市町村の決定に「待った」をかける。介護保険審査会の役割と守備範囲

【問15】介護保険審査会の役割(審査請求・設置主体)

【問題】介護保険審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. 市町村に設置される。
  2. 委員には、被保険者を代表する者が含まれる。
  3. 介護報酬の審査・支払についての不服は、審査請求の対象となる。
  4. 指定介護老人福祉施設の指定についての不服は、審査請求の対象となる。
  5. 保険料の滞納処分についての不服は、審査請求の対象となる。
目次

正解は2・5。市民と市町村のトラブルを裁く

介護保険審査会は、市町村が行った「行政処分」に対して、利用者が不服を申し立てる場所です。
「要介護度が納得できない」「保険料がおかしい」といった市民の声を拾います。

利用者の代表も参加する(選択肢2)

委員には、被保険者を代表する者が含まれる。

この記述は適切です。

審査会は、公平な判断を下すために3つの立場の代表者で構成されます。

  1. 被保険者代表(利用者側)
  2. 市町村代表(行政側)
  3. 公益代表(中立な専門家)
    利用者側の視点を入れることが法律で義務付けられています。

お金のトラブルも対象(選択肢5)

保険料の滞納処分についての不服は、審査請求の対象となる。

この記述は適切です。

「保険料を滞納したから差し押さえをする」といった市町村の処分に納得がいかない場合も、審査請求が可能です。
要介護認定の結果だけでなく、保険料や給付に関する決定も審査の対象になります。

誤答は1・3・4。場所と対象の間違い

誤りの選択肢は、設置場所の勘違いや、審査対象外の項目です。

設置は「都道府県」(選択肢1)

市町村に設置される。

この記述は不適切です。

市町村の決定に対する文句を、当の市町村に言っても公正な判断は期待できません。
だからこそ、一つ上の行政機関である都道府県に設置されます。
(※要介護認定審査会は市町村設置ですが、不服を審査する介護保険審査会は都道府県です。ここが最大のひっかけです)

報酬トラブルは「国保連」(選択肢3)

介護報酬の審査・支払についての不服は、審査請求の対象となる。

この記述は不適切です。

事業者への介護報酬に関する審査や支払いは、「国民健康保険団体連合会(国保連)」の仕事です。
そこに不服がある場合は、国保連に設置された「介護給付費等審査委員会」が扱います。
介護保険審査会の出番ではありません。

事業者指定は対象外(選択肢4)

指定介護老人福祉施設の指定についての不服は、審査請求の対象となる。

この記述は不適切です。

事業者の指定に関する処分(指定取り消しなど)への不服は、行政不服審査法に基づく一般的な審査請求になります。
介護保険審査会は、あくまで「被保険者(利用者)への処分」を扱う機関であり、事業者への処分は管轄外です。

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