問51
介護保険における通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- サービスの所要時間が同じ区分の利用者に対しては、サービス提供開始時刻を同じにしなければならない。
- 指定通所介護事業所の設備を利用し、宿泊サービスを提供する場合には、その開始前に指定権者に届け出る必要がある。
- 通所介護費の算定の基準となる所要時間には、送迎に要する時間も含まれる。
- 通所介護計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものである。
- あらかじめ通所介護計画に位置付けられ、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場合は、事業所の屋外でサービスを提供することができる。
正解は2・4・5。お泊まり、チームケア、屋外活動
通所介護(デイサービス)は、施設の中だけで画一的に過ごす場所ではありません。
多様なニーズに応えるためのルールが整備されています。
お泊まりデイは「届出」が必須(選択肢2)
指定通所介護事業所の設備を利用し、宿泊サービスを提供する場合には、その開始前に指定権者に届け出る必要がある。
この記述は適切です。
いわゆる「お泊まりデイ」です。
介護保険外のサービスですが、利用者の安全を守るため、事故報告や防火管理などの指針を守り、事前に都道府県知事等(指定権者)へ届け出ることが義務付けられています。
勝手に泊めてはいけません。
計画は「みんなで」作る(選択肢4)
通所介護計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものである。
この記述は適切です。
計画書は、管理者が一人で作るものではありません。
生活相談員、看護職員、機能訓練指導員、介護職員など、関わるスタッフがそれぞれの専門的視点を持ち寄り、共同して作成します。
これがチームケアの基本です。
外に出るのもリハビリ(選択肢5)
あらかじめ通所介護計画に位置付けられ、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場合は、事業所の屋外でサービスを提供することができる。
この記述は適切です。
お花見や買い物訓練など、屋外での活動もサービスとして認められます。
ただし、「なんとなく散歩」はダメです。
「計画に位置付けられていること」と「効果的であること」が条件です。
誤答は1・3。時間の取扱いの鉄則
誤りの選択肢は、サービスの「時間」に関する非常に重要なルールです。
開始時間はバラバラでいい(選択肢1)
サービスの所要時間が同じ区分の利用者に対しては、サービス提供開始時刻を同じにしなければならない。
この記述は不適切です。
例えば「5時間以上6時間未満」の利用者でも、Aさんは9時から、Bさんは10時からスタートしても構いません。
学校の授業のように一律にする必要はなく、利用者の生活リズムや家族の都合に合わせて設定できます。
送迎はケアの時間に含まない(選択肢3)
通所介護費の算定の基準となる所要時間には、送迎に要する時間も含まれる。
この記述は不適切です。
これは試験の超頻出ポイントです。
算定上の所要時間は、あくまで「事業所に到着してから、帰るために整列するまで」の時間です。
行き帰りの送迎時間は含みません。
(※送迎中の車内でのケアは重要ですが、時間のカウント対象外です)