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子育てしながら介護も行うダブルケアって何?

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ダブルケア

 

 

育児と介護の負担が同時に!「ダブルケア」の現状

育児と介護が同時期にやってくる「ダブルケア」。

育児と介護はそれぞれだけでも大変なのに、それが一度に来るということは、どれだけ大変なことなのでしょうか?

ダブルケアにおいては、介護者の負担やストレスが倍になり、ストレスや疲れで「自分まで他人の手を借りなければならなくなること」や「仕事を辞めなければならない状態になってしまうこと」も珍しくありません。

そうなれば、経済的にも負担が大きくなってしまいます。今回は、他人ごとではない「ダブルケア」の原因や現状、対策についてお伝えします。

晩婚化と晩産化が増え、育児が落ち着く前に介護が始まってしまったら?

ダブルケアを抱える人が急増した背景には、「晩婚化」と「晩産化」があります。

「晩婚化」とは、一般的な結婚適齢期を超えた年齢での結婚が多くなることで、晩婚化が進めば当然、子どもを出産する年齢も上がりますから「晩産化」も進みます。

子どもに一番手がかかる時期に、親のそのまた親が高齢になり、介護が必要になれば、「子どもの世話」と「親の世話」が同時にやってくることになります。それが、「ダブルケア」の状態です。

最近では、晩婚も晩産も珍しくなく女性の管理職も多くなっています。

なので、ちょうど結婚や出産適齢期の頃は、働き盛りで仕事が忙しく結婚や出産を考えられられずに「仕事が落ち着いてきた40代で結婚や出産をしたい!」と言う人も増えています。

もちろん、それが悪いと言うことではありません。しかし、結婚や出産の時期が遅くなれば、ダブルケアもある程度覚悟をしなければならないということです。

ダブルケアの問題やストレスとは?

ダブルケアのツライ所は、「自分の時間がほとんど取れない」という所です。

育児にしろ、介護にしろ、それぞれでも自分の時間を作るのが大変なのに、その大変さが2倍になれば、自分の時間を取ることは難しいでしょう。

育児も介護もかなり「体力」と「気力」を使います。

赤ちゃんでも3kg以上一日中抱っこやおんぶをして過ごさなければならないのです。危険なものに近づいていないか?落ちているものを拾って口に入れないか?など目が離せません。

そんな中、大人のトイレやお風呂の介助には、当然力がいりますし、骨折は寝たきりの原因にもなってしまうので、怪我をさせないように気を遣います。

最近では、介護を理由に仕事を辞めざるを負えない「介護離職」が社会的な問題になっていますが、ダブルケアはその問題をさらに大きくすることでしょう。介護離職においては、経済的な負担が増えてしまい、結果的にさらに精神的に追い詰められてしまうことも少なくありません。

ダブルケアの末路!いずれは限界に!介護者に襲う孤独感

ダブルケアをメインで支えるのは、女性がほとんど。

単なる家事や育児、介護だけではなく、子どもが保育園や学校に入ると役員会や行事にも参加しなければなりません。

その度に仕事を休まなければならないとなると、「周りからも「また…?」と思われていないか?」「人間関係に響くのではないのか?」と気にしている女性は多いです。

職場で孤立を感じても、他の時間が育児と介護では、誰かに胸の内を聞いてもらう時間も中々ありません。自分のことも後回しで、あっという間に一日が過ぎるでしょう。人との関わりが少なくなると、さらに孤独感が増し、精神的に辛くなってしまいます。

なので、一人で抱えて限界になってしまうことも多いです。

悩みやストレスを解消しよう!キーワードは「一人で抱え込まない」

育児や介護それぞれでも言えることですが、何でもかんでも自分一人で抱え込んで「完璧にやろう!」としてしまう、これがダブルケアのストレスや疲れの原因です。

なので、一人で育児と介護を抱え込み限界が来てしまう前に、一人で抱え込まないようにしましょう。一人で抱え込まないようにするためには、様々な方法があります。

・家族の助けを借りる。
・育児や介護での負担を軽減することが出来る制度を利用する。
・職場に理解や協力を求める。
・同じ立場の人たちのコミュニティに参加して悩みやツラさを共有する。
・友達に愚痴や怒りを聞いてもらう。

自分の気持ちを外へ出すことで、かなりストレスを解消出来ます。話すことで自分の気持ちや感情が整理出来ることもあるので、思っていることは口に出してみましょう。

最近では、育児や介護をしながらでも仕事が出来るような環境を整えている企業も多くなってきました。育児や介護をしやすいように時間を短縮する時短勤務や、男性の育児休暇など利用できる制度はたくさんあります。

みんなはどうこなしている?育児と介護を両立させるには?

