退院支援の「橋渡し役」。ケアマネジャーがやるべきこと、やってはいけないこと

問31

次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

  1. 入院中から退院後の生活に向けた準備を進めることが望ましい。
  2. 退院前カンファレンスには、利用者・家族は出席できない。
  3. 介護支援専門員には、退院前カンファレンスにおいて、病院関係者と在宅支援の関係者の橋渡し役になることが求められる。
  4. 介護支援専門員は、常に医学的立場に立って治療法について助言すべきである。
  5. 退院後の利用者を担当する介護支援専門員は、退院後の状況を入院していた病院に報告することが望ましい。
目次

正解は1・3・5。シームレスな移行を支える連携

退院支援において、ケアマネジャーは「病院」と「自宅(地域)」をつなぐ重要なハブになります。
スムーズな移行のために何が必要かを見ていきましょう。

準備は「入院中」から(選択肢1)

入院中から退院後の生活に向けた準備を進めることが望ましい。

この記述は適切です。

退院が決まってから慌てて準備するのでは遅すぎます。
入院中から病院スタッフと連携し、家屋改修やサービスの調整を行うことで、退院直後から安心して生活をスタートできます。

医療と介護の「通訳」(選択肢3)

介護支援専門員には、退院前カンファレンスにおいて、病院関係者と在宅支援の関係者の橋渡し役になることが求められる。

この記述は適切です。

病院の医師や看護師と、在宅のヘルパーや訪問看護師。
両者の視点や言語は異なることがあります。
ケアマネジャーが間に入り、情報を整理して伝える「橋渡し役」になることが求められます。

その後の様子をフィードバック(選択肢5)

退院後の利用者を担当する介護支援専門員は、退院後の状況を入院していた病院に報告することが望ましい。

この記述は適切です。

病院側にとって、退院させた患者がその後どうなったかは気になるものです。
「元気にやっています」「再入院のリスクがあります」といった情報をフィードバックすることで、病院との信頼関係が深まり、次回の連携もスムーズになります。

誤答は2・4。参加制限と役割の逸脱

誤りの選択肢は、利用者の権利を無視したものや、専門職としての領域を超えた行為です。

主役は「本人と家族」(選択肢2)

退院前カンファレンスには、利用者・家族は出席できない。

この記述は不適切です。

カンファレンスは、今後の生活について話し合う場です。
主役である利用者本人や家族が出席できない道理はありません。
むしろ、本人の意向を確認するために、積極的な参加が望ましいとされています。

「医者気取り」は厳禁(選択肢4)

介護支援専門員は、常に医学的立場に立って治療法について助言すべきである。

この記述は不適切です。

ケアマネジャーは医療の専門家ではありません。
治療方針に口を出したり、医学的な助言を行ったりするのは越権行為です。
あくまで「生活を支える立場」から、必要な支援を提案するのが役割です。

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