介護統計は「相場観」で解け。85歳の壁と認定者の男女比【要点解説】

問2

2021(令和3)年度末における全国の要(支援)認定者数の状況として正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 要介護(要支援)認定者のうち、第2号被保険者の占める割合は30%を超えている。
  2. 第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合は40%を超えている。
  3. 85歳以上の被保険者のうち、要介護(要支援)認定者の占める割合は50%を超えている。
  4. 要介護(要支援)認定者数は男性より女性の方が多い。
  5. 要介護(要支援)状態区分別でみると、認定者数が最も多いのは、要介護5である。
目次

正解は3・4。「85歳の壁」と「女性優位」の現実

介護保険のデータ問題は、細かい数字の一の位まで覚える必要はありません。
「だいたいこれくらい」という相場観と、日本の人口構造のシルエットを掴んでいれば即答できます。

2人に1人が利用する85歳以上(選択肢3)

85歳以上の被保険者のうち、要介護(要支援)認定者の占める割合は50%を超えている。

この記述は適切です。

高齢者も「前期(65-74歳)」と「後期(75歳-)」ではリスクが段違いですが、さらに85歳を超えると世界が一変します。
認定率は約60%に跳ね上がります。
「85歳を過ぎれば、半数以上が介護保険のお世話になる」。この感覚は、介護現場の肌感覚とも一致するはずです。

圧倒的に女性が多い(選択肢4)

要介護(要支援)認定者数は男性より女性の方が多い。

この記述は適切です。

認定者数は、男性約220万人に対し、女性は約473万人。ダブルスコアで女性が多いのが現実です。
理由はシンプルで、女性の方が平均寿命が長く、高齢者人口の母数が多いから。
また、男性は妻に介護されるケースが多い一方、長生きした女性は夫と死別して独居になり、介護サービスを必要とするケースが多いという背景もあります。

誤答は1・2・5。「ありえない数字」を見抜く

誤りの選択肢は、少し考えれば「そんなわけない」と気づける数字ばかりです。

第2号は「レアケース」(選択肢1)

要介護(要支援)認定者のうち、第2号被保険者の占める割合は30%を超えている。

この記述は不適切です。

第2号被保険者(40〜64歳)が認定を受けるのは、特定疾病(ガン末期やALSなど)に限られます。
その割合は全体の約2%に過ぎません。
「30%」という数字は、現役世代の3人に1人が要介護ということになり、どう考えても異常値です。

高齢者全体では「2割」程度(選択肢2)

第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合は40%を超えている。

この記述は不適切です。

第1号被保険者(65歳以上)全体で見ると、認定を受けているのは約19%(約2割)です。
「40%」も認定されていたら、日本の財政はとっくに破綻しています。
「85歳以上は6割だが、65歳以上全体なら2割」。この対比を頭に入れておきましょう。

ピラミッドの底辺が一番多い(選択肢5)

要介護(要支援)状態区分別でみると、認定者数が最も多いのは、要介護5である。

この記述は不適切です。

日本の介護認定は、重度(要介護5)よりも軽度(要支援・要介護1)の方が圧倒的に多いピラミッド型です。
最も多いのは要介護1(約20%)。次いで要支援1・2です。
「寝たきり(要介護5)」が最多ではありません。軽度者の生活を支えているのが、現在の介護保険の姿です。

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