「コロナ対応」だけじゃない!親の「心の不調」や「難病」を相談できる、意外と身近な駆け込み寺

ニュースなどで「保健所」という言葉をよく耳にするようになりました。
でも、皆さんは保健所についてどんなイメージをお持ちでしょうか?

「PCR検査をするところ?」
「飲食店を開業するときに行くところ?」
「野良犬や野良猫の対応?」

なんとなく「自分にはあまり関係のない行政機関」だと思っている方が多いかもしれません。
ですが、実は保健所こそ、高齢者やその家族が抱える「深刻な悩み」を受け止めてくれる、最も身近な専門機関の一つなのです。

今回は、意外と知られていない保健所の「本当の役割」と、困った時の活用法についてお話しします。

目次

実は「心の健康」を守るプロフェッショナル

親御さんが高齢になると、体の不調だけでなく「心の問題」も出てくることがあります。

「最近、ふさぎ込んでいて『うつ』かもしれない」
「お酒の量が異常に増えて、家族では止められない」
「認知症のような症状があり、暴言がひどい」

こうしたデリケートな悩みは、近所の人や友人には相談しにくいものです。「病院に連れて行こうにも、本人が嫌がる」というケースも多いでしょう。

そんな時、頼りになるのが保健所です。
法律(地域保健法)によって、保健所には「精神保健(こころの健康)」に関する業務が含まれており、心の病気や依存症、引きこもりなどの相談窓口として機能しています。

医師、保健師、精神保健福祉士といった専門家が配置されており、医学的な視点からアドバイスをくれたり、適切な医療機関を紹介してくれたりします。「こんなこと相談していいのかな?」と迷うような心の悩みこそ、保健所の出番なのです。

「難病」や「医療費」の手続きもここから

心の相談だけではありません。
もし親御さんが、国が定めた「指定難病」(パーキンソン病など)と診断された場合、医療費助成の手続きを行う窓口も保健所になります。

「治療費が高額になったらどうしよう」
「どんな制度が使えるのか分からない」

そんなお金と制度の不安も、保健所の窓口で相談すれば、申請の方法や利用できるサポートについて丁寧に教えてもらえます。

まずは「電話」一本から始めてみよう

では、実際にどう動けばいいのでしょうか。
いきなり窓口に行くのはハードルが高いですし、担当者が不在の場合もあります。まずは「電話相談」から始めるのがおすすめです。

1. お住まいの地域の保健所を検索

Googleマップや自治体のサイトで「〇〇市 保健所」と検索し、電話番号を調べます。多くの保健所には「精神保健福祉相談」や「健康相談」といった専用ダイヤルがあります。

2. 相談内容をメモしておく

スムーズに相談できるよう、親御さんの「今の様子」「困っている具体的な行動」「服用している薬」などをメモしておきましょう。
この時、お薬手帳アプリや「服薬管理アプリ」を使っていると、医師や保健師に正確な情報を伝えられるので非常に役立ちます。

3. 「こころの健康相談統一ダイヤル」を利用する

地元の保健所にかける勇気が出ない時は、厚生労働省が設置している「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」を利用するのも手です。かけた場所の近くにある公的な相談機関(保健所や精神保健福祉センターなど)に接続してくれます。

まとめ

保健所は、決して「遠い行政機関」ではありません。
体と心の健康に不安を感じた時、地域包括支援センターと並んで、あなたと親御さんを支えてくれる強力なパートナーです。

「家族だけでなんとかしなきゃ」と追い詰められる前に、「ちょっと保健所に聞いてみようか」という選択肢を思い出してください。その一本の電話が、解決への糸口になるはずです。

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