高齢者のスムーズな移乗の方法
移乗とはベッドから車いす、車いすからベッドなどの移動のことを言います。
高齢者介護する場合は、この移乗介助をする場面は非常に多いです。
移乗介助をスムーズにするためにはどのような点に注意していけば良いのでしょうか。
身体が小さい介助者、体の大きな利用者を移乗するポイントなどについてご紹介していきます。
立つことをサポートする
支えがあればなんとか立てる、少し介助を行えば立つことができる場合は、立つという行為をサポートするようにしましょう。
立つ時には、座った状態から体を起こしますが、必ず頭が前に来てから人は立ちます。
頭が前に来ない状態で立つことはできません。
頭を前にしてもらいつつ、手すりなどを持ってもらいましょう。
立つ際にはお尻をサポートしてゆっくりと上に挙げてみましょう。
その際は、足が滑らないように支えてあげることも大切です。
お尻が上がれば移りたい方向にお尻を移動させてもらって、ゆっくりと移動させていきます。
常にお尻を支えておくことが、高齢者の安心に繋がりますので、座りきるまで支えましょう。
全介助で移乗する
全介助の場合は力がいると思いがちですが、実は力はあまり必要ありません。
ポイントとしては、できるだけ高齢者と密着して移乗介助を行うのです。
密着することによって力の分散を防ぐことができます。
高齢者の顔より下、胸の部分に顔を入れて、両手は骨盤あたりにキープします。
高齢者の状態を自分に寄りかからせて、高齢者に前傾の姿勢を取ってもらいます。
前傾の姿勢をとってもらうことによって、頭が前にいって、立ちやすくなります。
その体制になれば、自分を支点として高齢者の体をゆっくりと移りたい方向に移動させます。
この際はできるだけ上下移動はせずに、平行的に移動させることがポイントです。
部分的に力を入れない
移乗が上手な人は手に力を入れたりしません。
部分的に力を入れることはしません。
力を入れるのは下半身で、しっかりと脚を地面につけてふんばり体全体で高齢者を移乗させます。
そうすることによって高齢者に余計な負担がいきませんし、高齢者自身も体全体で支えてもらっているので安心して任せる事が出来ます。
移乗介助は介護の中でも頻繁に行う介護です。
やり方を間違えてしまいますとぎっくり腰になったり、慢性的な腰痛に繋がることもありますので、正しいやり方をマスターして自分にも高齢者にもやさしい介助を心がけるようにしましょう。