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介護職員が悩む、気難しい利用者とのコミュニケーションについて

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介護職員の仕事は、入浴介助や排せつ介助のような身体的な介護だけではなく、日常的に利用者である高齢者とコミュニケーションを図る事も介護業務の重要な部分に占められています。

この利用者とのコミュニケーションで悩まれている介護職員はたくさんおられます。時には、このコミュニケーションが苦痛で退職を検討されている方までおられるのです。

介護職員として、日々介護業務についていれば、介護技術だけでなく、利用者とのコミュニケーションもとても上手くなっていきます。どのような場面でどのような声かけをすれば良いか、この利用者にはどのような声かけをすれば適切かなどと、その場その場の状況に応じたコミュニケーションもできるようになってくるものです。

しかし、できるようになってくればなるほど、このコミュニケーションがもとでトラブルとなることもたくさん出てきます。
特に気難しい方とのコミュニケーションで悩んでしまい、「自分自身、介護職員に向いていないのだろうか」と思われる方もおられます。

しかしたくさんの利用者と関わる中で、この気難しい方とコミュニケーションを図り、その人に対して必要な介護を提供しなければなりません。介護職員は、介護を行うプロですので、自分の気の合わない利用者であっても、ほかの人と比べ遜色のない介護サービスを行わねばなりません。

では、自分とはなかなか気が合わない、気難しい利用者に対して介護業務を行ったり、コミュニケーションをうまく図っていくにはどのようにすれば良いのでしょうか。お伝えしていきたいと思います。

自分と気の合わない利用者はいると自覚する

介護職員は、介護のプロになりますので、どんな人であっても、ほかの人と同じように介護サービスを行わねばなりません。これがプロのサービスであると思います。

介護以外の接客業を見ても、良いサービスをされているところでは、どんなお客様相手でも同じように良いサービスを行っていると思います。

しかし、介護サービスは、介護職員と利用者との精神的な距離も肉体的な距離もとても近くなることが特徴です。しかもかなりプライバシーの部分にまで踏み込む業務になりますので、それだけ心理的には緊張感のある仕事であると言えるでしょう。

それだけ距離の近くなる仕事ですので、利用者から介護職員を見ても、好き嫌いが必ずあるはずです。どんなに気に入られようとしても、気に入ってもらうどころか、どんどん嫌われてしまうなんて事も少なからずあります。

これは人間でありますから、好き嫌いがあるのは仕方がない事ではないかと思います。もちろん介護職員であるならば、嫌いだから介護業務を行わないなんてことは許されませんが、それでも同じように接するためには、私たちの心理的な部分をコントロールするコミュニケーション技術が必要になるのです。

気難しい人とはどのような人なのか

私たちが介護業務を行う上で、「この人気難しい人だな」と感じる事がたびたびあるとは思いますが、このような人ではないでしょうか。

「自分の考えに強いこだわりがある。」
「協調性に欠けている。同調してもらえない。」
「とても神経質である。」

恐らくいずれかに該当している人であって、
「うまく介護をさせてもらえない。」
「優しく声かけをしても、強く突っぱねられる。」
「そんなに大げさに言わなくても良いのにという事がある。」
「みんなと同じでは嫌だという。ご飯の順番、入浴の順番など強いこだわりがあり、それ以外は受け入れてもらえない。」
みなさんの介護現場にもこのような方、おられませんでしょうか。

時には、暴力をふるってくるような方もおられるかもしれませんし、大声で怒鳴ってくる人もおられるかもしれません。

介護業務に自身がない間は特に、このような事に遭遇してしまうと、自分自身は介護には向いていないのではないのかと思ってしまいます。

ではそのような人に対して、どのように接していけば良いのかお伝えしたいと思います。

コミュニケーション技術を学ぶべき時期であると自覚する

このようなコミュニケーションにおける悩みが出てきた時というのは、自分自身が今までの介護業務より一皮むける時であると自覚する必要があると思います。

このような悩みが出る時というのは、すこし介護業務がテキパキとできるようになった時や、新人と呼ばれる時期を脱した時などではないかと思います。

気難しい人との関わりで悩むという事は、それ以外の利用者との関わりでは上手くいっているという事ではないでしょうか。まず自分自身がステップアップすべき時が来た、自分自身が成長している証拠であると思って良いのではないかと思います。

先輩職員はすべて通ってきた道です。そうやってどんどんベテランの介護職員になっていくものなのです。

コミュニケーション技術は、バイスティックの7原則より学ぶのが早い

みなさんはバイスティックの7原則はご存知でしょうか。
相談援助技術の技法ではありますが、介護職員と言えども相談援助技術を行いますから、やはり学ばねばならない部分であると思います。

バイスティックには7つの原則があるのですが、その中で、気難しい利用者へのコミュニケーションに対しては、「統制された情緒的関与」を行う必要があります。

統制された情緒的関与とは、介護職員自身が、利用者の感情に呑みこまれないようにするために、介護職員自身の感情を統制して利用者に関わる事を言います。

これは何も気難しい利用者だけではなく、気を許せる利用者に対しても同様に、感情を統制して関わるようにするのです。気の許せる利用者であっても、介護職員の感情で関わっては、良い介護ができるはずがありません。どんな時でも良い介護ができるようにするには、気の許せる利用者であっても自分自身の感情をコントロールし、呑まれないようにしなければならないのです。

どんなに厳しい言葉を吐かれようとも、自分自身の感情をコントロールしその利用者に関わるようにします。そうすると冷静にその人の感情がどのような状況なのかを把握できるようにもなりますし、新しい気付きもあるかもしれません。今まで気付かなかった事が気付くようになり、それで関係がうまく行くということも十分にあり得ます。

自分自身の感情がうまくコントロールできるようになると、利用者のどんな部分であっても受け入れることが可能となります。厳しい言葉であってもそれを一人の利用者として受け止めることができるようになります。頭からその利用者を否定することなく、丸ごと受け止めることで、その人の感情や行動がよく見えるようになるのです。

それをバイスティックの7原則では「受容の原則」といいます。

利用者は、一人ひとり違う人ですので、優しく気遣いのできる人もいれば、協調性がなく自分中心に考える人もいます。
私たち介護職員は、どうしても効率よく介護業務を行うために、同じように型にはめてしまいがちなのです。その部分は反省をしなければなりません。気難しい人がいるという事は、その介護業務を改めなければならない時期であるように思うのです。

そう理解することで、みなさんの介護業務もひとつ高いところにステップアップできるようになるのではないかと思います。

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