働き盛りの世帯に降りかかる「ダブルケア」問題。

晩婚化や晩産化が進む昨今、ダブルケア問題を抱える世帯はさらに多くなっていくでしょう。育児だけ、介護だけでも十分に大変なのに、それが同時に降りかかってくることは、どれだけ大変かも想像が付きません。

身体だけではなく、精神的や経済的な負担もかなり大きくなることでしょう。ダブルケア問題を抱えている世帯はどのようにダブルケアをこなしているのでしょうか?

① 困った時には、「家事代行サービス」

家事と育児に介護、そして仕事までこなしていたら、自分の時間なんて全くありません。

疲れていても身体を休める時間すらありません。睡眠や食事まで疎かになってしまうと、介護者の方が身体を壊してしまいます。そうなると「共倒れ」です。

そんな時には、1時間平均2500~3000円程で家事を代行してくれる「家事代行サービス」を利用してみましょう。洗濯や掃除、料理、買い出しと様々な家事の代行をしてもらえます。一見高いと思うかもしれませんが、毎日しろとは言いません。

本当に疲れた時に頼れる場所がある。それが大切です。

疲れを取ってリフレッシュ出来れば、また育児も介護も万全の状態で行えます。自分の時間が出来れば、友達相手に愚痴を言って、英気を養えられ、また頑張れますね。

それに引き変えての2500円は決して高くない金額だと思いますよ。

「家事代行なんて贅沢過ぎない?」と感じる人もいるようですが、意外と利用している人も多くいます。無理をして体調を崩して病院へ通ったり、寝たきりになってしまうよりも安いです!思い切ってプロに家事をお願いするのもダブルケアには必要です。

② 事前に情報収集や知識を身に着けておく!

育児も介護も何も知らずに始まってしまうと、不安や辛さが一気に押し寄せて大変な思いをします。

なので、あらかじめ情報や知識を集めておくことで、対策を取ることが出来るので、身体的や精神的な負担が軽減することが出来ますね!

例えば、「自宅や職場の近くに子どもを預けられる施設はどのくらいあるのか?」「近所にどんな施設があるのか?」「介護で受けられるサービスはどのくらいあるのか?」など、あらかじめ情報を得ておくと、いざと言う時に慌てずに済みます。

「何も知らないこと」は、不安や精神的な苦痛を増加させてしまう一方で、情報収集や知識は精神的な支えになります。育児や介護でわからないことは、地域包括センターや区役所の相談窓口に相談しましょう。

③ 地域総括センターや自治体、コミュニティを利用しよう!

疲れやストレスが溜まっている時、誰だってネガティブな言葉を言いたくなったり、愚痴を誰かに聞いてもらいたいと思うこともあるでしょう。

しかし、だからと言って誰にでも話を言いてもらえば良いという訳ではありませんよね?「同じように大変な思いをしている同志」で話を聞き合った方がより心の支えとなります。

SNS上でも、ダブルケアをこなしている人だけでつながり合ったコミュニティがあり、ツラいことや悲しいこと、逆に上手くいったことなどを話し合い、共感しあうような集まりもよく見かけます。

「ダブルケアで一番大変なことは何ですか?」という調査によると、1位は「精神的負担」と言う結果が出ました。

育児と介護の両立だけではなく、仕事まで入ってくれば、それだけ悩みやストレスが多くなり、精神的負担は増加することでしょう。自分の話をしたり、同じ境遇の人たちの話を聞いたりすることで、気持ちが楽になります。

地域包括センターや自治体、市によっては様々なダブルケアの対策をしている所もあるようです。相談窓口や講習会などに参加して、自分が利用できる制度があるかどうかなどを相談してみてください。

育児と介護の両立「タブルケア」は、がんばりすぎないがコツ!

晩婚化や晩産化が進む近年、育児と介護を同時期に行わなければならない「ダブルケア時期」は他人事ではなく、誰にとっても身近な社会問題になりつつあります。

ダブルケア問題を抱えるのは、働き盛りの40代がほとんど。

調べによると、ダブルケアを抱える40代は20万人以上とも言われています。育児も介護もさらに仕事までと、ついついがんばりすぎていっぱいになっていませんか?

実はダブルケアを両立させるには、「がんばりすぎないこと」が重要です。

① 全てを完璧にこなしている人なんていない!

