感染予防の基本ルール。標準予防策と高齢者の特徴を知る

問34

感染予防について適切なものはどれか。3つ選べ。

  1. すべての人が感染症の病原体を保有している可能性があると考え、感染予防に努める。
  2. 高齢者には、肺炎球菌ワクチンの接種を毎年1回受けることが推奨されている。
  3. 高齢者における結核の初期症状としては、食欲不振、全身倦怠、体重減少などもある。
  4. 手洗いでは、指先、指の間、親指、手首も洗い忘れないようにする。
  5. ノロウイルスの消毒には、低濃度のエタノールを用いる。
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正解は1・3・4。感染対策の「いろは」

感染症から自分と利用者を守るためには、基本的な考え方と具体的な手技の両方が必要です。

全員が保菌者と考える(選択肢1)

すべての人が感染症の病原体を保有している可能性があると考え、感染予防に努める。

この記述は適切です。

これは「スタンダード・プリコーション(標準予防策)」と呼ばれる、現代の感染対策の基本原則です。
「あの人は健康そうだから大丈夫」という予断を捨て、血液や体液、排泄物などはすべて感染源とみなして対応します。

結核は「咳」だけじゃない(選択肢3)

高齢者における結核の初期症状としては、食欲不振、全身倦怠、体重減少などもある。

この記述は適切です。

高齢者の疾患の特徴として、症状が典型的でない(非定型)ことが挙げられます。
結核といえば「咳」のイメージですが、高齢者の場合、咳が出ずに「なんとなく元気がない」「食欲がない」といった症状で現れることがあり、発見が遅れがちです。

手洗いは「親指・手首」が盲点(選択肢4)

手洗いでは、指先、指の間、親指、手首も洗い忘れないようにする。

この記述は適切です。

手洗いは感染予防の基本ですが、漫然と洗うだけでは意味がありません。
特に親指、指先、手首は洗い残しが多い場所です。
意識して洗う習慣をつけましょう。

誤答は2・5。ワクチンと消毒液の知識

誤りの選択肢は、具体的な数字や消毒薬の選び方に関する知識を問うものです。

肺炎球菌ワクチンは「5年」(選択肢2)

高齢者には、肺炎球菌ワクチンの接種を毎年1回受けることが推奨されている。

この記述は不適切です。

毎年受けるのは「インフルエンザワクチン」です。
高齢者の肺炎球菌ワクチンは、一般的に5年に1回の接種が推奨されています(※定期接種の対象年齢などは制度により異なりますが、毎年ではありません)。

ノロには「次亜塩素酸」(選択肢5)

ノロウイルスの消毒には、低濃度のエタノールを用いる。

この記述は不適切です。

ノロウイルスは非常に強力で、一般的なアルコール(エタノール)消毒では死滅しません。
効果があるのは「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)」です。
アルコールが効かないウイルスがあることを覚えておきましょう。

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