記録は「身を守る盾」。保存期間と事故対応の鉄則

問22

指定居宅介護支援事業者の記録について正しいものはどれか。3つ選べ。

  1. 居宅介護支援経過は、時系列で誰もが理解できるように記載する。
  2. サービス担当者会議の記録は、支援が完結すればその時点で廃棄してもよい。
  3. 自ら提供した指定居宅介護支援とは明らかに関係がない苦情を受け付けた場合でも、すべて記録し保存しなければならない。
  4. 指定居宅介護支援の提供により発生した事故の状況及び事故に際して採った処置について、記録しなければならない。
  5. 不正の行為によって保険給付を受けた利用者については、市町村に遅滞なく通知するとともにその記録を整備しなければならない。
目次

正解は1・4・5。証拠としての記録管理

介護保険制度において、記録は「支援の証拠」です。
誰が見てもわかるように書くこと、そしてトラブル発生時の記録は必須です。

誰が読んでもわかるように(選択肢1)

居宅介護支援経過は、時系列で誰もが理解できるように記載する。

この記述は適切です。

支援経過は、ケアマネジャーの頭の中にある情報を可視化するものです。
担当者が代わっても、他の専門職が見ても状況がわかるよう、時系列で客観的に記載する必要があります。

事故対応の記録は必須(選択肢4)

指定居宅介護支援の提供により発生した事故の状況及び事故に際して採った処置について、記録しなければならない。

この記述は適切です。

サービスの提供中に事故が起きた場合、いつ、どこで、何が起きたか、どう対処したかを詳細に記録する義務があります。
市町村への報告とともに、再発防止のためにも欠かせない記録です。

不正受給への対応(選択肢5)

不正の行為によって保険給付を受けた利用者については、市町村に遅滞なく通知するとともにその記録を整備しなければならない。

この記述は適切です。

利用者が嘘の申告などで不正に給付を受けていた場合、ケアマネジャーは見て見ぬふりはできません。
速やかに市町村へ通知し、その経緯を記録として残しておく必要があります。

誤答は2・3。保存期間と範囲の誤解

誤りの選択肢は、記録の「寿命(保存期間)」と「範囲」に関するものです。

終わっても「2年間」は保存(選択肢2)

サービス担当者会議の記録は、支援が完結すればその時点で廃棄してもよい。

この記述は不適切です。

サービスの提供が終わっても(完結しても)、その日から2年間は記録を保存しなければなりません。
後から監査が入ったり、トラブルになったりした際に確認するためです。
即廃棄はNGです。

無関係な苦情まで義務ではない(選択肢3)

自ら提供した指定居宅介護支援とは明らかに関係がない苦情を受け付けた場合でも、すべて記録し保存しなければならない。

この記述は不適切です。

苦情の記録は重要ですが、自社のサービスと「明らかに関係がない」ものまで全て記録・保存する義務はありません。
もちろん、親身に聞く姿勢は大切ですが、法令上の義務としての記録対象は、あくまで自社の業務に関連する範囲です。

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