仕事をしながら家族の介護をしている人は増加し続け、今では240万人以上が仕事と介護を両立してがんばっています。
若いうちは多少の無理もできますが、年を取るにつれてだんだん無理がきかなくなり、疲れも残りやすくなってきます。介護をする相手も年を取れば、介護度も上がり、手もさらにかかるように。
そんな状況で、仕事と介護の両立は可能なのでしょうか?また、仕事と介護を両立させるコツはどのようなところにあるのでしょうか?
仕事と介護の両立、大変なところは?
仕事と介護の両立において、もっとも大変だと思うことは「心身の負担」です。
職場において責任ある役職にあれば、介護のために休んだり早く帰ったり、急な呼び出しに毎回応じることはなかなか難しいでしょう。介護度によっては、一人にしておけない状態にあったり、人手不足でヘルパーを頼めない、デイサービスもいっぱいで利用できないこともあるでしょう。
仕事をしていると、臨機応変に介護に対応できないことがお送ります。
それが、仕事と介護の両立を難しくさせているのです。
両立には心と体の両方に負担がかかる
面倒を見ているときは一瞬の気も抜けず、職場でもいつ施設から連絡が来るかわからない心配を一日中抱えながら過ごしていれば、疲れとストレスが溜まってしまいます。
家に帰っても自分の時間も持てず、ゆっくり食事をしたりお風呂に入る間もないという状態では、心身ともに疲れ果て、「仕事をやめてしまおう・・・」と思い込んでしまうのも無理はありません。
しかし、仕事をやめてしまうと経済的に厳しくなったり、特に男性は社会とのつながりが途切れて気落ちしてしまい、介護する方がうつ病や引きこもりになって介護が必要になるパターンも少なくありません。
介護サービスやケアマネージャーのアドバイスをじょうずに取り入れて
仕事と介護の両立に必要なのは「心の余裕」です。育児でも同じことが言えますが、子どもや高齢者のお世話は、気のゆるみから目を離したすきに重大な事故が起こりかねないものです。
だからと言って四六時中気を張り詰め続けていれば、いつかその緊張の糸は切れ、そのすきに取り返しのつかない事態になることも。
そうならないために、緊張の糸を緩めるもの、つまり「心の余裕」が必要になります。
利用できる介護サービスは利用し、仕事を抜けられなかったり自分が体調を崩したときにどうすればいいかをケアマネージャーに相談したりして、心に余裕を持ちましょう。
最後に
近年、介護離職は社会的な問題になっています。
そのため、介護のための休業や時短勤務を取り入れている職場も増えてきていますので、介護が始まったら、地域の介護サービスを調べるとともに、職場の担当者に介護で受けられる制度があるかも確認しておくといいでしょう。