親の「長い話」にイライラしない!プロが使う魔法の会話術「要約」で、聞き疲れを解消する方法

「最近どう?」と聞いたが最後、止まらない親のマシンガントーク。
「ここが痛い」「あそこの奥さんがどうした」「昔はよかった」……。

話があちこちに飛び、オチもなく、同じ愚痴を繰り返されると、さすがに実の親でも疲れてしまいますよね。
「で、結局何が言いたいの?」と遮りたくなりますが、それをすると親御さんは不機嫌になり、余計に話が長引くことも。

実は、話が長くなるのには理由があります。そして、それを短く、かつ相手を満足させて終わらせる「プロの会話術」があるのです。

今回は、介護の専門家も実践している「要約(ようやく)」というテクニックを使って、親御さんとの会話ストレスを減らす方法についてお話しします。

目次

なぜ、親の話は長くなるのか?

高齢になると、脳の機能(前頭葉の働き)が低下し、情報を整理して順序立てて話すことが難しくなります。
「何を話そうとしていたか」を途中で忘れてしまったり、不安な気持ちが溢れて止まらなくなったりして、本人も「話の迷子」になっている状態なのです。

つまり、親御さんは「あなたを困らせようとして長く話している」のではなく、「自分で話をまとめられなくて困っている」のです。

そこで必要なのが、聞き手であるあなたが「交通整理」をしてあげることです。

「つまり、こういうことだね?」が魔法の言葉

ただ「うんうん」と聞き流すだけでは、相手は「本当に伝わっているかな?」と不安になり、同じ話を繰り返します。
逆に、「それは違うよ」と否定すると、「わかってくれない!」とヒートアップします。

ここで使うべき技が「要約」です。
相手が長く話した後に、その内容を短くまとめて返してあげるのです。

【会話の例】

  • 親: 「膝が痛くて病院に行きたいんだけど、バスは混んでるし、タクシーは高いし、雨も降りそうだし、どうしようかと思って……(延々と続く)」
  • あなた: 「(話を遮らずに聞いた後で)つまり、病院に行きたいけれど、移動手段がなくて困っているんだね?
  • 親: 「そう! そうなのよ!」

このように、「あなたの言いたいことはこれですよね?」とキーワードを拾って確認してあげます。
すると、親御さんは「あ、この人は私の話をちゃんと理解してくれた」と安心し、満足感を得て、話を次に進めたり、終えたりすることができるのです。

話し相手を「分散」させる工夫

「要約」を使っても、毎日のように電話がかかってくる場合は、物理的に話し相手を増やすことも考えましょう。

1. 文句を言わずに聞いてくれる「スマートスピーカー」

「ねえGoogle、今日の天気は?」
AIアシスタント機能がついた「スマートスピーカー」「コミュニケーションロボット」は、高齢者の良き話し相手になります。
何度同じことを聞いても、AIは決して怒りません。「誰かと話したい」という欲求を、機械が満たしてくれる時代です。

2. 第三者と話す機会を作る「デイサービス」

家族には甘えが出て話が長くなりますが、他人(スタッフや友人)の前では、適度な緊張感を持って話すことができます。
「デイサービス」「地域のサロン」に参加することで、話したい欲求を発散してもらいましょう。

3. 話題を変える「デジタルフォトフレーム」

愚痴ばかりで話が暗い時は、視覚情報を変えるのが有効です。
孫の写真が次々と表示される「デジタルフォトフレーム」を置いておけば、「あ、この写真かわいいね」と、自然にポジティブな話題に切り替えることができます。

まとめ

「要約」は、話を勝手にまとめる冷たい行為ではありません。
「あなたの話を一生懸命聞きましたよ」という、愛のあるメッセージです。

「つまり、〇〇ってことだね」
次に親御さんの話が長くなったら、この魔法の言葉を試してみてください。きっと、親御さんの表情が「分かってもらえた!」と明るくなるはずです。

「話をまとめて返す」。これは単なる相槌ではなく、立派な介護技術です。
相手の気持ちを整理する「要約」の技法。これは日常会話だけでなく、介護福祉士の国家試験でも正解となる、プロ必須のコミュニケーションスキルなんです。
「私、プロみたいなことできてたかも?」と思ったら、ぜひ実際の試験問題で答え合わせをしてみませんか?
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