親が「要支援」になったら知っておきたい。ケアプラン作成費「無料」の秘密と手続きのルール

親御さんの介護認定の結果通知が届き、「要支援」という判定が出たとき、ホッとしたような、これからどうすれば良いのか不安なような、複雑な気持ちになる方も多いのではないでしょうか。

「まだ本格的な介護ではないけれど、少し手助けが必要」
そんな状態を支えるために、さまざまなサービスを利用することになりますが、そこで気になるのが「お金」と「手続き」のことです。

今回は、意外と知られていない「ケアプラン作成の費用」に関する嬉しい事実と、将来もし老人ホームなどに入所することになった場合の「担当地域のルール」についてお話しします。

目次

ケアプラン作成にかかる費用は、まさかの「0円」

介護サービスを利用するためには、「どんなサービスを、週に何回使うか」という計画書(ケアプラン)を作成する必要があります。

「専門家に計画を作ってもらうなんて、相談料や作成料がかかるのでは?」
「介護サービス利用料みたいに、1割か2割は自己負担するんでしょ?」

そう思われている方が非常に多いのですが、実はこれ、大きな誤解です。

ケアプランの作成費用は、全額が介護保険から支払われるため、利用者負担は「0円」です。

これは、要介護の方(居宅介護支援)も、要支援の方(介護予防ケアマネジメント)も同じです。「お金がかかるから相談しづらい」ということがないよう、計画作りに関しては利用者負担が発生しない仕組みになっているのです。

ですから、「最近、親の足腰が弱ってきたな」と感じたら、費用の心配をせずに、まずは専門家に相談してプランを作ってもらうことをおすすめします。

相談窓口は「病院」ではなく「地域包括支援センター」

では、その「無料のケアプラン」はどこで作ってもらえるのでしょうか?

要支援の方、あるいは「まだ認定は受けていないけれど生活機能が低下している方(基本チェックリスト該当者)」の相談窓口は、お住まいの地域の「地域包括支援センター」になります。

地域包括支援センターは、高齢者のよろず相談所のような場所です。ここでは、保健師や社会福祉士などの専門職が中心となって、皆さんの「介護予防ケアマネジメント」を行ってくれます。医療機関(病院)ではありませんのでご注意ください。

遠くの施設に入居した場合、担当は誰になる?

将来的に、親御さんがご自宅を離れて、「サービス付き高齢者向け住宅」や「有料老人ホーム」などの施設に入居されるケースもあるかもしれません。その際、住所を施設のある街に移すことも少なくありません。

ここで少しややこしいのが、「誰がケアプランの面倒を見てくれるのか」という問題です。

通常、介護保険には「住所地特例」という少し特殊なルールがあり、施設に入所して住所を移しても、保険料を払う相手(保険者)は「元々住んでいた市町村」のままになることがあります。

しかし、要支援の方が利用する「介護予防ケアマネジメント(総合事業)」に関しては、「施設がある場所の市町村」が責任を持って担当するというルールになっています。

つまり、「施設に入って住所を移したら、その街の地域包括支援センターや役所が、新しい相談先になる」と覚えておいてください。

引っ越し前には必ず相談を

このように、施設への入所や転居を伴う場合は、担当する役所や相談窓口が切り替わることがあります。
「引っ越したけれど、誰に相談していいかわからない」と空白期間ができないよう、住所を移す際は、現在お世話になっている地域包括支援センターに「〇〇市の施設に移る予定です」と早めに相談しておきましょう。

まとめ:プロを頼るのにお金はいらない

  • ケアプランの作成費用は無料(自己負担ゼロ)
  • 相談先は、地域の「地域包括支援センター」
  • 施設に入居して住所を移すと、その街の役所が担当になる。

介護や支援の入り口である「計画作成」には、お金の壁はありません。
「まだ大丈夫かな」と我慢せず、プロの力を借りて、親御さんが元気なうちから自立した生活を長く続けられるような環境を整えていきましょう。

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