高齢者の意思を大切にしましょう。
介護施設に入っている方は、他人からの介護を受けないと生活することができない人です。
そのため、どうしても介護職員の都合に合わした生活を送りがちです。
しかし、介護する側の都合に合わして生活をし続けると、高齢者の意思・気持ち・思いなどが損なわれてしまう結果になります。
また、それが続いてしまうと人格すら否定してしまう介護になってしまいます。
そうならないようにする為には、日ごろからどのような心がけをしていけば良いのでしょうか。
一人の人として接する
介護を受けないと生活が成り立たなくても一人の人です。
高齢者だから、介護を受けているのだから、という考えはその方の人格を否定しかねませんので、十分に注意しましょう。
私たち若い世代でも「若いんだから」「男だから」「女だから」と言って人くくりにされると、否定したくなると同じことです。
介護を受けているのだから私たちのペースに合わしてもらわないといけないと考えてはいけませんし、高齢者だから○○が好きなのでしょうと思うことも辞めておきましょう。
一人の人として、その人の特徴、思い、考え方などを考慮した介護を行うようにしましょう。
一見ムダな行為に見えることも意味がある
介護をしていると様々な場面に出くわします。その中でも私たちが見て理解しがたいこともあります。
例えばティッシュを服の中に溜め込む、他人に意味も無く暴言などを吐く、こういったことはよくある行為です。
これを私たちは「意味が無い」と判断して、頭ごなしに辞めさそうとしてしまいがちですが、これは注意が必要です。
何か理由があっての行動だと判断しましょう。
例えばティッシュを服の中に溜め込む場合は、トイレに行った時に紙が無かったことがあった、ティッシュをお金だと思いこんでいるなどの、理由があるかもしれません。
他人に意味も無く暴言を吐いてしまう方は寂しい、もっとかまって欲しいのかもしれません。
○○だから○○をしているのかもしれない。
という「かもしれない介護」をすることによって、高齢者の意思を尊重した介護ができます。
生活暦を把握する
生活暦はその人を知るためには必要な情報です。
昔から亭主関白な人は女性に対して軽蔑した対応をしますし、虐待を受けてきた人は介護拒否をする可能性が高いです。
その人が今まで生きてきた歴史、性格が作られた環境を把握することが良い介護につながります。
介護施設では高齢者の思いを汲み取れない程業務が忙しい時もあります。しかし、忙しい時だからこそ一度立ち止まって考えることも大切ではないでしょうか。