「歩けるようになったら何がしたい?」その一言が、親のリハビリを劇的に変える理由

親御さんが病気や怪我で入院し、懸命なリハビリを経て退院したとします。
家族としては「ああ、また歩けるようになってよかった!」と一安心ですよね。

ところが、家に帰ってきた親御さんは、なぜか浮かない顔。
一日中テレビの前から動かず、「どうせやることもないし」と、せっかくのリハビリ体操もサボりがち……。

「せっかく動けるようになったのに、なんで?」とイライラしてしまう前に、少し視点を変えてみましょう。
もしかしたら、親御さんには「健康になったその先」が見えていないのかもしれません。

今回は、世界保健機関(WHO)が定めた「ICF(国際生活機能分類)」という考え方をヒントに、高齢者が本当に元気になるための「最後のピース」についてお話しします。

目次

人生には「3つのレベル」がある

ICFという言葉は覚えなくて大丈夫です。大切なのは、この考え方が教えてくれる「生きることの3つのレベル」です。

  1. 心身機能(体のレベル): 足が動く、目が見える、計算ができる。
  2. 活動(生活のレベル): 一人でトイレに行ける、料理が作れる、バスに乗れる。
  3. 参加(人生のレベル): 町内会の役員をする、友人とカラオケに行く、孫の世話をする。

リハビリで「足が動くようになった(レベル1)」、「トイレに行けるようになった(レベル2)」まではクリアしました。
しかし、親御さんが元気をなくしている原因は、その上の「参加(レベル3)」がないからなのです。

「やりたいこと」が見つかる前に、リハビリの壁にぶつかって心が折れてしまうこともあります。親が投げやりな態度をとった時、その裏にある「悔しさ」というエネルギーに気づくためのヒントはこちらです。

「参加」こそが生きる喜びの源

「参加」とは、社会と関わり、役割を持つことです。もっと平たく言えば、「今日、外に出かける理由」です。

いくら足が丈夫でも、「会いに行く友達」も「果たすべき役割」もなければ、歩く意味がありません。
逆に言えば、たとえ車椅子生活で(レベル2が不十分で)あっても、将棋サークルで仲間と笑い合っている(レベル3がある)なら、その人の人生はとても豊かで幸せだと言えます。

「健康になること」はゴールではありません。「健康になって、何に参加するか」が重要なのです。

「歩けるようになること」だけが自立ではありません。人の手を借りてでも「やりたいことをやる(自己決定する)」ことこそが重要だという、新しい自立の考え方について紹介します。

「参加」の場を見つけるためのアクション

もし親御さんが無気力になっていたら、「運動しなさい」と言う代わりに、「お父さんの出番」を作ってあげましょう。

1. 趣味や特技を生かせる「シルバー人材センター」

「まだまだ誰かの役に立ちたい」という意欲があるなら、地域の「シルバー人材センター」やボランティアセンターに登録してみるのがおすすめです。
庭木の剪定、子育て支援、毛筆書きなど、現役時代のスキルや趣味がそのまま「感謝される仕事」に変わります。

2. 同じ楽しみを持つ仲間と出会う「サークル検索」

「将棋が指したい」「手芸がしたい」など、具体的な趣味があるなら、公民館のサークルや、民間の「趣味の教室検索サイト」で近所の集まりを探してみましょう。
「来週は発表会があるから」という予定ができれば、リハビリへの意欲も自然と湧いてきます。

3. 移動のハードルを下げる「介護タクシー」

「行きたい場所はあるけれど、移動が不安で諦めている(参加できない)」という場合は、「介護タクシー」「福祉有償運送」の利用を検討しましょう。
プロのドライバーが介助してくれるので、家族が付き添えなくても安心して外出できます。「行けた!」という自信が、次の「参加」を生みます。

具体的に「何をしたいか」が思いつかない親御さんも多いものです。定年後の喪失感を埋め、新たな「役割」や「生きがい」を見つけるための考え方は、こちらを参考にしてください。

まとめ

親御さんに聞いてみてください。
「足が良くなったら、どこに行きたい? 誰に会いたい?」

その答えの中にこそ、親御さんが生きるエネルギーの源があります。
体が完璧に治らなくても、「参加」することはできます。そのための工夫やサポートを考えることこそが、私たち家族の本当の役割なのかもしれません。

「参加=人生レベルの幸せ」。この視点があれば、介護はもっと深くなります。
WHOが定めたICF(国際生活機能分類)の中で、「参加」がQOL(生活の質)に直結する重要な要素であること。これは介護福祉士試験でも頻出の「自立支援の核心」です。
「ただのリハビリじゃダメなんだ」と気づいたあなた。ぜひ実際の試験問題で、その概念を確認してみてください。
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