ひょっとしてうつ病?介護職員に多いうつ病とその対処法

介護職員のうつ病について

介護職員をしている人がうつを患ってしまうという事は少なくありません。特に介護職員はほかの仕事とは違って、利用者である高齢者との関係が近い事もあり、介護業務を真面目に取り組む中でストレスを溜めてしまい、うつ病になってしまわれる方がおられます。

介護業界は慢性的に人手不足となっています。そのため介護サービス事業所の中では、その慢性的な人手不足の中で重労働を強いているようなところもあり、サービス残業や長時間労働により疲弊している職員もおられます。

小規模である介護施設においてはその傾向が強いと言われています。グループホーム、小規模多機能型施設などでは、そのようなところも少なくなく、夜勤においても仮眠や休憩が取れなかったり、早出職員の不足から残業を強いられるような場面も存在するようです。

そんな中で働く介護職員の中にはうつ病を発症してしまう人もおり、労働災害と認定された介護職員が、平成22年から26年の間で、3倍の人数になっています。業種別で見ても、労災認定されるトップ3に介護職員が入るなど、介護現場の環境が悪化している事がわかります。

うつ病など精神疾患において労災認定される基準は次の通りです。

  • 月に160時間以上の残業
  • うつ病など発病前2か月間に、1か月120時間以上残業している
  • うつ病など発病前3か月間に、1か月100時間以上残業している
  • セクハラ・いじめなどが6ヶ月続いている
  • わいせつ行為などがあった

という基準を発表しています。

もしもこのような事例に該当していたり、精神的な不安が大きくあるということであれば、介護業務の継続をいったんストップしてでも心身の状態を改善しなければなりません。

特に労災認定の基準に該当しているということであれば、すぐに病院での診断や近隣の労働基準監督署に相談して頂きたいと思います。

また、自分自身はうつ病ではないか、と思う人がどのようにすれば良いのか、お伝えしていきたいと思います。

自分自身を客観的に見てみる

介護業務を行っていく中で、自分自身はうつ病ではないかと思っておられる人は恐らくは少なくないと思います。それでも通院していなかったり、その予備軍である人はたくさんおられる事であると思います。

まずは自分自身を客観的に見て、うつ病になりやすい傾向にないのか知っておくことが重要です。

うつ病になりやすい人の傾向について

  • 「責任感が強く、自分ひとりで完璧に業務をこなそうとしてしまう」
  • 「手を抜くことができず、完璧にできている必要がある」
  • 「自分自身にまったく自信が持てない、頑張れない」
  • 「劣等感が大きくマイナス思考で、人との関わりを避けている」

このような人は、うつ病になりやすい傾向があります。責任感が強くて完璧に介護業務を行おうとしますが、介護業務に対して自信がないという状態で劣等感も強く、何かあればすぐにガラガラと崩れてしまうように、自分自身の心も破壊されてしまうのです。

そのような傾向のある人は、注意して介護業務に当たる必要があります。

現在の自分自身の状況について

現時点で自覚症状がある人については、すぐに精神科、心療内科など通院を行わねばなりません。うつ症状の身体的な状況については次のような症状があります。

「最近、無気力でなにもやる気が出ない。何もやりたいと思えない。自分自身に自信が持てない事から、やろうとしても失敗することを心配して、何も行動に移せない」
「食欲がなくなってきている。食事に関する関心がわかない。食べようという気持ちにまったくなれない」
「不安な事ばかり想像してしまう。こんな自分ではダメだと思う反面、朝起きた瞬間から絶望感に苛まれており、布団から出ることができない。家から出ることができずに引きこもってしまう」

もしもこのような状況に完全に当てはまっているという事であれば、すぐに近隣の精神科、もしくは診療内科などで診察をすぐに受けてみることが必要です。うつ病になってしまったという罪悪感を持ってしまうかもしれませんが、まずは自分自身の心身の状態を改善させることが必要であると向き合っていくことが大事です。そのための一歩となるものが病院受診であると自覚しましょう。それが自分が元気になれるために必要な事になるのです。自殺願望まで持っているということであればなおさらです。

このような介護現場であればうつになってしまう可能性がある

うつ病になる原因となるにはその背景があります。その背景となる介護現場がどのような状態であるか、客観的にみるようにしましょう。

○慢性的な介護職員不足

介護現場というのは、基本的にどの介護サービス事業所であっても余分な人員をおいていない事は普通です。そのために職員が退職してしまうと、その時点で人員不足と陥ってしまうことになります。

優良な介護サービス事業所であれば、すぐに求人広告を出すなどの行動が敏速ですが、いつまでも人員不足のままにしている介護サービス事業所も存在します。そのような介護現場において影響を受けるのは現場にいる介護職員になります。真面目な人ほど人手不足を補おうと頑張りすぎてしまい、疲弊してしまいます。

○人間関係が良くない介護現場

人間関係は自身の介護業務に直接影響を及ぼすものです。自分に自信がない人であれば、人間関係の悪さも自分自身のせいであると受け止めてしまう傾向にあります。そのような気が抜けない介護現場であればあるほど、自分自身は頑張らないと、と思ってしまい、どんどん疲れが抜けないようになってきます。

このような人間関係は、自分自身のせいであると捉えがちなのですが、実は介護職員からのいじめなどが隠れている場合もあります。客観的に見るようにして、どうなのか冷静に判断する必要があります。

【最後に】

今まで述べてきた事に当てはまるという人であれば、何度も言いますがすぐに受診する必要があります。その自覚が必要です。また、場合によっては休職する必要もあるという覚悟が必要です。人に迷惑をかけるのは嫌かもしれませんが、それほど追い込まれているために、まずは自分自身をきちんと整えるという強い気持ちが必要なのです。

うつ病が酷くなると自殺企図(自殺したいという願望)が現れることがあります。命は一番大切なものです。その命を粗末にしないようにするためには、強い決断で仕事を休んだり、辞めたりする決断も必要なのだと自覚してください。