「薬を飲んでいるのに動けない時間がある」のはなぜ?パーキンソン病の親を守るための「記録」の魔法

「お父さん、さっきまで普通に歩いていたのに、急に体が固まって動けなくなっちゃった」
「薬はちゃんと飲んでいるはずなのに、最近効き目が悪い気がする」

パーキンソン病の親御さんを介護していると、日によって、あるいは1日の中でも時間帯によって、調子の良し悪しが激しく変動することに戸惑うことはありませんか?

「病気が進行したのかな?」と不安になりますが、実はそれ、病気の進行というよりも「薬の効き方の変化(ウェアリング・オフ現象)」が原因かもしれません。

パーキンソン病の治療は、薬のコントロールが命です。
そして、そのコントロールを成功させる鍵を握っているのは、医師ではなく、毎日そばにいる「家族のメモ」なのです。

今回は、パーキンソン病特有の「調子の波」の正体と、診察室で医師に渡すべき「最強のメモ」の書き方についてお話しします。

目次

まるで電池切れ?「ウェアリング・オフ」の正体

パーキンソン病の薬(L-ドパなど)を長年飲み続けていると、薬が効いている時間がだんだん短くなってくることがあります。

薬を飲んでしばらくは調子が良い(オン)けれど、次の薬を飲む前に効果が切れてしまい、体が動かなくなったり、気分が悪くなったりする(オフ)。
これを「ウェアリング・オフ現象」と言います。

まるでロボットの電池が切れたように、急にガクッと動けなくなるのが特徴です。
これは、薬の量や回数、種類を微調整することで改善できる場合が多いのですが、そのためには「いつ電池が切れているのか」を正確に突き止める必要があります。

薬の効き目による変動だけでなく、パーキンソン病には『独特の歩き方』や『表情の変化』という特徴もあります。転倒を防ぐための家での工夫と合わせて確認しておきましょう。

医師が一番知りたいのは「薬を飲んだ時間」

診察室で医師に「最近、調子が悪い時間があって…」と伝えても、それだけでは医師も対策の打ちようがありません。
医師が知りたいのは、「薬を飲んでから何時間後に調子が悪くなったか」というデータです。

そこで、家族にお願いしたいのが、以下の2つをセットで記録することです。

  1. 「何時に」薬を飲んだか
  2. 「何時に」体の動きが悪くなったか

「朝7時に薬を飲んで、10時頃から動きにくくなった」
という具体的なメモがあれば、医師は「じゃあ、間の9時半に補助的な薬を追加しようか」といった的確な判断ができます。

診察を変える「パーキンソン病日誌」をつけよう

大学ノートでも構いませんが、製薬会社などが無料で配布している「パーキンソン病症状日誌」や、スマホの「症状記録アプリ」を活用するのがおすすめです。

記録するポイントは3つだけです。

  • 服薬時間: 薬を飲んだタイミングに印をつける。
  • 症状の変化: 「動けた(オン)」「動けなかった(オフ)」「勝手に体が動いた(ジスキネジア)」を色分けや記号で記録する。
  • 食事の時間: 食事(特にタンパク質)が薬の吸収に影響することがあるため。

これを1週間分ほどつけて診察時に見せるだけで、診察の質は劇的に向上します。

体の動きにくさと同様に、パーキンソン病の方を悩ませるのが『手の震え』です。薬の調整とあわせて、便利な道具(自助具)を使うことで、毎日の食事はずっと楽になります。

まとめ

「先生、薬が効きません」と訴えるよりも、1枚のメモを見せる方が、何倍も雄弁に親御さんの状態を伝えてくれます。

「お父さんの体のリズム、私が記録しておくね」
その習慣が、親御さんの「動ける時間」を一日でも長く保つための命綱になります。

パーキンソン病は国の『指定難病』です。治療が長期にわたるからこそ、医療費の助成や療養の相談ができる『保健所』の活用法を知っておくと、経済的・精神的な支えになります。

「服薬時間と症状をセットで記録する」。これが治療のカギです。
パーキンソン病において、なぜ「服薬時間」の記録がこれほど重要視されるのか。それは薬効の変動(ウェアリング・オフなど)を医師が判断する唯一の手がかりだからです。
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