「がんばりすぎないで上手く行くわけがない」と言う意見が聞こえてきそうですが、介護においても「かんばりすぎない介護」の方が上手く行くと言われています。

ダブルケアをこなしながら、「仕事も続けよう!」と思える人は「責任感が強く、誰かに何かを頼まれたらNOとは言えない性格」である傾向があります。

そのため、何でもかんでも一人で抱え込んで、いっぱいになってしまうことも少なくないでしょう。

確かに、育児も介護も人の命に係わることもあり得るので気が抜けませんし、仕事も責任があるのでいい加減には出来ませんが、手を抜いて良い所は何でもあります。

ベビーシッターやデイサービスなどを利用して、たまには息抜きをすることも悪いことではありません。掃除が出来ないことがあっても、洗濯物が溜まっても良いんです。誰にでもあることですからね。

思い切って、手の抜ける所は手抜きをしちゃいましょう!

② 誰だって疲れやストレスが溜まればネガティブになる!

子どもの世話をすることも親の介護をすることも、大変なのは当たり前のこと。

「ツライ・大変だ・疲れた!なんて愚痴をいうのは、怠け者だ!」なんて、ひと昔前なら言われていましたね。「我慢が美徳」それもわかりますが、誰だって疲れやストレスが溜まった時に、自分のツラさや大変なことの話を聞いてもらいたいです。

それを理解してもらいたい時には、「疲れた」と口に出して言いたい時もあります。

そして、そんな状態の時に、人は考え方や行動がネガティブになりがち。「私の努力が足りないから」「いつまでこんな状況が続くの…?」と堂々巡りになり、人と話すのも面倒になって、引きこもるようになってしまう場合もあります。

ネガティブな感情ほど、口に出して誰かに聞いてもらった方がすっきりします。同じようにダブルケアを抱える立場の人たちとコミュニティに参加して話し合ったり、友達に話を聞いてもらうことは、疲れやストレスを溜めないためにも、とても大切なこと。

愚痴や弱音を吐くことは、悪いことではありません。

③ 誰かに助けてもらうことは悪くない!

自分の子どもや親のお世話を、ベビーシッターや介護士の方にお願いすることに後ろめたさを感じる方は、未だに多くいます。

「自分の家族を他人に預けるなんて、周りから見たらどう思われるんだろう?」と言う不安から、そう言ったサービスの利用をためらう人も少なくありません。

しかし、誰かに助けてもらうことは、何も悪いことではありません。確かに子どもや介護される側からしてみたら、家族にお世話をしてもらった方が良いでしょう。

でも、それで介護者まで倒れるまで自分を犠牲にしてしまって、お世話をされるようになってしまったら元も子もありません。

ツライ時は、誰かの助けを借りましょう。長く続くダブルケアを乗り越えるコツの一つには、「介護者の心と身体のケア」も欠かせないのです。

そして、ダブルケアを抱える人は、これからもっと増えるでしょう。行政も様々な対策を始めていますので、ダブルケアで悩んでいたり、将来ダブルケアになりそうで不安だと言う方は、地域包括センターや役所の担当窓口などに相談してみると良いでしょう。

あらかじめ知識を得ておけば、対策も立てやすくなりますよ!

働きながらダブルケアをこなすコツって?

育児と介護のダブルケアを頑張りすぎて、今までがんばってきた仕事にまで影響が出てきてしまったら、精神的・肉体的なダメージは計り知れませんね。

そして、経済的なダメージまで出てきてしまい、さらに追い詰められてしまいます。そうならないためにも、ここでは働きながらダブルケアをこなすためのコツをご紹介します。

① 出来ないことは遠慮なく誰かに助けてもらう!

育児も介護もさらに仕事までがんばろうとする人は、「何事にも一生懸命で真面目」。

責任感が強いので、周りからも頼りにされ、リーダ的存在でもあるでしょう。そうなると、中々断ったりしにくくなり、自分一人で何でも抱え込むことに。

育児や介護でどうしても手が回らない時は、誰かに助けてもらいましょう。

最近では、育児や介護で休暇を取ったり、時短勤務で働く体制を多くの企業が取り入れています。助けてもらうことを後ろめたいと思わずに助けてもらいましょう。

② 完璧に予定をこなせなくても自分を責めない!

