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発熱は命に関わる!?高齢者の発熱時に取るべき対応

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高齢者の発熱

発熱は年齢・性別問わず様々な原因で起こりますが、免疫力が低下している高齢者の場合は重篤な症状へ発展してしまうケースもあり、発熱時は適切な対応が求められます。

そこで今回は、高齢者の発熱の原因やその対応についてお話していきます。

発熱の定義と発熱の原因になる疾患について

高齢者が発熱した場合、まずどうして発熱したのかを考えますよね。そこで簡単に発熱の定義について紹介し、発熱の原因になる事の多い疾患をまとめたいと思います。

発熱とは?

体温は1日のうち朝が一番低く、夕方に最も高くなります。一般的には37~38℃が微熱で、38℃以上計測されると高熱と判断されます。体温には個人差があり、平均よりも子供はやや高めで高齢者はやや低めと覚えておくと良いでしょう。

高齢者は周囲から見て発熱しているかわかりにくい・本人が発熱を自覚していない・発熱を訴えてこないなどのケースも考えられます。そのため、普段から1日1回(週に1回でも)起床時に測定して平熱を知っておく事が大切です。

測定方法についてですが、市販されているもので多いのは腋窩(脇の下)用ですよね。皮膚と皮膚が密着し測定しやすく、深部体温に近い測定値が出るためです。ほとんどのデジタル体温計は20秒程度で測定できる予測体温と約5分かけて測定する実測体温が測れるようになっています。

 

発熱の原因として考えられる疾患

高齢者の発熱の原因は1つだけでなく、複数の原因によって発熱している可能性も考えられます。そのために発熱している方の観察は密に行う必要があると言えます。

1、 風邪(普通感冒)

発熱の原因として最も多く、微熱程度の発熱で回復するケースもあれば高熱が続くケースもあるので油断はできません。

2、 肺炎

肺に細菌またはウィルスが入り感染を起こす疾患です。高齢者の場合は肺炎が命に関わるケースも少なくないため、発熱は見落とせないサインの1つと言えます。また、高齢者は食べ物を飲み込む力が弱くなるため、食べ物が気管などに入ってしまい誤嚥性肺炎を引き起こすケースもあります。

3、 癌(悪性腫瘍)

癌や腫瘍が放出する物質によって発熱を起こす事がわかっています。また、身体が元の状態に治そうと頑張るため、それが発熱として現れる事もあります。

4、 膠原病

膠原病とは自己免疫システムが異常に働き、自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患です。膠原病の発熱は、37度代の微熱が長期間続き下がりにくいのが特徴です。

5、 褥瘡(床ずれ)

寝たきりの高齢者や痩せている高齢者など、身体の同一部位に長時間体重がかかると発赤から傷になり、褥瘡ができてしまいます。褥瘡が大きい場合や傷に感染を起こしている場合は発熱する事もあり、感染が全身に広がらないように注意しなければなりません。褥瘡予防のためには2~3時間毎の体位変換が推奨されています。

6、 胃腸炎、食中毒

細菌やウィルスで汚染された食事を摂取したり胃腸に菌が入ってしまうと、胃腸で炎症を起こします。これが胃腸炎や食中毒です。下痢や嘔吐、腹痛などの腹部症状の他に発熱を伴う事もあります。

上記以外にも発熱を伴う疾患はたくさんあります。発熱だからと軽視せずに、原因を考え適切な対処をするようにしましょう。

 

高齢者の発熱時に取るべき対応について

発熱は高齢者に限った事ではありませんが、高齢者の場合は対処を間違うと命に関わる事にもなり兼ねませんので、発熱時の対処法についてしっかり覚えておく必要があると言えます。

発熱していても寒気・悪寒がある

この状態の時は、体内の熱が足りずに筋肉を震わせ熱を作ろうとしています。まだ体温が上がるというサインにもなりますので、無理に熱を下げようとはせずに寒気や悪寒が落ち着くまでは保温に努めましょう。電気毛布や温枕などを使うのもオススメです。

