介護職の現場でのシフト勤務について、実際の課題と悩みを取り上げつつ、シフト作成のポイントや職場を快適にするためのコツを詳しくご紹介していきます。介護現場で働いている方や、これから介護業界に転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
介護施設ごとのシフトの種類
介護職のシフトは、施設の種類に応じて異なります。訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホーム、グループホームなど、それぞれで異なる働き方が求められます。ここでは、代表的なシフトの種類を見ていきましょう。
訪問介護・デイサービスの場合
訪問介護やデイサービスでは、基本的に朝から夕方までの日勤シフトが多く、8時から17時や9時から18時といった時間帯で勤務します。1時間の休憩を含むこれらのシフトは、主に日中に集中するサービス提供が特徴です。
ただし、24時間訪問介護を提供している事業所や「お泊まりデイ」と呼ばれる宿泊サービスを提供しているデイサービスもあります。そのため、日中のみの勤務を希望する場合は、事前に勤務形態をしっかり確認しておくことが大切です。
特別養護老人ホーム・グループホームの場合
特別養護老人ホームやグループホームでは、24時間体制で介護を行う必要があるため、シフトも多様です。一般的に「2交代制」と「3交代制」があります。
- 2交代制:
- 日勤（例：9時〜18時）：8時間勤務、1時間休憩
- 夜勤（例：17時〜翌11時）：16時間勤務、2時間休憩
- 少ない人数で回せるのがメリットですが、夜勤が長く体力的な負担が大きい点がデメリットです。
- 3交代制:
- 早番（6時〜15時）：8時間勤務、1時間休憩
- 遅番（13時〜22時）：8時間勤務、1時間休憩
- 夜勤（22時〜翌7時）：8時間勤務、1時間休憩
- 夜勤が短いため、体力的な負担は比較的少ないですが、シフトの種類が多く、勤務サイクルが複雑になる場合があります。
シフトを確認する際の3つのポイント
1. シフトがルールに沿っているか確認する
介護施設でのシフト作成には、職場ごとにルールがあります。例えば「夜勤明けは必ず休みにする」や「希望休は月に3日まで取れる」といったルールが一般的です。まずはこれらのルールが守られているかを確認することが大切です。
職場の人手不足が原因で、ルール通りにシフトが組めないこともありますが、その場合はシフト作成者との相談が重要です。全員が納得できる形でシフトを決めることが必要です。
2. 不公平なシフトになっていないか確認する
特定の職員だけに早番や夜勤が集中するなど、不公平なシフトは職員間のトラブルの原因になります。公平にシフトを組むことは、職員のモチベーションを保つためにも重要です。不公平なシフトによって、負担が一部の職員に偏らないよう注意しましょう。
3. 希望休や有給が考慮されているか確認する
希望休が正しく反映されているか、有給がしっかり取れているかも確認が必要です。2019年4月から、年に10日以上の有給が付与されている職員は、少なくとも5日間の有給を取得することが義務化されています。職場がこのルールに従っているか、自分自身で確認しておくとよいでしょう。
介護職のシフト勤務でよくある問題点
介護職のシフト勤務には、いくつかのよくある問題点があります。これらを理解し、改善することで、より働きやすい環境を作ることが可能です。
勤務表の発表が遅いこと
シフトが月末ギリギリになって発表されると、職員は翌月の予定を立てにくくなり、ストレスがたまります。このような状況は、職員間の不満を生みやすく、職場全体の雰囲気にも悪影響を与えることがあります。
シフトの偏りと希望休の未考慮
夜勤や早番が特定の職員に偏っていたり、希望休が考慮されていなかったりすることも問題です。不公平なシフトは職員の離職原因にもなり得るため、シフト作成時には公平性を意識することが重要です。
適切なシフト作成のコツ
1. ルール設定と柔軟な対応
シフト作成には、まず基本的なルールを設定することが必要です。例えば「希望休は月に3日まで」「夜勤後は必ず休みを入れる」といったルールです。しかし、職員によっては特別な事情がある場合もあるため、状況に応じて柔軟に対応する姿勢を持つことも大切です。
2. シフト下書きの段階で共有する
シフトの下書きが完成した段階で、職員全体に一度共有することで、不満が少ないシフトを作ることができます。職員が事前に確認できることで、調整がしやすくなり、トラブルを未然に防ぐことができます。
3. コミュニケーションの強化
シフト作成者と職員との間で普段からコミュニケーションを図ることは、非常に重要です。職員の個別のニーズやシフトに対する考え方を理解しておくことで、希望休の調整がしやすくなります。また、普段から良好な関係を築いておくと、職員が気軽に相談しやすくなります。
4. 完璧を求めすぎないこと
シフト作成において、全員が完全に満足するシフトを作るのは非常に難しいことです。そのため、完璧を求めるのではなく、できるだけバランスを保ちながら全員が大きな不満を持たないようにすることが重要です。特定の職員に負担が集中しないように配慮し、チーム全体で支え合う姿勢が求められます。
結論—快適な職場のためにシフト作成で気を付けるべきこと
介護職のシフト作成は、職員一人ひとりが納得し、働きやすい環境を整えるための重要な要素です。シフトに関する不満がなくなることで、職員の士気が上がり、利用者さんに対するケアの質も向上します。
シフト作成においては、公平なルールの設定と柔軟な対応を心がけ、コミュニケーションをしっかりと取りながら、バランスの取れたシフトを目指しましょう。職場全体で協力し合うことで、快適な働きやすい環境を作り出すことができます。
ぜひ、この記事を参考にして、自分に合った職場環境を作り、介護職としてのキャリアをより充実させてくださいね。
