介護保険の「中間管理職」。都道府県に求められる役割とは

問4

介護保険法に定める都道府県の責務として正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 介護報酬の算定基準を適切に設定しなければならない。
  2. 介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
  3. 介護保険事業が効率的に行われるように、年金保険者を指導・監督しなければならない。
  4. 認知症に関する知識の普及及び啓発に努めなければならない。
  5. 高齢者が経済活動に参加することを促さなければならない。
目次

正解は2・4。現場を支え、啓発する責務

介護保険制度において、都道府県は「国(本社)」と「市町村(支店)」をつなぐエリアマネージャー(中間管理職)のような立ち位置です。
直接的な運営よりも、支援や調整が主な仕事になります。

市町村への「助言・援助」(選択肢2)

介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

この記述は適切です。

介護保険法第5条に定められた、都道府県の核心的な役割です。
現場で汗をかく市町村が困らないよう、広域的な視点からバックアップを行います。

認知症の「普及啓発」(選択肢4)

認知症に関する知識の普及及び啓発に努めなければならない。

この記述は適切です。

介護保険法第5条の2において、国と地方公共団体(都道府県・市町村)の共通の責務として明記されています。
認知症施策は、地域全体で取り組むべき最重要課題の一つです。

誤答は1・3・5。権限の「高さ」が違う

誤りの選択肢は、都道府県の権限を超えているか、そもそも法律の範疇外です。

報酬を決めるのは「国」(選択肢1)

介護報酬の算定基準を適切に設定しなければならない。

この記述は不適切です。

介護報酬(サービスの値段)という全国共通のルールを決めるのは、国(厚生労働大臣)の権限です。
都道府県に価格決定権はありません。ここを混同しないようにしましょう。

年金保険者への指導権はない(選択肢3)

介護保険事業が効率的に行われるように、年金保険者を指導・監督しなければならない。

この記述は不適切です。

都道府県が指導・助言するのは「市町村」や「事業者」に対してです。
年金保険者(日本年金機構など)に対する指導監督権限は、介護保険法上の都道府県の責務には含まれません。

経済活動は管轄外(選択肢5)

高齢者が経済活動に参加することを促さなければならない。

この記述は不適切です。

高齢者の就労促進などは重要な政策ですが、それは労働関連法規や老人福祉法の領域です。
介護保険法の目的(要介護状態の軽減・悪化防止など)からは外れます。法律の「守備範囲」を見極めましょう。

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