数年前に多くの被害者を生みだした携帯電話の架空請求による詐欺はまだ、記憶に新しいと思います。
現在、高齢者でも携帯電話をお持ちの方は増えています。遠方のご家族やお孫さんとテレビ電話ができることでも、人気を呼んでいます。
また、シニア向けの携帯電話の普及により益々所持率も高まっています。
しかし、それと同時に架空請求の詐欺の被害に遭う高齢者が増加傾向にあります。
その手口と対策について紹介したいと思います。
① 架空請求による詐欺の手口
突然、知らない人からのメールが届き開くと、以下のような内容が記載されています。
(例)「携帯電話の未納料金があります。本日中に支払って頂けない場合、延滞料金が発生します」、「不正サイトにアクセスしています。
携帯電話料金と別にサイト閲覧料金が発生します。○○万円以下の方法でお支払いください」等の内容が書かれています。
また、お問い合わせ用の電話番号やメールアドレスが記載されていることもあります。
心当たりがなく、意味のわからない内容のメールに戸惑ってしまい、問い合わせると、「本人確認の為に名前、生年月日、住所をお願いします」等と言われます。
そこで、名前や生年月日、住所等を教えてしまうと多額の料金を請求されます。
電話の相手は、個人情報は最初から知りません。
多くの人にダイレクトに送っているメールなので個人は特定されておらず、自分自身が教えない限りはわからないのです。
個人情報を教えると、急かすように電話が頻繁にかかってくるだけでなく、支払いを滞ったら家を差し押さえる等と脅迫されることも少なくありません。
架空請求は人間の不安という心理を利用しお金をだまし取る悪質な詐欺です。
② 支払い方法の手口
以前は、口座振り込みが多かったのですが、最近ではレターパックを使った支払いを求めることも少なくありません。
そこで、1つ覚えておいて欲しいのは、レターパックでは現金を送ることは違反行為にあたり、そのようなことをしてはいけません。
そのような要求をしてくる業者は悪質なものだと思ってください。
また、郵便局の現金書留という方法での被害もあり、振り込みによる詐欺だけとは限りません。
③ 架空請求詐欺に遭わないために
この架空請求による被害が多発していた頃は、年齢に関係なく多くの人が被害に遭われていましたが、現在この手口を知っている方が被害に遭うことは少なくなりました。
しかし、高齢者にとって携帯電話は便利なものであり、危険なものだということを認知していない方が多いのも事実です。
この数年でシニア世代の急激な携帯電話の普及とともに新たな詐欺の対象にもなってしまいました。
架空請求詐欺の被害に遭わないように、携帯電話を持っている高齢者にこのような詐欺があることを理解してもらうとともに、このようなメールが来ても自分から連絡してはいけないということを伝えなければなりません。
携帯電話を持っていると、このようなダイレクトメールだけでなく、クリック詐欺のようなものもあります。
携帯電話を持つ前に、利便性だけではなく、そのリスクについても、伝える必要があります。