目次
【問46】面接技術(明確化・アセスメント・非言語的技法)
【問題】面接場面におけるコミュニケーション技術について適切なものはどれか。3つ選べ。
- 明確化とは、相談援助者がクライエントの利益を考えて、クライエントの代わりに意思決定することである。
- アセスメントには、クライエントの問題状況の把握、情報の収集と分析が含まれる。
- オープンクエスチョンとは、クライエントが自らの選択や決定により、答えを見つけることを促す質問である。
- 面接技術には、ジェスチャー、表情、声の抑揚が含まれる。
- 視線やクライエントとの距離について配慮することは避けるべきである。
面接技術において、アセスメントには問題状況の把握や分析が含まれ、オープンクエスチョンはクライエントの主体的な思考を促します。また、言葉だけでなくジェスチャーや表情といった非言語的要素も重要な技術です。一方で、明確化は意思決定の代行ではなく、視線や距離感への配慮も不可欠です。
【問47】ソーシャルワークの原則(支援計画・アウトリーチ)
【問題】ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
- クライエントと相談援助者が目標達成に向けて取り組むことは、重要である。
- 支援計画は、具体的に立てるよりは、できる限り抽象的に立てることが望ましい。
- 支援を終結する際は、終結に伴うクライエントの不安に十分配慮することが重要である。
- スーパービジョンの主な目的は、クライエントヘの支援の向上とサービスの質の確保のための相談援助者の養成である。
- アウトリーチとは、個人情報を適切に管理・保護することである。
ソーシャルワークにおいて、支援計画は評価可能なように具体的に立てる必要があります。また、アウトリーチとは援助者側から積極的に地域などへ出向いて働きかけることであり、個人情報管理とは異なります。一方で、クライエントとの協働や終結時の配慮、専門職の質を高めるスーパービジョンの記述は適切です。
【問48】支援困難事例への対応(セルフネグレクト・成年後見・チームアプローチ)
【問題】ソーシャルワークの視点から、支援困難事例に関する記述として、より適切なものはどれか。
- 高齢者の家族が支援内容に対して何度も不満を訴えたため、担当の介護支援専門員が地域包括支援センターヘ相談する。
- 独居のクライエントが屋外までごみがあふれている家屋に住んでいるので、直ちに警察へ介入を依頼する。
- 認知症のために判断能力が著しく低下したクライエントに対して、成年後見制度の利用を検討する。
- セルフ・ネグレクトには、配偶者からの身体的虐待が含まれる。
- 関係する専門職、関係機関、地域住民などがチームを組んでアプローチすることが望ましい。
支援困難事例では、介護支援専門員だけで抱え込まず地域包括支援センターへ相談することや、多職種・地域住民と連携したチームアプローチを行うことが重要です。また、判断能力低下時には成年後見制度の利用も検討されます。なお、セルフ・ネグレクトは自己放任を指し、他者からの身体的虐待は含みません。ゴミ屋敷への対応も、まずは福祉的なアプローチから始めるべきであり、直ちに警察へ介入を依頼するのは不適切です。
【問49】地域援助(コミュニティソーシャルワーク)の実践
【問題】ソーシャルワークにおける地域援助として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
- 保健医療・福祉等の専門職のみによる地域の課題への対応
- 地域の商店とNPOの協働による認知症カフェの設置・運営
- 地域の高齢者が福祉サービスにアクセスしやすくなるための自治体への働きかけ
- 被災者に対する支援のためのボランティアの組織化
- 住民を交えたグループ活動における本人の了解を得ないままの参加者の氏名や顔写真の公表
地域援助(コミュニティワーク)では、専門職だけでなく地域住民や多様な組織との協働が重要です。そのため、商店とNPOによる認知症カフェの運営や、ボランティアの組織化は適切な活動です。また、住民のために自治体へ働きかけるソーシャルアクションも含まれます。一方で、専門職「のみ」での対応は地域援助の趣旨と異なり、本人の了承なき個人情報の公表は倫理的に不適切です。
【問50】訪問介護の基準(サ責の役割・業務継続計画BCP)
【問題】介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 指定訪問介護事業所の管理者は、介護福祉士でなければならない。
- サービス提供責任者は、利用者のサービスに関する意向を定期的に把握するものとする。
- 指定訪問介護事業者は、サービス提供中に事故が発生した場合は、市町村、利用者の家族、担当の居宅介護支援事業者等に連絡を行わなければならない。
- 居宅サービス計画にないサービスでも、利用者の要望があった場合には、訪問介護員は直ちに提供しなければならない。
- 指定訪問介護事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。
訪問介護の管理者に資格要件はありません(介護福祉士が必要なのはサービス提供責任者などです)。また、居宅サービス計画にないサービスは、要望があっても勝手に提供することはできません。一方で、サービス提供責任者による意向の把握、事故発生時の関係機関への連絡、および業務継続計画(BCP)の定期的な見直しは義務付けられています。
【問51】通所介護(デイサービス)の運営基準(送迎・宿泊・計画外)
