介護施設の年間行事
レクリエーションに使える年間行事を載せています。
介護施設で行われる年間行事は、デイサービスに通われている方や施設内で過ごす利用者が楽しんでくれる大事なイベントになります。
馴染み深い年間行事をレクリエーションに取り入れて季節感を感じてもらうきっかけになるといいですね。
1月の行事
初詣
神社に参拝して、新年の無事と平安を祈願する行事です。
屋内でのレクリエーションでは、五角形に切って絵馬(えま)に見立てた厚紙に、願い事を書いていただくのも良いでしょう。
手作りのおみくじを引くのも楽しみのひとつですね。
もちろん、皆様大吉で、縁起良く新年をスタートしましょう。
お神酒(おみき)の代わりの甘酒も喜ばれます。
BGMには、日本の伝統音楽『雅楽(ががく)』などはいかがでしょうか。
新年会
新年のお祝いです。
お鏡や門松などのお正月飾りで、華やかな演出をしましょう。
福笑いで笑って、かるた、百人一首で競った後は、スタッフのマジックショーや、伝統芸能 傘回しが盛り上がりますよ。
年賀カードにメッセージを添えて贈るのも良いですね。
BGMは琴の曲『春の海』が新年らしくオススメです。
歌は『一月一日』『早春賦』はいかがでしょうか。
七草がゆ
1月7日に年末年始に疲れた体や胃腸を、消化の良い『春の七草』を入れたお粥で癒します。
邪気を払い無病息災を願う、平安時代からの行事ともいわれていますね。
「せり」「なずな」「ごぎょう」「はこべら」「ほとけのざ」「すずな」「すずしろ」春の七草
と、語呂良く暗記した方もおられるのではないでしょうか。
トントンとまな板で七草をきざむ振りのある
『七草囃子(ななくさばやし)』というわらべ歌もあるようです。
鏡開き
神様が宿った鏡餅を割って食べることで、一年の無病息災・家庭円満を願う行事です。
武家では、切るという行為は縁起が悪いことから、鏡餅を手や小槌で割っていたそうです。
割ったお餅はお汁粉やお雑煮にして、あるいは焼いたおかきにして、残さず頂きます。
利用者様は、小さく切ったお餅をカリカリに焼いて、お汁粉に入れて柔らかくすると食べやすいですね。
お正月飾りもこの日に片付けましょう。
書初め
その年の豊富や目標を、墨と筆で半紙に書きます。
墨をすると、その香りでちょっと厳かないい気分になりますね。
普段は毛筆で文字を書くことがない方も、背筋を伸ばして夢中で力強い文字を書くことで、気持ちが改まるそうです。
「元旦」「新年」「初春」 など、
好きな文字を書いていただきましょう。
BGMに琴曲『春の海』などが流れると、いっそう新年、お正月のムードが高まりますよ。

2月の行事
節分
春の始まりの行事です。
季節の変わり目に多い病気や災害を鬼に見立てて、炒った豆をぶつけて追い払います。
無言で食べる『恵方巻き(巻き寿司)』も楽しみのひとつですね。
お箸で豆をつまんで、隣の皿に移す『豆つまみ競争』も盛り上がりますよ。
子どもの頃の節分行事を振り返る『回想レクリエーション』も、語り合える良い時間になります。
歌は童謡の『豆まき』や、コミカルな『鬼のパンツ』はいかがでしょうか。
バレンタインデー
日本では、女性が好きな男性や、お世話になった方にチョコレートを贈る日です。
前もってハートの飾り付けを利用者様と一緒に用意しましょう。
ハート柄のテープや折り紙で輪飾りを作ったり、海外では赤いバラを贈る日なので、折り紙でバラを作ったりして華やかに飾ります。
当日はクイズや、チョコバナナ作りも楽しいですよ。
BGMはジャズの名曲『マイ・ファニー・バレンタイン』はいかがですか。

