施設での親の様子、本当に分かっていますか?実は「介護記録」は家族も見られるんです。不信感を消すための「知る権利」

「デイサービスに行っている間、お母さんは本当に楽しんでいるのかな?」
「ショートステイから帰ってきたらアザがあったけど、施設からは何の説明もなかった…」

親御さんを介護サービスに預けている時、その時間のことはスタッフさんからの報告を信じるしかありません。
しかし、「今日は元気でしたよ」という定型的な報告だけでは、ブラックボックスの中を見ているようで不安になることもありますよね。

「もっと詳しい様子を知りたいけれど、業務日誌なんて見せてもらえないだろうし…」

そう諦めていませんか?
実は、介護施設や事業所がつけている「介護記録」は、決してスタッフだけの秘密メモではありません。
利用者本人や家族には、それを「見せてもらう権利(開示請求権)」があるのです。

今回は、意外と知られていない「記録を見る権利」と、そこから分かる施設の質についてお話しします。

目次

介護記録は「利用者のもの」です

介護保険法などのルールでは、介護事業者は日々のケアの内容を詳しく記録し、保存することが義務付けられています。
食事の量、排泄の状況、バイタルの数値、そして日中の過ごし方など、かなり細かい情報が書かれています。

そして重要なのが、「利用者は自分の記録の閲覧(えつらん)を請求することができる」という点です。

カルテ開示と同じように、介護記録も個人情報保護法の観点から、本人や代理人(家族)が開示を求めれば、事業所は原則としてそれに応じなければなりません。
つまり、記録は事業所のものであると同時に、「利用者さんの生きた証(財産)」でもあるのです。

「見せてください」と言ってみる効果

もし、施設の対応に不信感を持ったり、事故の状況が曖昧だったりした場合は、勇気を出して「その日の介護記録を見せていただけますか?」と聞いてみてください。

やましいことがない、しっかりとした施設であれば、「どうぞ」と快く見せてくれるはずです(※コピー代などの手数料がかかる場合や、手続きに時間がかかる場合はあります)。

逆に、「それは社外秘なので…」などと頑なに拒む場合は、記録を書いていないか、見せられないようなケアをしている可能性があります。
「開示請求ができる」という知識を持っているだけで、施設側に対して「この家族はしっかり見ているぞ」という良い意味での緊張感を与えることができます。

良い記録は「事実」と「感想」が分かれている

もし記録を見せてもらったり、普段の連絡帳を見たりする時は、以下のポイントに注目してみてください。

  • 良い記録: 「14:00に他の利用者と口論になり、大声を出した」など、客観的な事実が書かれている。
  • 悪い記録: 「今日は機嫌が悪かった」「わがままを言った」など、スタッフの主観的な感想ばかり書かれている。

プロの記録は、誰が読んでも状況がわかるように書かれています。感情的な言葉が並んでいる施設は、スタッフの教育が行き届いていないかもしれません。

日々の様子を知るための「つながりツール」

開示請求は大げさでも、もっと気軽に日々の様子を知りたい。そんな時は、デジタルツールを活用している事業所を選ぶのも一つの手です。

1. リアルタイムで届く「連絡帳アプリ」

最近は、手書きの連絡帳ではなく、スマホの「連絡帳アプリ(LINEなど)」を導入している施設が増えています。
「今日のリハビリの様子です」と写真や動画付きで報告が届くので、安心感が段違いです。施設選びの際に「連絡帳はアプリ対応していますか?」と聞いてみるのもおすすめです。

2. 健康状態を共有する「バイタル連携システム」

訪問看護やデイサービスで測った血圧や体温が、自動的に家族のスマホにも共有されるシステムもあります。
離れて暮らしていても、親御さんの体調変化にいち早く気づくことができます。

まとめ

介護記録は、スタッフと家族をつなぐ「信頼の証」です。
「見せてください」と言うのは、決してクレーマー行為ではありません。親御さんがどんなケアを受けているかを知ることは、家族としての正当な権利です。

疑問があったら抱え込まず、記録という「事実」を通して、施設と対話してみてください。

「介護記録は家族も見られる」。これ、法律で決まっています。
利用者には記録の閲覧を請求する権利がある。これは介護サービスを利用する上で、自分たちの身を守るための重要な知識であり、国家試験でも問われるポイントです。
「知らなかった!」と驚いたあなた。ぜひ実際の試験問題で、その権利を確認してみてください。
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