「親を預けて休むなんて…」その罪悪感は不要です。家族を救う「ショートステイ」の正しい使い方

「最後にゆっくり朝寝坊したのはいつだろう?」
「友達とランチに行きたいけれど、母を一人にするわけにはいかないし…」

在宅で介護をしていると、自分の時間は二の次、三の次になってしまいがちです。
たまには休みたいと思っても、「親を他人に預けて自分だけ楽しむなんて申し訳ない」「家族なんだから私がやらなきゃ」という責任感が、ブレーキをかけてしまうのではないでしょうか。

でも、はっきりと言わせてください。
介護をするあなたが無理をして倒れてしまったら、元も子もありません。
マラソンに給水所が必要なように、介護にも「休息」は必要不可欠です。

今回は、家族が堂々と休みを取るためのサービス「短期入所(ショートステイ)」について、制度の裏付けも交えてお話しします。

目次

国も認めている「家族の休息」という権利

介護保険や障害福祉の制度には、「短期入所(ショートステイ)」というサービスがあります。
これは、文字通り「数日から数週間、施設に宿泊して、食事や入浴などのケアを受ける」サービスです。

実はこのサービス、利用目的は「冠婚葬祭」や「家族の病気」といった緊急時だけに限定されていません。
「家族の身体的・精神的な負担の軽減(レスパイト)」も、立派な利用目的として認められています。

つまり、「介護に疲れたから休みたい」「旅行に行ってリフレッシュしたい」という理由で親御さんを預けることは、決してワガママでも手抜きでもないのです。
国が法律(障害者総合支援法や介護保険法)の中で、「それは介護を続けるために必要なことですよ」と認め、給付の対象にしている正当な権利なのです。

「ショートステイ」は親にとってもメリットがある

「預けられる親が可哀想」と思うかもしれませんが、視点を変えてみましょう。
ずっと家の中にいて家族としか顔を合わせない生活よりも、たまに環境を変えて、専門スタッフや他の利用者さんと触れ合うことは、親御さんにとっても良い刺激になります。

「家のお風呂は怖かったけど、施設の大きなお風呂は気持ちよかった」
「久しぶりに同年代の人と将棋が指せた」

そんなふうに、ショートステイを「ちょっとした旅行」のように楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。
家族が笑顔でリフレッシュして帰ってくれば、その後の家の中の空気もきっと明るくなるはずです。

いざという時に慌てないための準備とツール

ショートステイは人気が高く、急に予約しようとしても空いていないことがよくあります。
「限界が来てから」ではなく、余裕があるうちに準備をしておくことが大切です。

1. ケアマネジャーに「休みたい」と宣言する

まずは担当のケアマネジャーに、「来月あたり、少し休みたいのでショートステイを使ってみたい」と相談しましょう。
これが最初の一歩です。あなたの地域の空き状況や、親御さんの状態に合った施設を探してくれます。

2. 「介護施設検索サイト」で雰囲気をチェック

どんな場所に泊まるのか分からなければ不安ですよね。
民間の「介護施設検索サイト」を使って、近所のショートステイ対応施設の写真や口コミを見てみましょう。
「食事が美味しそう」「個室がある」など、親御さんが喜びそうなポイントを事前にリサーチしておくと、説得もしやすくなります。

3. お泊まり用「お名前シール・スタンプ」

施設を利用する際は、衣類や小物すべてに名前を書く必要があります。これが意外と大変な作業です。
アイロン不要の「タグ用お名前シール」「布用お名前スタンプ」を用意しておくと、準備のストレスが激減します。「お泊まり専用セット」を作ってバッグにまとめておけば、急な利用の時も安心です。

まとめ

介護は短距離走ではなく、終わりの見えない長距離走です。
完走するために一番大切なのは、頑張りすぎないこと。

「来週はショートステイだから、あのカフェに行こう」
そんな楽しみの予定を、手帳に書き込んでみませんか?

「家族が休むために施設を使う」。これは制度上、大正解の行動です。
ショートステイ(短期入所)が「介護給付」の一つとして認められていること。これはつまり、国が「家族の休息は必要不可欠なサポートだ」と認めている証拠です。
この知識があれば、罪悪感なくサービスを使えるはず。自信を持つために、実際の試験問題でも確認してみましょう!
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