3月の行事
ひな祭り
女子の健やかな成長を願う行事で、ひな人形を飾ります。
飾り付けは利用者様と一緒に早めに始めてもいいですね。
『貝合わせ』という伝統的な遊び(貝の裏に絵が描かれていて、同じ物を2枚合わせるゲーム)もあり、厚紙で作って楽しむこともできます。
ひなあられ、桜餅、甘酒など、行事食も豊富ですよ。
歌は『うれしいひなまつり』の他、『ひなまつり』『おひなまつり』と古い歌がいくつかあります。
ホワイトデー
バレンタインデーにチョコをもらったお返しにクッキーやキャンディーを贈る習わしです。
2月に利用者様やご家族からチョコを頂いたスタッフは、ちょっとしたお返しができると良いですね。
レクリエーションも、感謝の気持ちを伝えたり、手作りプレゼント交換会にしたり、利用者様同士の心の交流をテーマに企画されてはいかがでしょうか。
ホワイトに因んで牛乳ゼリーなど、白いお菓子作りもオススメです。
お彼岸
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように季節の変わり目であり、向こう岸のご先祖や故人を敬う行事でもあります。
利用者様はご先祖のことを思い出されることでしょう。
回想レクリエーションや、秋川雅史さんの『千の風になって 』を鑑賞するのも良いですね。
春のお彼岸にはぼた餅を供え、いただきます。
貴重な砂糖を使ったお菓子を供えることで、先祖への感謝を表す意味もあるそうです。

4月の行事
お花見
工夫して公園に出かけるのも良いですが、無理な場合は室内のレクリエーションでも盛り上がれます。
動画サイトを利用してプロジェクターやテレビ画面で日本中の桜を鑑賞することもできますね。
また、俳句を作るのも風流です。
春の季語をあらかじめ決めておくと作りやすいですよ。
例えば
・夜桜
・菜の花
・チューリップ
・草餅
などです。
歌は『さくら さくら』が定番ですね。
BGMにも適しています。

5月の行事
端午の節句
男子の健やかな成長を祈願する行事です。
折り紙や千代紙を鱗(うろこ)のように重ねて、模造紙に鯉のぼりの貼り絵をするなど、飾り付けを楽しみましょう。
お孫さんのことを思い出す方も多く、地域の子ども達と一緒に交流会ができると、普段は塞ぎがちな利用者様も積極的に参加されることがあるようです。
おやつは柏餅やちまきですね。
歌は『鯉のぼり』『背くらべ』など沢山ありますよ。
菖蒲湯(5月5日)
雨季を迎えるこの季節、宮廷で災いや病が起こらないようにとの願いを込めて、菖蒲湯に入る習慣が始まったそうです。
強い香りが邪気をはらうとされていました。
実際、菖蒲には腰痛や神経痛を和らげる効果のある精油成分が含まれ、香りにはリラックス効果があるとのこと。
根の部分は血行促進や保湿の薬効があり、漢方として処方されることもあります。
湯船には長いまま、または刻んで入れます。
母の日
母を労い、感謝の気持ちを贈る日です。
母の日の由来に登場するカーネーションを、造花キットなどで沢山作って飾ると華やぎますね。
女性の利用者様にはプレゼントとして、メッセージカード付きのカーネーションを贈りましょう。
アクリル毛糸で編む アクリルたわしにも、花の形などの編み方があり、カラフルで喜ばれます。
歌は森昌子さんの『おかあさん』、森進一さんの『おふくろさん』はいかがでしょうか。

6月の行事
父の日(6月第三日曜日)
『母の日』のように華やいだイメージはありませんが、男性の利用者様が主役のレクリエーションを企画して、ちょっとスペシャルな時間を楽しんでいただきましょう。
市販のスタンプやマスキングテープを利用して、手作りのメッセージカードを贈ると喜ばれること請け合いです。
また、似顔絵や写真にメッセージを添えてプレゼントすると会話も弾んで穏やかな雰囲気になりますよ。
カードの代わりに、うちわを使ってみるのも面白いですね。

7月の行事
七夕会
大人になると忘れがちな七夕の日ですが、笹の葉に願い事を書いた短冊を飾り、子供の頃を懐かしんでいただきましょう。
七夕の逸話や豆知識クイズで盛り上がったり、七夕に因んだ道具を使ったマジックを披露したりするのも喜ばれます。
締めくくりは、七夕の歌に振りをつけて歌うのも良いでしょう。
七夕の歌といえば『たなばたさま』が有名ですが、坂本 九さんの『見上げてごらん夜の星を』も人気です。
納涼祭
夏の暑さをしのぐために、涼しさを味わうお祭りです。
風鈴を吊って音色で涼をとったり、浴衣姿にうちわを持ったり、楽しい納涼を演出しましょう。
水をはった小さなビニール・プールでヨーヨー釣りや、スタッフが目隠しでスイカ割りをするのも良いですね。おやつはフルーツ味のアイスをガリガリ削って、手作りシャーベットはいかがでしょうか。
歌やBGMは『夏の思い出』『夏は来ぬ』が涼し気です。

