問46
面接場面におけるコミュニケーション技術について適切なものはどれか。3つ選べ。
- 明確化とは、相談援助者がクライエントの利益を考えて、クライエントの代わりに意思決定することである。
- アセスメントには、クライエントの問題状況の把握、情報の収集と分析が含まれる。
- オープンクエスチョンとは、クライエントが自らの選択や決定により、答えを見つけることを促す質問である。
- 面接技術には、ジェスチャー、表情、声の抑揚が含まれる。
- 視線やクライエントとの距離について配慮することは避けるべきである。
正解は2・3・4。分析、質問、非言語の技法
相談援助における面接は、ただのお喋りではありません。
専門的な技術を用いて、クライエント自身が課題に気づき、解決に向かうよう支援するプロセスです。
アセスメントは「情報の整理」(選択肢2)
アセスメントには、クライエントの問題状況の把握、情報の収集と分析が含まれる。
この記述は適切です。
アセスメント(事前評価・課題分析)は、クライエントが抱える問題の全体像を掴む作業です。
「何に困っているのか」「どんな資源があるのか」を多角的に収集し、分析することで、適切な支援計画(プラン)の土台を作ります。
自由に語れる「開かれた質問」(選択肢3)
オープンクエスチョンとは、クライエントが自らの選択や決定により、答えを見つけることを促す質問である。
この記述は適切です。
「はい・いいえ」で答えられない質問(例:「どう思いましたか?」「どんな風にしたいですか?」)のことです。
相手に自由に語ってもらい、内面にある思いや考えを引き出すために有効な技法です。
言葉以外のメッセージ(選択肢4)
面接技術には、ジェスチャー、表情、声の抑揚が含まれる。
この記述は適切です。
これを「非言語的コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)」と言います。
言葉の内容よりも、優しい表情や頷き、穏やかな声のトーンの方が、相手に「受け入れられている」という安心感を与えることがあります。
誤答は1・5。支配的な態度と配慮不足
誤りの選択肢は、クライエントの主体性を奪ったり、信頼関係を損ねたりする不適切な対応です。
代わりに決めてはいけない(選択肢1)
明確化とは、相談援助者がクライエントの利益を考えて、クライエントの代わりに意思決定することである。
この記述は不適切です。
「明確化」とは、クライエントの曖昧な発言を整理し、「こういうことですね?」と確認してハッキリさせる技法です。
代わりに決めること(自己決定の侵害)ではありません。
相談援助の原則は、あくまで「クライエントの自己決定」の尊重です。
距離感や視線は重要(選択肢5)
視線やクライエントとの距離について配慮することは避けるべきである。
この記述は不適切です。
座る位置(正面か斜めか)、距離、目線の高さは、相手への心理的圧迫感に直結します。
威圧感を与えないよう、視線の高さを合わせたり、適切な距離を取ったりする配慮(環境調整)は、面接の基本中の基本です。