問44
介護老人保健施設について適切なものはどれか。3つ選べ。
- 入所者の在宅復帰を目指すことが基本方針として定められている。
- 社会福祉法人は、開設できない。
- 若年性認知症を有する要介護者は、入所することができる。
- 介護支援専門員以外の者でも施設サービス計画を作成することができる。
- 所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することは禁じられている。
正解は1・3・5。中間施設としての使命と公平性
介護老人保健施設(老健)は、医療ケアとリハビリを提供し、自宅へ帰るための準備をする施設です。
その特性を理解しましょう。
家に帰すのが仕事(選択肢1)
入所者の在宅復帰を目指すことが基本方針として定められている。
この記述は適切です。
老健は「終の棲家」ではありません。
病院を退院した後、すぐ自宅に戻るのは不安な人が、リハビリをして生活機能を回復させるための「中間施設」です。
在宅復帰率が高い施設ほど、報酬が高くなる仕組みもあります。
第2号被保険者も対象(選択肢3)
若年性認知症を有する要介護者は、入所することができる。
この記述は適切です。
老健に入所できるのは、原則として「要介護1以上」の人です。
年齢制限はありません。
40歳〜64歳の第2号被保険者であっても、若年性認知症などの特定疾病により要介護認定を受けていれば入所可能です。
お金で差別してはいけない(選択肢5)
所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することは禁じられている。
この記述は適切です。
これは介護保険サービスの原則です。
「お金がないから入所させない」「お金持ちだから優先する」といった差別は許されません。
正当な理由(満床や医療的に対応困難など)がない限り、サービス提供を拒むことはできません。
誤答は2・4。開設主体とケアマネ業務の誤解
誤りの選択肢は、誰が運営できるか、誰が計画を作るかというルールの間違いです。
社会福祉法人も開設OK(選択肢2)
社会福祉法人は、開設できない。
この記述は不適切です。
老健の開設主体として認められているのは、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人などです。
「医療系施設だから医療法人だけ」と思い込みがちですが、社会福祉法人も開設可能です。
(※ただし、特養と違って社会福祉法人がメインではありません)
計画作成はケアマネの独占業務(選択肢4)
介護支援専門員以外の者でも施設サービス計画を作成することができる。
この記述は不適切です。
施設サービス計画(ケアプラン)の作成は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の独占業務です。
医師や看護師であっても、ケアマネジャーの資格を持っていなければ作成できません。
これは特養や療養型など、他の介護保険施設でも同様です。