問52
介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人で行った場合、これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。
- 利用者が短期入所生活介護を利用している間も、その必要性が居宅サービス計画に記載されていれば、訪問入浴介護費を算定できる。
- 心身の状況により、訪問時に全身入浴が難しい場合、利用者の希望によって、清拭や部分浴に変更することができる。
- 利用者の自宅に浴室があっても、訪問入浴介護を利用することができる。
- 終末期にある者は、利用することができない。
正解は1・3・4。看護師を含むチーム連携と柔軟性
訪問入浴介護は、専用の浴槽を持ち込んで入浴介助を行うサービスです。
医療的な視点を持つ看護職員の配置が義務付けられているのが特徴です。
基本は「3人1組」(選択肢1)
1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人で行った場合、これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。
この記述は適切です。
訪問入浴の標準的な人員配置は、看護職員1名+介護職員2名の計3名です。
バイタルチェックや入浴可否の判断を行う看護職員と、力仕事や介助を担う介護職員が連携し、その中から責任者を定めてサービスを提供します。
体調に合わせて変更可能(選択肢3)
心身の状況により、訪問時に全身入浴が難しい場合、利用者の希望によって、清拭や部分浴に変更することができる。
この記述は適切です。
訪問したものの、バイタル異常や本人の疲労などで全身浴が危険な場合があります。
その際は、無理に入浴させず、清拭(体を拭く)や部分浴(手浴・足浴)に切り替えることができます。
(※この場合、所定単位数から減算されます)
浴室があっても利用OK(選択肢4)
利用者の自宅に浴室があっても、訪問入浴介護を利用することができる。
この記述は適切です。
自宅に立派な浴室があっても、本人の身体状況や介護者の負担により、そこでの入浴が困難なケースは多々あります。
「浴室の有無」ではなく、「安全に入浴できるかどうか」が利用の基準です。
誤答は2・5。併用NGと終末期ケア
誤りの選択肢は、介護保険の「重複利用の禁止」ルールと、サービスの対象者に関する誤解です。
ショート中は算定不可(選択肢2)
利用者が短期入所生活介護を利用している間も、その必要性が居宅サービス計画に記載されていれば、訪問入浴介護費を算定できる。
この記述は不適切です。
ショートステイ(短期入所)のサービス内容には「入浴」が含まれています。
施設で入浴できる状態なのに、わざわざ外部の訪問入浴を使うことは、給付の重複となり認められません。
(※自費での利用なら止められませんが、介護保険は使えません)
最期の時こそ入浴を(選択肢5)
終末期にある者は、利用することができない。
この記述は不適切です。
終末期(ターミナル期)の方にとって、入浴は清潔保持だけでなく、苦痛の緩和やリラクゼーションの貴重な機会です。
医師や看護師と連携し、最期まで入浴支援を行うケースは非常に多く、むしろニーズの高い利用者層です。