「仕事と介護の両立で、毎日が戦争のよう」
「自分の体のことなんて、後回しになってしまう」
40代、50代の現役世代にとって、親の介護と仕事の両立は本当に過酷です。
そんな中、会社から「健康診断のお知らせ」が届いても、「忙しいからパスしようかな」「悪いところが見つかったら怖いし」と、受診を先延ばしにしていませんか?
でも、少し厳しいことを言わせてください。
あなたが倒れてしまったら、誰が親御さんを守るのでしょうか?
実は、働く人への「年1回の健康診断」は、単なる推奨ではなく、法律で決められた「義務」であり「権利」です。
今回は、働くあなたを守る法律の話と、それを知っていると「良い老人ホーム選び」にも役立つという意外な関係についてお話しします。
法律が「年に1回は体をチェックしろ」と言っている理由
労働安全衛生法という法律をご存知でしょうか。
この法律では、会社(事業者)に対して、「1年に1回以上、従業員に健康診断を受けさせること」を義務付けています。
なぜ国がそこまで口出しするのか。それは、「働く人の健康こそが、社会を支える基盤だから」です。
介護をするあなたも、社会にとって欠かせない存在です。「忙しいから」といって自分のメンテナンスを怠ることは、法律の趣旨から外れるだけでなく、長期的な介護生活のリスクを高めることになります。
「介護はマラソン」とよく言われます。
給水所(健康診断)を無視して走り続ければ、いつか必ず倒れます。堂々と休みを取り、自分の体をチェックすることは、親御さんのためにも必要な「仕事の一部」だと思ってください。
自分の健康を守るのが『義務』であるように、介護を社会に頼ることもまた、国が認めた『権利』です。責任感の強いあなたにこそ読んでほしい記事です。

「職員の健康」を守る施設は、良い施設
この法律の話は、親御さんの施設選びにも役立ちます。
見学に行った際、そこで働くスタッフの顔色を見てみてください。
疲弊しきっていたり、ゲホゲホと咳をしていたりしませんか?
介護現場は体力勝負です。職員の健康管理(年1回の健診やストレスチェックなど)をしっかり行っている施設は、「人を大切にする施設」です。
働く人を大切にする施設は、当然、入居者である親御さんのことも大切にしてくれます。
逆に、職員を使い捨てのように扱うブラックな職場では、余裕のないスタッフによる虐待や事故のリスクが高まります。
「こちらの施設では、職員さんの健康診断などは定期的にされていますか?」と聞いてみるのも、鋭いチェックポイントの一つです。
介護と仕事を両立するための「休む権利」
健康診断以外にも、あなたを守るための制度はあります。
例えば「介護休業」です。
「親一人につき、通算93日まで」仕事を休むことができる制度です。
よく「毎年93日休める」と勘違いされることがありますが、正しくは「対象家族1人につき通算93日」です。
これは、自分がずっと介護をするための休みではなく、「介護体制を整える(施設を探す、ケアマネと相談するなど)ための準備期間」として使うのが賢い方法です。
介護休業で『時間』を作ったら、次は『休息』を取りませんか? 自分が倒れないために、堂々とプロに任せてリフレッシュする方法があります。

自分の体を守るためのツール
忙しい毎日の中で、少しでも自分の健康意識を高めるために、便利なサービスを活用しましょう。
1. 自宅でできる「郵送検査キット」
どうしても病院に行く時間がない時は、「郵送の血液検査キット」や「がんリスク検査キット」を利用してみましょう。
指先から少量の血を採って送るだけで、生活習慣病のリスクなどが分かります。あくまで簡易的なものですが、「病院に行かなきゃ」という動機付けになります。
2. 睡眠の質を測る「スマートウォッチ」
介護疲れは睡眠不足から始まります。
「スマートウォッチ」をつけて寝るだけで、睡眠の深さや質が可視化されます。「あ、昨日は全然深く眠れていないな」と気づくことができれば、今日は早めに休もうという判断ができます。
3. ストレスを吐き出す「介護者カフェ」
心の健康診断も忘れずに。
地域の「介護者カフェ」や「家族会」に参加して、同じ境遇の人と愚痴を言い合うだけでも、心は驚くほど軽くなります。
まとめ
「親のために」と頑張りすぎる人は、自分のことを後回しにしがちです。
しかし、あなたが健康で笑顔でいることこそが、親御さんにとって一番の安心材料なのです。
法律も、あなたの健康を守ろうとしています。
その権利をしっかりと使い、まずは自分自身をいたわってあげてください。
『私が倒れたら終わり』と一人で背負い込んでいませんか? あなたは一人ではありません。医師やケアマネジャーと組む『最強のチーム』の作り方がここにあります。

「健康診断は年1回以上」。これは法律で決まった義務です。
働く人の安全を守る「労働安全衛生法」。実は介護のプロである介護福祉士の試験でも、自分たちの身を守るための知識として必ず出題されます。
「私の会社、ちゃんとしてるかな?」と気になったあなた。ぜひ実際の試験問題で、法律のルールを確認してみてください。
👉 【挑戦!】介護福祉士の過去問を解いてみる