【問題】介護保険における通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- サービスの所要時間が同じ区分の利用者に対しては、サービス提供開始時刻を同じにしなければならない。
- 指定通所介護事業所の設備を利用し、宿泊サービスを提供する場合には、その開始前に指定権者に届け出る必要がある。
- 通所介護費の算定の基準となる所要時間には、送迎に要する時間も含まれる。
- 通所介護計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものである。
- あらかじめ通所介護計画に位置付けられ、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる場合は、事業所の屋外でサービスを提供することができる。
指定通所介護事業所の設備で宿泊サービス(お泊りデイ)を提供する場合、事前の届け出が必要です。また、通所介護計画は従業者が共同で作成し、計画に基づけば屋外でのサービス提供も可能です。一方で、サービスの所要時間に送迎時間は含まれず、同じ所要時間区分でも開始時刻を揃える必要はありません。
【問52】訪問入浴介護(清拭・部分浴・終末期の利用)
【問題】介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人で行った場合、これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。
- 利用者が短期入所生活介護を利用している間も、その必要性が居宅サービス計画に記載されていれば、訪問入浴介護費を算定できる。
- 心身の状況により、訪問時に全身入浴が難しい場合、利用者の希望によって、清拭や部分浴に変更することができる。
- 利用者の自宅に浴室があっても、訪問入浴介護を利用することができる。
- 終末期にある者は、利用することができない。
訪問入浴介護は、看護職員1名と介護職員2名のチームで行い、自宅に浴室がある場合でも利用可能です。また、利用者の体調や希望に応じて清拭や部分浴に変更することや、終末期の方の利用も認められています。なお、短期入所生活介護(ショートステイ)の利用中は、原則として訪問入浴介護費を算定できません。
【問53】短期入所生活介護(ショートステイ)(計画作成・静養室)
【問題】介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 短期入所生活介護計画は、居宅サービス計画を作成した介護支援専門員が作成しなければならない。
- いかなる場合でも、静養室において指定短期入所生活介護を行うことはできない。
- 利用定員が20人未満の併設事業所の場合、生活相談員は非常勤でもよい。
- 食事内容は、当該事業者の医師又は栄養士を含む会議で検討が加えられなければならない。
- 協力医療機関は、緊急時等に速やかに対応できるよう、指定短期入所生活介護事業所から近距離にあることが望ましいものである。
短期入所生活介護計画の作成は、当該事業所の管理者(計画作成担当者)が行います(居宅ケアマネではありません)。また、緊急時などやむを得ない場合は静養室でのサービス提供も認められています。なお、小規模な併設事業所では生活相談員の非常勤配置が可能であり、食事の検討会議や協力医療機関の距離に関する記述は適切です。
【問54】福祉用具貸与・販売の区分(スライディングボード・簡易浴槽)
【問題】介護保険における福祉用具について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 福祉用具の使用目的には、利用者の自立した日常生活の支援と介護者の負担軽減が含まれる。
- 浴槽内いすなどの入浴補助用具は、特定福祉用具販売の対象となる。
- 利用者の身体を滑らせるスライディングボードは、特定福祉用具販売の対象となる。
- 空気式又は折りたたみ式の簡易浴槽は、福祉用具貸与の対象となる。
- エアマットなどの床ずれ防止用具は、福祉用具貸与の対象となる。
福祉用具は利用者の自立支援と介護者の負担軽減を目的としています。入浴補助用具や簡易浴槽は、衛生面などの理由から特定福祉用具販売(購入)の対象となります。一方で、床ずれ防止用具(エアマット)や、移乗に使用するスライディングボード(特殊寝台付属品等)は福祉用具貸与(レンタル)の対象です。
【問55】認知症対応型共同生活介護(グループホーム)(定員・計画作成担当者)
【問題】介護保険における認知症対応型共同生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 指定認知症対応型共同生活介護事業所の共同生活住居数は、1以上3以下である。
- 1つの共同生活住居の入居定員は、15人以上20人以下である。
- 認知症対応型共同生活介護を利用している場合、福祉用具貸与費を算定できない。
- 計画作成担当者は、1つの共同生活住居ごとに置かなければならない。
- サテライト型指定認知症対応型共同生活介護事業所の管理者は、管理上支障がない場合であっても、本体事業所の管理者が兼務することはできない。
指定認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の共同生活住居の数は1以上3以下と定められており、1つの住居の定員は5人以上9人以下です。また、入居中は施設サービスと同様に扱われるため、原則として福祉用具貸与費を算定することはできません。なお、サテライト型事業所の管理者は、支障がなければ本体事業所との兼務が認められています。