「鼻毛」は抜かないで!高齢者の命をウイルスから守る「天然マスク」の意外な実力

朝、洗面所の鏡を見ていて、ふと鼻毛が飛び出しているのに気づく。
「やだ、みっともない」と、毛抜きでブチッと抜いてしまっていませんか?

身だしなみを整えるのは素晴らしいことですが、もし親御さんが同じように鼻毛を根本から抜いたり、奥まで短く切りすぎたりしているなら、ちょっと待ったをかけてあげてください。

たかが鼻毛、されど鼻毛。
実はこの小さな毛こそが、免疫力の落ちてきた高齢者を、肺炎や感染症から守ってくれる「天然の高性能マスク」なのです。

今回は、意外と知られていない鼻のすごい機能と、健康を守るための正しいお手入れ方法についてお話しします。

目次

その一本が、肺を守る「最後の砦」

なぜ、人間には鼻毛があるのでしょうか?
それは、呼吸をするたびに入ってくる「空気中のゴミ」を体に入れないためです。

私たちの周りの空気には、目に見えないホコリ、花粉、細菌、ウイルスがたくさん浮遊しています。
鼻毛はこれらを物理的にキャッチする「フィルター」の役割を果たしています。さらに、鼻の奥の粘膜は、吸い込んだ空気に湿り気を与え、温度を調整する「加湿・加温機能」も持っています。

もし鼻毛を抜きすぎてツルツルにしてしまうと、冷たく乾燥した汚れた空気が、ダイレクトに喉や肺に入り込んでしまいます。
体力のある若いうちは平気でも、高齢者にとってそれは、風邪やインフルエンザ、そして命に関わる「誤嚥性肺炎」のリスクを高める行為になりかねないのです。

「口呼吸」になっていませんか?

鼻毛の話とセットで大切なのが、「鼻呼吸」です。
高齢になると、口周りの筋力が落ちて口が開きっぱなしになり、無意識のうちに「口呼吸」になっている方が増えます。

口呼吸は、いわば「フィルターを通さずに空気を吸っている状態」です。
喉が乾燥し、ウイルスが付着しやすくなるだけでなく、唾液が乾いて口臭や虫歯の原因にもなります。

「鼻で吸って、口で吐く」。
この基本を意識するだけで、感染症のリスクはぐっと下がります。テレビを見ている時など、親御さんの口が開いていないか、そっとチェックしてみてください。

鼻の機能を助ける「三種の神器」

鼻毛を大切にしつつ、呼吸を快適にするための便利なアイテムをご紹介します。

1. 抜かずに整える「エチケットカッター(鼻毛カッター)」

鼻毛ケアの鉄則は「抜かないこと」です。抜くと毛穴から雑菌が入り、炎症を起こすこともあります。
ハサミだと粘膜を傷つける恐れがあるので、電動の「エチケットカッター」を使いましょう。
ポイントは「入り口の飛び出している部分だけ」をカットすること。奥の毛はフィルターとして残しておくのが正解です。

2. フィルターを掃除する「鼻うがいキット」

鼻毛というフィルターには、キャッチしたゴミやウイルスが溜まっています。これを洗い流すのが「鼻うがい」です。
「痛そう」というイメージがありますが、最近の「鼻うがいキット」は、体液に近い成分で痛くなく、ボトルを押すだけで簡単に洗浄できます。帰宅後の新習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。

3. 乾燥から守る「加湿器」

冬場など空気が乾燥していると、鼻の粘膜も乾いてバリア機能が低下します。
リビングや寝室に「加湿器」を置き、湿度を50〜60%に保つことで、鼻の負担を減らすことができます。給水が楽な上部給水型や、お手入れが簡単なスチーム式が高齢者にはおすすめです。

まとめ

鼻毛は「ムダ毛」ではありません。あなたの体を守るために、最前線で戦ってくれている「ガードマン」です。

見た目を整えるのは入り口の数ミリだけにして、奥のガードマンたちには、そのまま元気に働いてもらいましょう。

「鼻毛はフィルター」。これ、常識のようで立派な専門知識です。
鼻毛が塵や埃を除去する機能を持っていること。当たり前のことのようですが、実はこれ、介護福祉士の国家試験で正解となる「人体の構造と機能」の重要項目なんです。
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