「うちの孫、みんなと上手くやれてるかな?」集団生活の悩みを解決する、プロの「出張」サービス

「親の介護」だけでも手一杯なのに、ふと娘や息子から相談される「孫」の悩み。

「保育園でずっと一人で遊んでいるみたい」
「先生の指示が通らなくて、よく叱られている」

そんな話を聞くと、おじいちゃん・おばあちゃんとしても胸が痛みますよね。
「何かしてあげたいけど、口を出しすぎると嫌がられるし……」と、遠くから心配することしかできず、もどかしい思いをしている方も多いのではないでしょうか。

実は今、発達に不安のあるお子さんのために、専門家が普段通っている園や学校まで「出張」してサポートしてくれる制度があるのをご存知でしょうか?
今回は、意外と知られていない「保育所等訪問支援」というサービスについて、ダブルケア(介護と育児)世代の皆さんにお伝えします。

目次

「通う」のではなく「来てくれる」画期的な仕組み

発達の悩みというと、「療育センター」や「病院」に子供を連れて行って訓練するイメージが強いかもしれません。
しかし、共働きの現役世代にとって、平日の日中に仕事を休んで通院するのは大きな負担です。

そこで注目されているのが「保育所等訪問支援」です。
これは、療育のプロ(児童指導員や作業療法士など)が、お子さんが通っている保育園、幼稚園、小学校へ直接訪問してくれるサービスです。

ここがすごい!3つのメリット

  1. 「いつもの環境」での姿を見てもらえる
    診察室では大人しく座っていても、ガヤガヤした教室ではパニックになってしまう子は多いもの。プロが実際の現場を見ることで、本当の課題が見つかります。
  2. 先生へのアドバイスがもらえる
    このサービスの大きな特徴は、子供本人への支援だけでなく、「先生への支援」も行うことです。「〇〇ちゃんには、絵を使って説明すると伝わりやすいですよ」といった具体的なコツを担任の先生に伝授してくれます。
  3. 親(祖父母)の送迎負担がない
    専門家が園や学校に行ってくれるので、親が仕事を休んで付き添う必要がありません。これは忙しいパパ・ママにとって最大の救いになります。

障害手帳がなくても使える可能性があります

「でも、うちは障害手帳を持っていないし……」と諦める必要はありません。
このサービスは、手帳がなくても、自治体が「支援が必要」と認めれば(受給者証が発行されれば)利用できるケースが多くあります。

「ちょっと落ち着きがない」「集団行動が苦手」といったグレーゾーンの悩みでも、まずは相談してみる価値があります。
早期に環境を整えてあげることで、お子さんは「ここは安心できる場所なんだ」と感じ、ぐんと成長することができます。

家族の不安を軽くするツールと相談先

孫や子供の発達の悩みは、家族だけで抱え込むと深刻になりがちです。便利なツールや窓口を活用して、風通しを良くしましょう。

1. 地域の「児童発達支援センター」へ相談

まずは、お住まいの自治体の「児童発達支援センター」や「子育て支援課」に電話をしてみましょう。
「保育所等訪問支援というサービスがあると聞いたのですが」と問い合わせれば、利用の手順を教えてくれます。おじいちゃん・おばあちゃんからの相談を受け付けてくれる地域もあります。

2. 特性を理解するための「ペアレント・トレーニング本」

「どうして何回言っても分からないの!」と叱ってしまう前に、子供の特性を知ることが大切です。
「ペアレント・トレーニング(親の対応訓練)」の入門書を一冊読んでみてください。「肯定的な言葉かけ」の技術は、実はお孫さんだけでなく、認知症の親御さんとの会話にも応用できる魔法のスキルです。

3. 家族みんなで見守る「連絡帳アプリ」

離れて暮らしていると、孫の様子が分からず不安が募ります。
家族限定で共有できる「連絡帳アプリ」や「写真共有アプリ」を活用し、「今日はこんなことができたよ」とポジティブな報告を共有し合いましょう。
「みんなで見守っているよ」という安心感が、子育て中のパパ・ママの孤立を防ぎます。

まとめ

介護も子育ても、プロの手を借りることは「手抜き」ではありません。
むしろ、専門家の知恵を借りて、本人が一番過ごしやすい環境を作ってあげることこそ、家族ができる最大の愛情表現です。

「園に専門家の先生が来てくれる制度があるみたいだよ」。
今度、娘さんや息子さんに、そっと教えてあげてみてはいかがでしょうか。

お孫さんのための知識、実は国家資格レベルです。
今回ご紹介した「専門家が園や学校に行く」サービス。これは「保育所等訪問支援」といって、障害者総合支援法に基づく公的なサービスであり、試験にも出る専門知識です。
「孫のために調べたことが、介護福祉士の勉強にもなるなんて!」と驚いたあなた。ぜひ実際の試験問題で、その内容をチェックしてみてください。
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