8月の行事
盆踊り大会
提灯などでお祭りらしい飾り付けをしましょう。
さらに浴衣やうちわなど、身に付けるものでも気分が盛り上がります。
そして、盆踊りは輪になって踊るところも楽しいですよね。
椅子を丸く配置してはいかがでしょうか。
座ったまま、手振りだけでも楽しめますよ。
盆踊り曲はご当地のものを使うことが多いですが、氷川きよしさんの『きよしのズンドコ節』等もあります。
夏祭り
元は豊作を願う祭りだそうです。
神輿(みこし)や提灯、風鈴を飾って賑やかな演出ができるといいですね。
ハワイアン・ダンスなどの余興も盛り上がります。
夏に因んだクイズや、ビンゴゲーム。
少し室内を暗くして、アイスを食べながら花火の映像鑑賞会などはいかがでしょうか。
大きめの音で鑑賞できると臨場感もアップします。
歌は『花火』『箱根八里』など、弾んだ曲で楽しみましょう。

9月の行事
十五夜
秋の始まりに、綺麗な満月を鑑賞する行事です。
すすきを飾ってムードを盛り上げましょう。
月で餅をつくうさぎに因んで、スタッフがうさぎの扮装(耳をつける等)で登場すると和みます。
折り紙で『月見団子』や『風船うさぎ』を折ると、行事後も居室に飾れますね。
因んだ歌は『十五夜お月さん』『うさぎ うさぎ』など、しっとりした曲が多いですが、明るく楽しい『うさぎのダンス』も定番です。
敬老の日
長年、社会に尽くして下さった老人を敬愛し、長寿を祝う日です。
落語やものまね、紙芝居、朗読などを鑑賞していただく『披露型』の余興はいかがでしょうか。
手作りプレゼントも用意して、余興の締めくくりに贈ると喜ばれます。
折り紙の花束、厚紙で作るしおりの他、針金ハンガーにリボンを巻いてデコレーションした物も、居室で使えて良いですね。

10月の行事
運動会
笛や太鼓で盛り上がる時間と、静かに指体操などでクールダウンする時間を組み合わせて、無理なく怪我のないプログラムを組みたいですね。
施設にある物を使った『障害物競走』
自分で歩ける人も車いすの人も職員と一緒に安全に『リレー競走』
ビーチボールで『ボール送り競争』
円形に座って『紅白玉入れ』
スタッフが応援団の『紅白応援合戦』など
介助、見守りに気を配りながら行いましょう。
得点の中間発表も楽しみのひとつです。

11月の行事
紅葉(もみじ)狩り
暖かくして、紅葉の綺麗な場所の散策を楽しみましょう。
室内でのレクリエーションは紅葉の押し花作りや、プロジェクターを使用して紅葉の写真や動画をゆったりと鑑賞するのも楽しいですよ。
『もみじ』の歌には「秋の夕日に照る山もみじ♪」と「赤い赤いもみじの葉♪」で始まる2曲があります。

12月の行事
冬至(とうじ)
毎年日付けが変動する冬至。
かぼちゃや小豆粥を食べ、ゆず湯に入るのが昔からの習わしです。
お風呂に沢山のゆずをプカプカと浮かべて、香りを楽しみましょう。
ぜんざいをおやつ作りするのも良いですね。
白玉団子を皆で丸めると楽しいですよ。
歌は、冬の夜長に因んで『冬の夜』『ペチカ』などがオススメです。
*ゆず湯で肌がピリピリしたら、皮に含まれるリモネンが原因です。
すぐにお湯から出て洗い流しましょう。
クリスマス会
クリスマスツリーやリースを飾ったり、色紙で輪飾りを作ったり。
準備は利用者様にも手伝っていただくと、ムードが盛り上がります。
クリスマスソングのBGMや、コスプレ衣装も必須です。
サンタからのメッセージ付きプレゼントもお忘れなく。
渡し方は、ゲームの景品にしたり、サンタに扮装したスタッフが手渡したりと、楽しい工夫を凝らしましょう。
スタッフによるダンスやお芝居も喜ばれます。
年越し
お正月を迎える行事に餅つきがあります。
スタッフが餅をついて、利用者様から「ヨイショー!」と掛け声がかかると楽しいですよね。
餅がつきあがると皆で丸めて、鏡餅や小餅を作ってはいかがでしょうか。
しめ縄や門松といった、お正月の飾りつけに参加していただくのも良いかも知れません。
歌は「もういくつ寝ると・・・♪」で始まる『お正月』が定番です。
合唱でお馴染みの『喜びの歌』も元気が出ますね。

