目次
【問21】居宅サービス計画の作成(認定審査会意見・短期入所日数)
【問題】居宅サービス計画の作成について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 被保険者証に認定審査会意見の記載がある場合には、利用者にその趣旨を説明し、理解を得た上で、その内容に沿って作成しなければならない。
- 地域密着型通所介護を位置付ける場合には、認知症の専門医の意見を求めなければならない。
- 厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護は、位置付けることができない。
- 短期入所生活介護を位置付ける場合には、原則として利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。
- 福祉用具貸与を位置付ける場合には、その利用の妥当性を検討し、必要な理由を記載しなければならない。
居宅サービス計画作成にあたっては、認定審査会意見への配慮、短期入所利用日数の制限(有効期間の半数以内)、福祉用具貸与の必要性記載などが定められています。なお、訪問介護(生活援助)が基準回数を超える場合、一律に禁止されるわけではなく、市町村への届け出が必要となります。
【問22】居宅介護支援の記録整備(保存期間・事故・不正対応)
【問題】指定居宅介護支援事業者の記録について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 居宅介護支援経過は、時系列で誰もが理解できるように記載する。
- サービス担当者会議の記録は、支援が完結すればその時点で廃棄してもよい。
- 自ら提供した指定居宅介護支援とは明らかに関係がない苦情を受け付けた場合でも、すべて記録し保存しなければならない。
- 指定居宅介護支援の提供により発生した事故の状況及び事故に際して採った処置について、記録しなければならない。
- 不正の行為によって保険給付を受けた利用者については、市町村に遅滞なく通知するとともにその記録を整備しなければならない。
指定居宅介護支援事業者は、サービス提供に関する記録(支援経過、担当者会議の要点など)を整備し、その完結の日から2年間保存しなければなりません(即時廃棄は不可)。また、事故の記録や、利用者の不正受給に関する通知・記録も義務付けられています。なお、事業と明らかに関係のない苦情まで記録・保存する義務はありません。
【問23】指定介護予防支援の運営(主治医指示・連続性)
【問題】指定介護予防支援について適切なものはどれか。3つ選べ。
- 地域支援事業及び介護給付と連続性及び一貫性を持った支援を行うように配慮する。
- 介護予防通所リハビリテーションを介護予防サービス計画に位置付ける場合には、当該サービスに係る主治の医師の指示は必要ない。
- 介護予防サービス計画の策定に当たっては、利用者の個別性を重視した効果的なものとする。
- 利用者による主体的な取組を支援し、常に利用者の生活機能の向上に対する意欲を高めるよう支援する。
- 介護福祉士を配置しなければならない。
指定介護予防支援では、地域支援事業等との連続性・一貫性への配慮、利用者の個別性の重視、および利用者の主体的な取組・意欲向上への支援が求められます。一方、介護予防通所リハビリテーションの利用には主治医の指示が必須であり、指定介護予防支援事業所の人員基準に介護福祉士の配置義務はありません。
【問24】高齢者虐待への対応事例(市町村への通報・面接方法)
【問題】Aさん(80歳女性、 要介護2、 認知機能は低下していない)は、長男と二人暮らしで、通所介護を利用している。その通所介護事業所の職員から、入浴時にAさんの体に直径3cmくらいのあざが数か所あることを見つけ、 Aさんが「長男に怒鳴られて、叩かれた」と話していたことについての相談があった。高齢者虐待防止法を踏まえた介護支援専門員の対応として、 より適切なものはどれか。2つ選べ。
- 一時的なものと考え、 しばらく様子を見ることにする。
- 速やかに市町村に通報する。
- 直ちにAさんが長期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を決める。
- 長男がいない場で、Aさんと今後の介護サービスや対応について話をする機会を設ける。
- 長男に対し、なぜ怒鳴ったり叩いたりしたのかを厳しく問いただす。
高齢者虐待防止法に基づき、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに市町村へ通報する義務があります(様子見は不可)。また、事実確認や今後の対応についての話し合いは、心理的安全性を確保するため虐待者(長男)がいない場で行うのが適切です。なお、措置の決定権限はケアマネジャーにはなく、虐待者への直接的な厳しい追及も事態を悪化させる恐れがあるため不適切です。
【問25】自立支援と家族の意向(多職種連携・環境把握)
【問題】Aさん(85歳女性)は、長女と二人暮らしである。Aさんは自宅で転倒して腰椎を圧迫骨折し、 1か月入院した。退院後、筋力低下が著しく、要支援2の認定を受けた。介護支援専門員が訪問したところ、 Aさんは以前のように自分で家事や入浴をしたいと希望しているが、長女は転倒を心配してデイサービスでの入浴介助を希望していて折り合わない。自立支援・重度化防止の観点に立った介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
- 長女の希望だけに沿ったケアプランを作成する。
- 筋力低下の原因や回復方法等の確認のため、医師、理学療法士、管理栄養士などに相談する。
- 自宅での転倒リスクを軽減し、できるだけ自宅での自立した生活を営めるように、生活環境全般を把握する。
- 様子を見るため、あえて目標や期間を定めずに介護予防通所リハビリテーションの利用を位置付ける。
- Aさんと長女を交えて、自立支援・重度化防止に向けた話し合いの場を設ける。
自立支援と重度化防止のためには、専門職(医師・PTなど)と連携して身体状況を把握し、転倒リスクを減らすために生活環境を整えることが重要です。また、本人と家族の意向が異なる場合は、一方に偏らず、双方を交えた話し合いの場を設け、合意形成を図ります。なお、ケアプラン作成において目標や期間を定めないことは不適切です。