ソーシャルワークは「行動」だ。計画の具体性とアウトリーチの重要性

問47

ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

  1. クライエントと相談援助者が目標達成に向けて取り組むことは、重要である。
  2. 支援計画は、具体的に立てるよりは、できる限り抽象的に立てることが望ましい。
  3. 支援を終結する際は、終結に伴うクライエントの不安に十分配慮することが重要である。
  4. スーパービジョンの主な目的は、クライエントヘの支援の向上とサービスの質の確保のための相談援助者の養成である。
  5. アウトリーチとは、個人情報を適切に管理・保護することである。
目次

正解は1・3・4。二人三脚とプロの育成システム

ソーシャルワーク(相談援助)は、クライエントと共に走り、支援者自身も成長し続けるプロセスです。

ゴールは共有するもの(選択肢1)

クライエントと相談援助者が目標達成に向けて取り組むことは、重要である。

この記述は適切です。

支援は、専門家が一方的に施すものではありません。
「どうなりたいか」という目標を共有し、クライエントと援助者がパートナーとして協働する(二人三脚で進む)ことが、課題解決への最短ルートです。

「卒業」の不安に寄り添う(選択肢3)

支援を終結する際は、終結に伴うクライエントの不安に十分配慮することが重要である。

この記述は適切です。

支援の終了(終結)は、問題解決の証ですが、同時にクライエントにとっては「支えを失う」という不安(分離不安)を生む瞬間でもあります。
これまでの成果を確認し、今後の生活への自信を持てるよう、心理的なフォローが不可欠です。

支援者を支える「スーパービジョン」(選択肢4)

スーパービジョンの主な目的は、クライエントヘの支援の向上とサービスの質の確保のための相談援助者の養成である。

この記述は適切です。

熟練した指導者(スーパーバイザー)が、経験の浅い援助者(スーパーバイジ)に対して教育や支持を行うことを「スーパービジョン」と言います。
援助者が燃え尽きるのを防ぎ、専門職として成長することで、結果的にクライエントへのサービス品質を守る仕組みです。

誤答は2・5。具体性と用語定義の誤り

誤りの選択肢は、計画の立て方の基本原則と、専門用語の意味を取り違えているものです。

「具体的」でなければ動けない(選択肢2)

支援計画は、具体的に立てるよりは、できる限り抽象的に立てることが望ましい。

この記述は不適切です。

「頑張って生活する」という抽象的な計画では、何をすればいいか分かりません。
「週に2回デイサービスに行く」「毎朝8時に起きる」のように、誰が見ても実行できたか判断できる具体的な行動計画が必要です。
具体性こそが実行力を生みます。

アウトリーチは「出向く」こと(選択肢5)

アウトリーチとは、個人情報を適切に管理・保護することである。

この記述は不適切です。

アウトリーチとは、相談に来るのを待つのではなく、援助者が地域や家庭に積極的に出向いて働きかけることです(訪問支援など)。
記述にある「個人情報の保護」は、プライバシーの保護や守秘義務に関する説明です。
「Reach Out(手を伸ばす)」という言葉の通り、外へ出ていく活動を指します。

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