親の「口臭」はSOSのサインかも?歯を失うだけじゃ済まない「歯周病」の本当の怖さと、今日からできるケア

実家に帰って親御さんと話しているとき、ふと「お父さん、ちょっとお口のニオイが気になるな…」と感じたことはありませんか?

指摘すると傷つけてしまいそうで、そっと距離を取ってしまった経験があるかもしれません。
あるいは、「年をとれば誰でも口臭くらいあるだろう」と軽く考えている方も多いでしょう。

ですが、その口臭や、歯磨きのたびに出る血は、口の中からのSOSです。
高齢者の多くが患っている「歯周病」は、ただ歯が抜けるだけの病気ではありません。実は、命に関わる「肺炎」を引き起こす時限爆弾にもなり得るのです。

今回は、沈黙の病気とも呼ばれる歯周病の正体と、親御さんの健康を守るための具体的なケア方法についてお話しします。

目次

歯周病は「口の中だけの問題」ではありません

歯周病とは、歯垢(プラーク)の中の細菌が原因で、歯茎が腫れたり、歯を支える骨が溶けてしまったりする病気です。
一番の特徴は、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」と呼ばれる深い溝ができることです。

この「ポケット」が厄介なのです。
ここは酸素が届きにくく、歯周病菌にとっては最高の隠れ家。ここで繁殖した菌は、とんでもない悪さをします。

最大のリスクは「誤嚥性肺炎」

高齢になると、飲み込む力が弱くなり、唾液や食べ物が誤って気管に入ってしまうことがあります(誤嚥)。
このとき、口の中が歯周病菌だらけだとどうなるでしょうか?
菌が肺に侵入し、「誤嚥性肺炎」を引き起こす原因になってしまうのです。

日本人の死因の上位を占める肺炎。その多くが、実はこの「口の中の細菌」が原因だと言われています。
つまり、お口のケアをすることは、肺炎予防そのものなのです。

歯ブラシだけでは守りきれない?プロと道具の力を借りよう

歯周ポケットの奥に入り込んだ菌は、普通の歯ブラシでゴシゴシ磨いてもなかなか取れません。
特に、手先の力が弱くなってきた高齢者にとって、完璧な歯磨きは至難の業です。便利なツールやサービスに頼って、効率よくケアしましょう。

1. 手を動かさずに磨ける「音波振動歯ブラシ」

親御さんが「最近、歯磨きが億劫だ」と言っていたら、「音波振動歯ブラシ」をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
ブラシを歯に当てるだけで、高速振動が汚れを浮かせ、歯周ポケットの入り口付近の汚れもかき出してくれます。ゴシゴシと手を動かす必要がないので、高齢者でも疲れずにしっかり磨けます。

2. 水流で汚れを弾き飛ばす「口腔洗浄器」

歯と歯の間や、ポケットに入り込んだ食べカスを掃除するのに最強のツールが、「口腔洗浄器(ジェットウォッシャー)」です。
高圧の水流で汚れを洗い流すので、フロスや歯間ブラシが上手く使えない方でも簡単にケアできます。「口の中がサッパリして気持ちいい!」と、病みつきになる高齢者も多いですよ。

3. 通えなくなったら「訪問歯科」を利用する

「足腰が弱って、歯医者さんに行けなくなった」という場合は、「訪問歯科診療」の利用を検討してください。
歯科医師や衛生士が自宅まで来て、専用の機材で検診や口腔ケア、入れ歯の調整をしてくれます。
ケアマネジャーに相談すれば、すぐに手配してくれます。「通えないから放置」が一番危険です。

まとめ

「たかが歯茎の腫れ」と侮ってはいけません。
口の中をきれいに保つことは、美味しくご飯を食べるためだけでなく、親御さんの命を守ることに直結しています。

今度実家に帰ったら、美味しい手土産と一緒に、「ハイテク歯ブラシ」を持って行ってみませんか?

「歯周ポケット」という言葉、ちゃんと知っていましたか?
歯と歯茎の間にできる、あの厄介な溝。実はこれ、歯周病の最大の特徴として、介護福祉士の国家試験でも問われる「疾患の基礎知識」なんです。
「知ってる!CMで聞いたことある!」と思ったあなた。その知識があれば、専門的な医療問題も楽々クリアできるはずです。
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