目次
【問11】介護保険の財政(公費負担割合・調整交付金)
【問題】介護保険の財政について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 施設等給付の公費負担割合は、国30%、都道府県10%、市町村10%である。
- 調整交付金の総額は、介護給付及び予防給付に要する費用の総額の5%に相当する額である。
- 介護給付及び予防給付に要する費用は、公費と保険料によりそれぞれ50%ずつ賄われる。
- 第1号被保険者と第2号被保険者の保険料負担の按分割合は、制度施行以来変わっていない。
- 市町村特別給付に要する費用は、その市町村の第1号被保険者の保険料により賄われる。
介護保険の財源は、原則として公費50%・保険料50%で構成されます。国の負担分には市町村間の格差を埋める調整交付金(5%)が含まれます。また、市町村独自の特別給付は第1号被保険者の保険料のみで賄われ、1号と2号の保険料負担割合は人口比に応じて3年ごとに改定されます。
【問12】第2号被保険者の保険料(事業主負担・生活保護)
【問題】介護保険における第2号被保険者の保険料について正しいものはどれか。3つ選べ。
- 介護予防・日常生活支援総合事業の費用にも充てられる。
- 所得段階別定額保険料である。
- 被用者保険の被保険者の場合には、事業主負担がある。
- 被用者保険の被保険者である生活保護受給者は、保険料を支払う。
- 被用者保険の被保険者の保険料は、市町村が条例で定める。
第2号被保険者の保険料は、介護予防・日常生活支援総合事業の財源に充てられます(包括的支援事業・任意事業は対象外)。被用者保険(職場の健保など)の場合、事業主負担があり、生活保護受給者であっても加入していれば保険料を支払う必要があります。なお、保険料は所得に応じた総報酬割で算定され、各医療保険者が定めます(市町村条例ではありません)。
【問13】認知症総合支援事業(初期集中支援チーム・チームオレンジ)
【問題】認知症総合支援事業において配置の対象とされているものとして正しいものはどれか。3つ選べ。
- 福祉用具専門相談員
- 認知症地域支援推進員
- チームオレンジコーディネーター
- 認知症初期集中支援チーム
- 介護サービス相談員
認知症総合支援事業では、地域での支援ネットワーク構築の要となる認知症地域支援推進員、認知症サポーターと支援ニーズをつなぐチームオレンジコーディネーター、早期からの集中的な支援を行う認知症初期集中支援チームの配置が対象となっています。なお、福祉用具専門相談員や介護サービス相談員は、この事業の配置対象ではありません。
【問14】介護予防ケアマネジメント(住所地特例・委託)
【問題】介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 事業の受託者への費用の審査及び支払に係る事務は、国民健康保険団体連合会に委託できない。
- 介護予防ケアマネジメントの利用者負担は、1割又は2割である。
- 医療機関が行わなければならない。
- 住所地特例適用被保険者については、入所又は入居する施設が所在する市町村が行う。
- 要支援者は、対象である。
介護予防ケアマネジメントは、住所地特例の対象者については施設所在地の市町村が実施し、総合事業のみを利用する要支援者も対象となります。なお、ケアプラン作成と同様に利用者負担はありません。また、支払事務は国保連に委託可能であり、実施主体は地域包括支援センター等が担います。
【問15】介護保険審査会の役割(審査請求・設置主体)
【問題】介護保険審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 市町村に設置される。
- 委員には、被保険者を代表する者が含まれる。
- 介護報酬の審査・支払についての不服は、審査請求の対象となる。
- 指定介護老人福祉施設の指定についての不服は、審査請求の対象となる。
- 保険料の滞納処分についての不服は、審査請求の対象となる。
介護保険審査会は都道府県に設置され、その委員には被保険者代表が含まれます。審査請求の対象となるのは、要介護認定や保険料の滞納処分など、市町村が行った行政処分に対する不服です。なお、介護報酬の審査や事業者の指定に関する不服は対象外となります。
【問16】市町村が有する権限(所得調査・資料提供)
【問題】介護保険に関して市町村が有する権限について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況について、年金保険者に対し資料の提供を求める。
- 要介護認定に関する審査請求事件について、医療保険者に対し必要な報告を求める。
- 被保険者の保険料に関し、被保険者の収入について調査する。
- 介護サービス情報の公表制度に係る報告に関し、指定居宅サービス事業者を調査する。
- 不正の手段により登録を受けた介護支援専門員の登録を消除する。
市町村には、保険料の算定や給付を適切に行うため、年金保険者への資料提供要請や、被保険者の収入状況の調査を行う権限が認められています。一方で、介護サービス情報の公表に関する調査や、介護支援専門員の登録・消除に関する事務は都道府県の権限となります。
【問17】認定調査票の基本調査項目(座位保持・買い物)
【問題】要介護認定の認定調査票(基本調査)に含まれる項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 座位保持
- 整髪
- 預貯金の額
- 学歴
- 買い物
要介護認定の基本調査項目は、身体機能や日常生活動作などを把握するために設定されています。座位保持(第1群:身体機能・起居動作)、整髪(第2群:生活機能)、買い物(第2群:生活機能)は調査項目に含まれます。一方で、預貯金の額や学歴といった経済状況や社会的背景に関する項目は含まれません。
【問18】要介護認定の一次判定(認定等基準時間・全国共通)
【問題】要介護認定の一次判定について正しいものはどれか。2つ選べ。
- 要介護認定等基準時間は、 1日当たりの時間として推計される。
- 要介護認定等基準時間は、実際に居宅等で行われている介護時間そのものである。
- 全国共通の基準に基づき行われる。
- 都道府県が行わなければならない。
- 一次判定の結果は、申請した被保険者に対し通知されなければならない。
要介護認定等基準時間は、実際の介護時間そのものではなく、心身の状況に基づいて推計された1日当たりの時間です。一次判定は、市町村が全国共通の基準(コンピュータ判定)を用いて行います。なお、申請者に通知されるのは二次判定を経た最終的な認定結果であり、一次判定の結果ではありません。
【問19】主治医意見書の項目(医学的管理・感染症の有無)
【問題】要介護認定に係る主治医意見書の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
- 栄養・食生活
- 感染症の有無
- 医学的管理の必要性
- 趣味
- 職歴
主治医意見書の記載項目には、心身の状態に関する意見として栄養・食生活、および特別な医療に関連する項目として感染症の有無や医学的管理の必要性などが含まれます。一方で、趣味や職歴といった個人の嗜好や経歴に関する項目は含まれません。
【問20】居宅介護支援の業務(アセスメント・モニタリング)
【問題】指定居宅介護支援におけるケアマネジメント業務として、 より適切なものはどれか。3つ選べ。
- 課題分析標準項目に基づくアセスメントの実施
- 利用者によるサービスの選択に資するための情報提供
- 地域ケア会議の主催
- 住民による自発的活動の開発
- モニタリングの実施
指定居宅介護支援のケアマネジメントプロセスには、課題分析(アセスメント)、利用者への情報提供、およびモニタリングの実施が含まれます。一方で、地域ケア会議の主催は地域包括支援センターや市町村の役割であり、住民による自発的活動の開発も居宅介護支援の直接的な業務ではありません。