育児も介護もやることがたくさんあります。

例えば、育児は保育園や学校の行事の準備をしたり、参加しなくてはなりません。介護においても他の家族とは違う食事の準備や身の回りのお世話などたくさんあります。

育児と介護に仕事までしようと思えば、一日に何時間合っても足りませんね。

一番手を抜くことが出来るのは「家事」でしょうか。トイレ掃除が1日くらい出来なくても、夕食のおかずに出来合いのお惣菜が増えても「私ってダメだなぁ…」と自分を責めないでくださいね!

1日に少しでもストレッチやウォーキングをしてストレス発散する!

疲れやストレスを軽減するのに、身体を動かすことはとても効果的です。

身体を動かすと血流が良くなり、身体のあちこちにしっかりと酸素と栄養が行き渡ります。ストレスで減った抗体の回復や疲れた身体の疲労回復のためにストレッチやウォーキングをぜひ行ってください。

ダブルケアをしていると自分の時間が取れないということもありますが、買い出しを車ではなく、徒歩や自転車に変えたり、通勤の時には一駅歩くなどでもOKです。肩回りをほぐしたり、数回スクワットするだけでもスッキリしますよ!

ダブルケアで負担に感じるのはどんなところ?

① 子どもとの時間を十分に作れない!

介護をしながら働くとなると、どうしても子どもを幼い頃から保育園やこども園などに預けることになります。小さな頃は、なるべく一緒にいて手をかけてあげたいと親だったら誰しも思うでしょう。しかし、ダブルケアをしていると中々そうもいきません。

家へ帰って来てからも、介護があるので子どもとの時間がありません。保育園へ預ける時に「ママー!」と泣かれると胸が締め付けられて会社まで涙が止まらなかったというエピソードも。

② 身体の疲れが取れない!

20代の頃なら、疲れても数時間あれば回復できたのに、30~40代になると、ちょっと無理をしただけでも疲れが取れません。40代になると筋肉は0.5%ずつ減っていきます。筋肉量が減れば、自ずと肩こりや足腰に負担がかかり、回復に時間がかかるようになります。

育児も介護も体力勝負!抱っこにおんぶ、着替えに食事の準備、お風呂の介助やトイレのお世話などやることもたくさん。さらに、赤ちゃんの時期は夜泣きもあり、睡眠時間も少なくさらに体力が低下していき、身体も悲鳴を上げます。

③ 精神的にツライ!

ダブルケアで一番負担に感じるのは、「精神的なツラさ」。育児も介護もちょっと目を離しただけで取り返しのつかないことになってしまいかねません。

なので、始終気を貼り続けなければならないのは、ツライことです。さらに疲れを癒す自分の時間を取れないのはストレスも溜まって、精神的にツラくなります。

また、育児も介護も自分の思ったようにならないことが多く、意思疎通ですらままらないこともあり、パニックになって一人でワーっと部屋で泣いてしまったという体験談も聞きました。

ダブルケアのツラさを緩和するためには、「知識を増やすこと」と「準備をしておくこと」が大切です。ツラくなった時に対応できるようにしておきましょう。

ダブルケアで疲れた心と身体を癒すセルフケア方法!

① 生活リズムを一定に保とう!

育児や介護では、夜泣きや夜中のトイレの介助などで、しっかりと睡眠を取ることが難しいこともあります。

なので、決まった時間に食事をして、決まった時間に寝ると言ったリズムを保つのは難しいかもしれません。しかし、なるべく生活リズムは一定に保ちましょう。

生活リズムが狂ってしまうと、直すのに何日もかかってしまいます。生活リズムが狂うとホルモンバランスや自律神経のバランスが崩れるので、身体のあちこちに支障が出てしまうのです。せめて、起きる時間と寝る時間だけでも同じ時間にしましょう。

② 不満や愚痴を発散する!

育児も介護も自分の思った通りにスムーズに行くことが少ないです。自分の時間が持てない不満やストレス、疲れからくるストレスなど、不満や愚痴もたくさん出るでしょう。

「自分が不器用だから」「もっと上手く出来る人もいるのに…」と落ち込むことも多いでしょうが、そんなネガティブな気持ちは、一人で抱えて押し込めてはいけません。

同じようにダブルケアに悩むコミュニティに参加して話を聞き合ったり、困っていることを包括センターなどに相談すると、悩みが解決することもあります。

最後に
ダブルケアを行うには、まず自分の体調やストレスを自分でケア出来るようにならなければなりません。ダブルケアのために自分の体調を崩してしまい、あなた自身が誰かのお世話になってしまっては意味がないからです。

全てを完璧に行うのは難しいので、がんばりすぎずに適度に息抜きをするのも必要ですよ!

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