「私の介護はあなたにしか頼めない」
利用者様からこのような言葉を頂けると、とても嬉しいですよね!
ですが、このメッセージに込められた想いによっては、介護職として非常に危険な状況に陥ってしまっている可能性もあるのです。
介護という仕事の性質について復習しながら、その危険性について解説していきたいと思います。
単独ケアやお手伝いさんケアに要注意!
自分の事を必要としている人がいるというのはとても嬉しいことであり、誇らしいことですよね。
「あなたのような素晴らしい介護士に出会えた事を幸せに感じる」という意味で使用されているのであれば、その言葉を素直に受け入れ、胸を張っても良いでしょう。
しかし、「あなた以外の人は私の要望を正しく理解してくれない」や「私の希望を何でも叶えてくれるのはあなただけ」という意味で使用されているのであれば大問題です。
介護はチームプレイによるケアを行うことが重要であり、基本となっています。
それにも関わらず自分以外の人が要望を正しく理解出来ていないということは、あなたから他の介護士への情報伝達や申し送りが行えていないということになるのです。
その利用者様の一生を責任持って面倒見ることが可能なのであれば問題ありませんが、あまりにも非現実的ですよね。
それに、別の介護サービスを利用することになった場合にも大きな支障をきたしてしまうことになります。
だからこそ、誰が関わっても同じ質のサービスが提供出来る環境を構築することが望ましいのです。
利用者様に関わる中で収集することの出来た情報や気付きについては、しっかりと記録に残し、情報を共有するようにしましょう。
また、介護保険のルールとして介護士が介護サービスの提供時間内に行ってはならない行為というものも存在します。
利用者様と関わりを持つ中で情が生まれ、自分に出来ることであれば何でもして助けてあげたいという気持ちになるのは十分に理解できますが、ルール違反であることに変わりはありません。
それが表面化すれば所属している介護事業所に大きな迷惑をかけることになりますし、その利用者様の担当から外されてしまうことにより、結果的にもっと辛い思いをさせてしまうことになるのです。
利用者様を長期的にサポートしていくためにも、今一度サービス提供上のルールについてしっかりと再確認しておきましょう。
介護保険や介護サービスを褒めてもらえる介護士を目指そう!
利用者様にとって介護士は非常に身近であり、自分のプライベートな部分を見せる特別な存在となります。
そのため、馬の合う介護士とだけ関わりたいと願いますし、無意識の内に最高のパートナーを求めてしまうのです。
そんな利用者様の思いに対して私達が行うべきは、利用者様にとって自分が唯一無二の存在になることではなく、関わりを持つ全ての介護士が等しく良質な介護サービスを提供出来るように努力していくこと。
「あなたと出会えて良かった」とおっしゃって頂けるのも非常に嬉しいことですが、もう一段階ステップアップして「介護サービスを利用して良かった」とおっしゃって頂けるようなチームケアを目指して頂きたいと思います!