実家に帰省した時、親御さんの家の冷蔵庫を開けて「ドキッ」としたことはありませんか?
「野菜室のキュウリがすぐにシワシワになっている」
「作り置きのカレー鍋がコンロの上に置きっぱなし」
高齢になると、買い物の回数を減らすためにまとめ買いをしたり、昔ながらの保存方法を続けたりして、食材を傷ませてしまうことがよくあります。
「もったいない」という精神は大切ですが、間違った保存方法は食材を無駄にするだけでなく、食中毒のリスクにもつながります。
今回は、意外と知らない「りんご」の取り扱いと、親世代がやりがちな危険な保存習慣についてお話しします。
りんごは「熟成ガス」を出す爆弾です
健康のためにと、りんごを常備しているご家庭は多いですよね。
でも、そのりんご、買ってきたまま「裸」で野菜室に入れていませんか?
実は、りんごは呼吸をする際に「エチレンガス」という植物ホルモンを放出しています。
このガスには、植物の熟成を早める(=老化させる)働きがあります。
つまり、裸のりんごを野菜室に入れておくと、周りにあるキウイや葉物野菜などがガスの影響を受けて、あっという間に傷んでしまうのです。
りんごは冷蔵庫の「嫌われ者」になりかねません。
【正解の保存法】
りんごを冷蔵庫に入れる時は、必ず「ポリ袋に入れて口をしっかり縛る」こと。
これだけで、周りの野菜を守り、りんご自体の水分が抜けるのも防げます。
「カレーは一晩寝かせると美味しい」の落とし穴
もう一つ、親世代に多いのが「カレーやシチューを鍋ごと常温で置いておく」習慣です。
「火を通せば大丈夫」と思っていませんか?
これは非常に危険です。
カレーなどの煮込み料理には、「ウェルシュ菌」という熱に強い菌が潜んでいることがあります。
この菌は、加熱しても死滅しない「芽胞(がほう)」という殻を作り、常温で冷めていく過程(40℃〜50℃くらい)で爆発的に増殖します。
食べる直前に再加熱しても、菌が出した毒素は消えないこともあり、食中毒の原因になります。
カレーは「常温で寝かせる」のではなく、「粗熱が取れたらすぐに小分けして冷蔵庫(または冷凍庫)」に入れるのが鉄則です。
冷蔵庫を守る「魔法の袋」をプレゼントしよう
保存のルールを口うるさく言うと、親御さんも嫌な気持ちになります。
便利なグッズをプレゼントして、自然と対策ができるようにしましょう。
1. 「野菜鮮度保持袋」
野菜が出すエチレンガスを吸着・分解してくれる特殊な袋が売られています。
「これに入れておくと、野菜が長持ちして節約になるよ」と渡せば、喜んで使ってくれるはずです。
2. 日付が書ける「マスキングテープ」
いつ作ったかわからないタッパーが山積み…という事態を防ぐために、キッチン用のマスキングテープと油性ペンを冷蔵庫の横に置いておきましょう。
「作った日を書いて貼る」をルールにするだけで、廃棄の判断がしやすくなります。
まとめ
冷蔵庫の中身は、親御さんの健康そのものです。
「りんごは袋に入れる」「カレーはすぐ冷蔵庫へ」。
たったこれだけのことで、食材も、親御さんの体も守ることができます。今度実家に帰ったら、こっそり野菜室をチェックしてみてくださいね。
「りんごは袋に入れて保存」。これが国家試験の正解です。
なぜ袋に入れる必要があるのか。それは「エチレンガスによる他への害を防ぐため」です。
食品の保存知識は、利用者の食中毒を防ぎ、家計を守るための重要な生活支援スキルです。「知らなかった!」というあなた。ぜひ実際の試験問題で、正しい保存知識を確認してみてください。
👉 【挑戦!】介護福祉士の過去問を解いてみる
