

もし、この上限を超えてサービスを使ってしまった場合、どうなると思いますか?
「超えた分も1〜3割負担でいい」わけではありません。超えた分は、介護保険が一切効かない「全額自己負担(10割)」になります。

例えば、1万円分のサービスを追加したら、そのまま1万円を支払うことになります。
だからこそ、ケアマネジャーは電卓を叩きながら、上限ギリギリに収まるようにパズルのような調整をしてくれているのです。

4. 施設に入っても「散髪代」は自分持ち

特別養護老人ホームなどの施設に入所すると、「生活費も介護費も全部込み」と思いがちですが、実は例外があります。
その代表例が「理美容代(散髪代)」です。

髪を切ったり、パーマをかけたりするのは「個人的な趣味嗜好」とみなされるため、介護保険の給付対象にはなりません。
施設に入所していても、散髪代などは毎月のお小遣い(実費)として支払う必要があります。
オムツ代や食事代には補助が出る場合もありますが、「おしゃれ代」は別腹だと覚えておきましょう。

5. もしもの災害時は「減免」の相談を

地震や台風などの災害で、ご自宅が大きな被害を受けた場合、「介護保険の利用料を払っている場合じゃない」という状況になるかもしれません。

そんな時のために、「災害減免」というセーフティネットがあります。
著しい被害を受けた場合、市町村の判断で利用料(1〜3割の自己負担分)が減額されたり、免除されたりすることがあります。
これは黙っていても適用されるとは限りません。「困った時は役所に相談する」という知識が、生活再建の助けになります。

今からできる「安心」へのアクション

こうしたお金のルールを知った上で、私たち家族はどう動けばよいのでしょうか。

親の「負担割合証」を探してみる

まずは実家に行った際、「負担割合証」がどこにあるか確認し、親御さんが「何割負担」なのかを把握しましょう。
これを知っておくだけで、将来の介護費用のシミュレーションがぐっと具体的になります。

「予算」をケアマネジャーに正直に伝える

ケアプランを作る際、「月々これくらいの出費に抑えたい」と正直にケアマネジャーに伝えましょう。
彼らはプロですから、限度額内(全額自費にならない範囲)で、優先順位をつけて最適なプランを提案してくれます。

まとめ

介護のお金は、複雑に見えて実は合理的です。
「入り口(計画作成)は広く無料」にしつつ、「使いすぎ(限度額超過)や個人的なこと(散髪)」には厳しく線引きがされています。

制度のメリハリを理解して、使える権利はしっかりと使い、無駄な出費は防ぐ。
そんな賢い付き合い方で、親御さんとの生活を守っていきましょう。

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