発熱していて汗をかいている、暑がる

熱が上がり切り、体外へ熱を逃がそうとしている状態です。これ以上熱が上がらないというサインになりますので、汗をかいた場合は着替えを済ませ保温を止めてクーリングに切り替えましょう。

クーリングについて簡単に説明すると、頭部と腋窩を冷やす3点クーリング、さらに鼠経部を冷やす5点クーリングなどもありますが、両方の腋窩を冷やしてしまうと体温測定時に正確な体温が測定できなくなるのでどちらかの腋窩で十分だと思います。アイスノンや保冷剤を使うのが一般的ですが、額に貼って使うシートなどは冷感による気持ちよさはあるものの直接的な解熱効果はありませんので注意して下さい。

また、発熱に伴い体内の水分が不足して脱水症状を引き起こす事もあります。飲める範囲で良いので水分摂取はこまめに忘れずに行いましょう。

全身の観察をする

発熱していると体温だけに集中してしまいがちですが、全身の観察も忘れないようにしましょう。具体的には以下のチェックをすると良いですね。

  • 活気があるかどうか
  • 顔色、唇の色、爪の色など
  • 呼吸状態
  • 食欲
  • 排泄回数

他にも少しでも普段と違うと感じた場合は注意が必要です。

 

医療機関受診のタイミングについて

 

発熱に気付いたからと言ってすぐに医療機関を受診する必要はありませんが、経過によっては受診が必要になるケースもありますので観察は継続して必要不可欠です。医療機関を受診する具体的なタイミングに決まりはありませんが、目安として参考までに以下に載せておきますね。

・高熱が続いている
・明らかに普段と様子がおかしい
・活気がない
・チアノーゼが出ている
・自宅に解熱剤がない
・食事や水分が摂取できない

上記で自宅に解熱剤がないと書いていますが、自宅に解熱剤があったとしても【自己判断での解熱剤使用は控えて下さい!】特にインフルエンザに罹患している場合の解熱剤使用は原則禁止されています。

解熱剤を使用すると一時的には症状が和らぎますが、身体を守ろうとする自己免疫反応の働きも抑えてしまいます。特に小児や高齢者は解熱剤の誤った使用によりインフルエンザの症状が重篤化するだけでなく脳炎などを引き起こし兼ねないので絶対に止めましょう。使用する場合は医師の指示に従って使用するようにして下さい。

 

夕方になると37℃を超える発熱がありますが、原因は何でしょうか?

【相談】

もうすぐ88歳になる老人についての相談です。平熱は36.5℃程度です。風邪の症状はなく、血液検査・尿検査の結果も悪くないのに夕方になると37~37.6℃の発熱があります。原因として考えられる事を教えて下さい。

 

【解答】

・高齢者に限らず、熱は夜になると上がります。そのため、検査をしても問題がないという事なら体質なのかも知れません。それでも気になる場合はさらに精密な検査をしてみる方法もあります。

・精密検査を受けるべきでは。血液や尿検査が全てではないし、呼吸器系や内臓系も調べてみる方法もあります。自己判断せずに検査結果に応じてセカンドオピニオンをする必要があるかなど医師に相談してみるのも良いと思います。

・水分不足では?高齢者は喉の渇きを感じにくくなったり、排泄への面倒さから水分を摂取しなくなる傾向にあります。日中水分を補えないと夕方頃から身体が火照り微熱が出る事もあるようです。

・病気とかではなく、1日の疲れが熱として現れているのでは?熱の測定はいつ行っていますか?毎日同じ時間に測定していればまだしも、食後などの生活的運動後や入浴後などは体温が上がるものです。熱を測定するタイミングも影響しているかも知れません。

・高齢による体温調節機能の低下では?かかりつけの医師がいれば1度相談すると安心できるかも知れません。

・年齢と共に新陳代謝も悪くなりますし、外気温による影響や適温がわからなくなる事も考えられます。温度計や湿度計を設置し水分補給や換気に気を付けてあげると良いと思います。

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