話しかけても反応が無いのは気づいていないだけ?
介護施設が実習生を受け入れる時に、実習生から「話かけても何の反応もなかった、嫌われているのかな」という声をよくききます。
私たち若い世代であれば声がかかれば、その音を聞く事が出来ますし、その音があった方向を振り向いて反応することができます。
実習生が声をかけても反応してもらえなかったのは何故なのでしょうか。
聞こえていない
高齢になりますと、耳が悪くなって音が聞こえにくくなってしまいます。
その為、実習生の声は高齢者に届いていない可能性があります。
加齢によって耳が悪くなりますと高い音が聞き取りにくくなります。
特に若い女性の高い声は聞きとりにくいと言われていますので、高い声の場合はできるだけ低めの声で声をかけてみましょう。
また、早い言葉よりもゆっくりとハッキリした声の方が聞き取りやすいですので、心がけておきましょう。
認識できていない
声は聞こえたとしても、その声が自分に向けられているのか認識できていない可能性があります。
私たちでも同じように、自分に向けて発されていない声には反応しないと同じです。
私が声をかけていますよ、と認識してもらうようにしましょう。
声をかける時はできるだけ同じ目線に立って声をかけるようにしましょう。
また、聞こえにくい耳、聞こえやすい耳が左右によって違う可能性もありますので、聞こえやすい耳から話しかけるようにしましょう。
これは目も同じです。見えやすい目の方から話しかけると認識されやすいです。
警戒している
実習生の場合は、高齢者からしてみれば急に来ますので、警戒している可能性もあります。
その場合は声をかけても反応を示さない、いわゆる無視というものです。
急に来た人に「出身はどこですか」「何のお仕事をしていたのですか」などと声をかけられてもなかなか話にくいです。
これは私たちも同じではないでしょうか。
警戒を解いてもらうポイントとしては、何かをしている人に声をかけるということです。
例えば手芸などをしている人、テレビを観ている人、食事を食べている人などに声をかけていきます。
声掛けの内容としては「手芸面白いですよね」「このテレビは○○が良いですよね」「今日の食事はどうですか?」などと、その人が行っている、見ていることに対して声をかけると返事も返ってきやすいです。
高齢者といっても私たちと同じような感覚を持っています。
急に声をかけられればビックリしますし、警戒してしまいます。
しかし、高齢者は私たちと同じ身体機能は持っていませんので、声掛けの内容は通常の人と同じように、声掛けのやり方は高齢者に合わしたものにしましょう。