介護サービスを使い始めると、定期的に「サービス担当者会議」という話し合いの場が設けられます。
ケアマネジャーやご家族、そして利用するサービスの担当者が一堂に会する重要な会議です。
その場に、訪問介護事業所から「サービス提供責任者(略してサ責)」という肩書きの人が来ることがあります。
「いつものヘルパーさんじゃないし、なんだか偉そうな名前だな」と緊張してしまうかもしれません。
でも実は、この「サ責」こそが、親御さんの生活の質を左右する現場のキーマン(司令塔)なのです。
今回は、彼らが会議に来る本当の理由と、家族がサ責と仲良くなるメリットについてお話しします。
ケアマネだけじゃない!現場の司令塔「サ責」
ケアマネジャーが「介護全体の設計図(ケアプラン)」を作る建築士だとしたら、サービス提供責任者は「現場監督」のような存在です。
実際に家に来てくれるヘルパーさんたちは、このサ責が作った指示書に従って動きます。
ヘルパーさんのシフト調整や技術指導、そしてご家族からの要望を現場に反映させるのが彼らの仕事です。
つまり、日々の細かな要望(掃除の仕方や味付けの好みなど)は、ケアマネジャーよりもこの「サ責」に伝えた方が、現場に直結しやすいのです。
会議に参加する目的は「情報収集」
では、なぜ忙しい現場監督がわざわざ会議に来るのでしょうか?
それは、ヘルパー用の指示書である「訪問介護計画書」を作るためです。
ケアマネジャーの大まかなプラン(例:週2回掃除をする)をもとに、サ責はさらに具体的な手順を決めなければなりません。
- 「掃除機はどこにあるのか?」
- 「ご本人はどこまで自分でできるのか?」
- 「入ってほしくない部屋はあるか?」
こうした具体的な情報を、会議の場でご本人や家族から直接聞き出し(情報収集)、ミスなくヘルパーに指示を出せるように準備しているのです。
家族が伝えるべき「家の中のルール」
サ責が会議に来たら、ぜひ積極的に「家の中のルール」や「親御さんのこだわり」を伝えてください。
- 「洗濯物は必ず外に干してほしい」
- 「お茶を入れる湯呑みはこれを使ってほしい」
- 「薬はこの引き出しに入っている」
「こんな細かいことまで?」と思うような情報こそが、サ責にとっては宝物です。
それらを計画書に盛り込むことで、どのヘルパーさんが来ても、親御さんが安心できる「いつものやり方」でケアを提供できるようになります。
まとめ
「サービス提供責任者」は、ヘルパーさんたちを束ねる頼れるリーダーです。
会議で顔を合わせたら、「現場のことは頼みます」という気持ちで、家庭の事情を詳しく話してみてください。
彼らを味方につければ、在宅介護の安心感は何倍にも増すはずです。
「サ責の仕事は計画作成」。これを知っていれば、会議がスムーズになります。
サービス提供責任者が会議で何をしているのか。単なる付き添いではなく、「訪問介護計画」を作るための情報収集をしているのです。
この役割分担は、介護福祉士国家試験でも問われる重要ポイント。あなたの理解が正しいか、試験問題で確認してみましょう!
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