「大声で叫ぶ」のは逆効果?親が話を聞き取れない本当の理由と、伝わる話し方のコツ

実家に帰省して親御さんと話していると、何度も「え?なんだって?」と聞き返される。
イライラしてつい大声で怒鳴るように話してしまうけれど、それでも伝わらない……。

「補聴器をつけているのに、どうして?」
「私の話を聞く気がないのかな?」

そんなふうに感じてしまうことはありませんか?
実はそれ、親御さんのやる気の問題でも、単に音が小さくて聞こえないだけでもないのです。

高齢者の難聴の多くは、「感音性難聴(かんおんせいなんちょう)」と呼ばれるタイプです。
これは「音が小さい」のではなく、「音が歪んで聞こえる」状態なのです。

今回は、叫べば叫ぶほど伝わらなくなってしまう耳のメカニズムと、ストレスなく会話するためのテクニックについてお話しします。

目次

耳の奥が壊れると「音」は聞こえても「言葉」がわからない

難聴には大きく分けて2つのタイプがあります。

  1. 伝音性難聴(でんおんせい):
    耳垢が詰まったり、鼓膜が破れたりして、音が奥まで届かない状態。これは「ボリュームが下がっている」だけなので、大きな声で話せば聞こえます
  2. 感音性難聴(かんおんせい):
    加齢などで、耳の奥にある神経(内耳や聴神経)が傷ついている状態。これは「マイクやスピーカーが壊れている」状態です。音は聞こえるけれど、言葉として判別できないのです。

高齢者に多いのは後者の「感音性難聴」です。
この状態で大声を出すとどうなるでしょうか?
割れたスピーカーの音量を無理やり上げた時のように、「うるさいだけで、何を言っているか余計にわからなくなる」のです。

「あ、い、う、え、お」の母音は聞こえても、「さ、し、す、せ、そ」や「た、ち、つ、て、と」といった子音が聞き取りにくくなるため、「たけしたさん」が「あえいああん」のように聞こえてしまっているのです。

親の「読唇術」を助けてあげよう

今回の試験問題に出てくるGさん(38歳女性)も、この感音性難聴を持っています。
彼女は「相手の口の動きや表情から会話の内容を理解」しています。

実は、耳が遠くなった高齢者の多くも、無意識のうちに相手の口元を見て、視覚情報で言葉を補っています(読唇)。
ですから、会話をする時は以下のポイントを意識するだけで、伝わり方が劇的に変わります。

1. 正面から、口元を見せて話す

洗い物をしながら、テレビを見ながらの「ながら会話」はNGです。
必ず親御さんの正面に座り、マスクを外して、口の動きが見えるように話しかけましょう。

2. 「高い声」ではなく「低い声」で

高齢になると、高い音(電子音や女性の甲高い声)から聞こえにくくなります。
大声を張り上げるよりも、「少し低めのトーン」で、一語一語区切るようにゆっくり話す方が、言葉の輪郭がはっきりします。

3. 雑音を消す

感音性難聴の人は、ザワザワした場所での会話が極端に苦手です。
大事な話をする時は、テレビを消し、静かな環境を作りましょう。

話し方の工夫だけでなく、便利な『道具』を使うことで、お互いのストレスをもっと減らすことができます。声に頼らない『筆談』や『光』の活用法はこちら。

どうしても伝わらない時の「秘密兵器」

口元を見せても伝わらない時は、無理に言葉で伝えようとせず、別のルートを使いましょう。

  • 筆談ボード: 100円ショップのホワイトボードや、スマホのメモ機能を使って、キーワードだけでも文字にして見せる。
  • 音声認識アプリ: スマホに向かって話すと、リアルタイムで大きな文字に変換してくれるアプリ(UDトークなど)を活用する。

「耳が悪いなら目を使えばいい」。
そう割り切るだけで、お互いのイライラは驚くほど解消されます。

『耳が遠いから』と人付き合いを諦めていませんか? 補聴器などの道具を使いこなし、変化を受け入れながら楽しむ『幸せな老い方』のヒントをご紹介します

まとめ

「なんで聞こえないの!」と怒鳴ることは、親御さんにとっては「雑音で攻撃されている」のと同じです。

少し声を低くして、正面からニッコリ笑って話しかける。
それだけで、親御さんの「聞こえない孤独」を癒やすことができるはずです。

声が届くようになったら、次は親御さんの『心の声』にも耳を傾けてみませんか? 遠慮して本音を言わない親御さんから、本当の気持ちを引き出すプロの技術です。

「感音性難聴は内耳のトラブル」。この知識、プロ級です。
耳のどこが悪いかによって、聞こえ方の悩みは全く違います。この違いを理解していることは、高齢者とのコミュニケーションを円滑にするための必須知識であり、国家試験の重要ポイントです。
「だから大声じゃダメなのか!」と納得したあなた。ぜひ実際の試験問題で知識を確認してみてください。
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