季節の歌
何歳になっても若い頃に聞いた音楽は忘れられないですし、何度でも聞いていたくなる気持ちになります。
昔歌ったことのある懐かしい歌を歌うことで、昔を思い出す「回想」にもつながます。
歌をうたう時には歌詞カードを一人ひとりに配ったり、大きな紙に書いてみんなが見えるところに貼っておくのもよいでしょう。
歌詞の一部を空白にして、歌詞を覚えているかチャレンジするのも脳の活性化につながります。
なかには、人前で歌うことが苦手な方もおられます、そういった方には無理強いせずに、本人の意思を尊重して歌ってもらいましょう。
自分の意思で歌う時が一番気分も盛り上がりますし、楽しいものです。
春の歌
- 花
- 春の小川
- さくらさくら
- 茶摘み
- こいのぼり
- うれしいひなまつり
- さくら
- みかんの花咲く丘
- 春一番
- 北国の春

夏の歌
- ソーラン節
- 炭坑節
- われは海の子
- 海
- たなばたさま
- スイカの名産地
- かたつむり
- あめふり
- 少年時代
- 夏の思い出

秋の歌
- 小さい秋見つけた
- 七つの子
- 故郷の空
- 赤とんぼ
- 虫のこえ
- 紅葉
- 里の秋
- うさぎ
- 風立ちぬ
- 秋止符

冬の歌
- 冬景色
- 冬の夜
- 北酒場
- 雪
- 津軽海峡冬景色
- お正月
- まめまき
- たき火
- エーデルワイス
- あの鐘を鳴らすのはあなた

日本の四季、暦上での季節の節目
日本には美しい「春」「夏」「秋」「冬」の四季があり、それぞれの季節が日本の自然の風景を楽しませてくれます。
春
寒さが和らぎ、少しずつ暖かくなり、過ごしやすい季節になります。
2月4日ごろ(立春)~5月5日ごろまで
- 立春(りっしゅん 2/4頃)
- 雨水(うすい 2/19頃)
- 啓蟄(けいちつ 3/6頃)
- 春分(しゅんぶん 3/21頃)
- 清明(せいめい 4/5頃)
- 穀雨(こくう 4/20頃)

夏
梅雨の時期を迎えます。梅雨が明けると、本格的な暑さが始まります。
5月6日ごろ(立夏)~8月7日ごろまで
- 立夏(りっか 5/6頃)
- 小満(しょうまん 5/21頃)
- 芒種(ぼうしゅ 6/6頃)
- 夏至(げし 6/21頃)
- 小暑(しょうしょ 7/7頃)
- 大暑(だいしょ 7/23頃)

秋
暑さが和らぎ、過ごしやすくなりますが、11月になると朝の冷え込みが厳しくなります。
8月8日ごろ(立秋)~11月7日ごろまで
- 立秋(りっしゅう 8/8頃)
- 処暑(しょしょ 8/23頃)
- 白露(はくろ 9/8頃)
- 秋分(しゅうぶん 9/23頃)
- 寒露(かんろ 10/8頃)
- 霜降(しもふり 10/23頃)

冬
気温が下がり、寒さを感じます。12月の終わり頃からはさらに寒さが厳しくなります。
11月8日ごろ(立冬)~2月3日ごろまで
- 立冬(りっとう 11/7頃)
- 小雪(しょうせつ 11/22頃)
- 大雪(だいせつ 12/7頃)
- 冬至(とうじ 12/22頃)
- 小寒(しょうかん 1/5頃)
- 大寒(だいかん 1/20頃)


