「言いたいのに、伝わらない」もどかしさを解消。声の代わりになる「魔法の機械」を知っていますか?

脳卒中の後遺症や難病、あるいは加齢によって、頭の中でははっきりと言葉が浮かんでいるのに、口が回らなくて相手に伝わらない。
そんなもどかしい経験をされている方や、ご家族はいらっしゃいませんか?

「何度も聞き返されるのが辛くて、もう話すのをやめてしまった」
「家族も聞き取るのに疲れて、会話が減ってしまった」

コミュニケーションの断絶は、孤立感を生み、生きる気力を奪ってしまいます。
でも、今の時代、自分の声が出せなくても思いを伝える方法はたくさんあります。

今回は、言葉が不自由になった時の強い味方、「意思疎通支援用具」についてお話しします。

目次

ボタンを押すと喋ってくれる「携帯用会話補助装置」

「トーキングエイド」や「ペチャラ」といった商品名で知られる「携帯用会話補助装置」をご存知でしょうか?

見た目は、50音表のキーボードがついたタブレットのような機械です。
「あ」「り」「が」「と」「う」とボタンを押して再生ボタンを押すと、機械が代わりに「ありがとう」と音声で読み上げてくれます。

手が震えても大丈夫な工夫

「でも、うちは手が震えて細かいボタンが押せないから…」と諦めるのは早いです。
こうした専用の装置には、震える手でも押し間違えないように「キーガード」という枠がついていたり、大きなボタンを接続できたりする工夫がされています。

自分の意志とは無関係に体が動いてしまう(不随意運動)症状がある方でも、タイミングよくスイッチを押すことで文字を入力できる機能など、一人ひとりの身体状況に合わせたカスタマイズが可能です。

スマホやアナログツールも活用しよう

専用の機械は高価(※補装具として補助が出る場合もあります)ですが、もっと身近なものでも代用できます。

1. スマホの「指伝話(ゆびでんわ)」アプリ

スマートフォンのアプリには、タップした文字を読み上げてくれる優れたものがたくさんあります。
いつも使っているスマホがそのまま会話補助装置になるので、導入のハードルが低いのが魅力です。

2. 最強のアナログツール「透明文字盤」

電源もいらず、どこでも使えるのが「透明文字盤」です。
透明な板に50音が書いてあり、話し手と聞き手が向かい合って使います。
話し手が文字を見つめる視線を、聞き手が読み取ることで会話が成立します。
慣れると口で喋るのと同じくらいのスピードで会話ができるようになる、シンプルですが非常に奥深い道具です。

まとめ

言葉が出にくいからといって、心の中まで空っぽになったわけではありません。
伝えたい思いは、以前と変わらずそこにあります。

「道具を使ってでも話したい」
そう思える環境を作ることが、ご本人の尊厳を守ることにつながります。ぜひ一度、便利なツールを試してみてください。

「話せない」を「話せる」に変える道具があります。
記事で紹介した「携帯用会話補助装置」。これは障害福祉の世界では非常にポピュラーな支援ツールであり、介護福祉士の試験でも正解となる重要な知識です。
「どんな人が使うの?」と興味を持ったあなた。ぜひ実際の試験問題で、その役割を確認してみてください。
👉 【挑戦!】介護福祉士の過去問を解いてみる

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