高齢者の肺炎は命に関わる病気です

花盛りの庭

日本人の死亡理由の三大疾病は、がん(悪性新生物)、脳卒中(クモ膜下出血、脳内出血、脳梗塞)、急性心筋梗塞です。

平成23年度厚生労働省人口動態統計によると、その割合は、
死亡順位1位はがんで28.5%、第2位は心疾患(心筋梗塞など)で15.5%、第3位は肺炎で9.9%となっており、今まで3位は長いこと脳卒中であったが、毎年減り続け、ついに平成23年に肺炎と順位が入れ替わった。

肺炎は65歳以上の高齢者が90%以上占めています。高齢者にとって、大変怖い病気です。

肺炎の原因としては、

  • 脳血管障害による神経機能の低下
  • ADL(日常生活動作)の低下や寝たきりによる口腔内細菌の増加
  • 胃、食道逆流
  • 栄養欠乏
  • 免疫機能の低下
    などがあります。

高齢者肺炎の特徴として

  • 老化による整理機能低下のため、咳、痰、発熱などが目立たないことが多い、そのため発見が遅れ易い。
  • 高齢者はもともと既に様々な基礎疾患を持っていることが多く、肺炎が重症化し易い。
  • 老化による薬物代謝、排泄機能低下のため、治療薬の副作用が出易い。
  • 誤嚥(誤って異物を飲み込むこと)の関与が大きい。口腔咽頭内に定着した菌を気管支に吸入して肺炎を起す。
    肺炎も再発しやすい。

高齢者肺炎の3つの予防対策

  • 手洗い、うがい、マスクの着用、十分な栄養、禁煙、糖尿病、高血圧も要注意。
  • 誤嚥対策、口の中に肺炎病原菌の定着を防ぐため、口腔ケアをしっかり行う。
    食べものにとろみを付けて飲みやすくする。嚥下食を摂る。
  • インフルエンザワクチンの接種、肺炎球菌ワクチンの接種。

特に嚥下障害と誤嚥は高齢者に多く、肺炎となって死にいたるケースも大変多い。

この嚥下障害と誤嚥について、もう少し詳しく述べます。

*誤嚥性肺炎

誤嚥とは唾液や食物、胃液など異物が気管支に入ってしまうことです。

その食物、唾液に含まれた細菌が気管支を通って肺に入り込んで肺炎を起します。

起きているときはむせるので気がつきますが、眠っている間に細菌のある唾液を少しずつ誤嚥する場合もあります。
これが大変多い。

治療には抗生物質を使います、場合によっては酸素吸入や人口呼吸器を使う場合もあります。

従って予防には前記の予防対策が必要です。

ゲップや胸焼けがある場合は胃液の逆流が起こる場合があります。
こんな時は食後2時間くらいは座った姿勢を保ちましょう。

*嚥下障害

嚥下障害とは、食物を噛んだり、唾液や噛み砕いた食物を飲み下すことができにくくなることです。

口の奥の天井部分にある喉頭ふたが閉じたり開いたりして、気管や鼻に入り込むことなく、
食道から胃に送り込まれます。脳卒中や脳神経系や筋肉に傷害を生じると、支障が起こり、嚥下障害となります。

症状としては、各種あります。

飲みにくい、飲むと痛みがある、食物がこぼれる、よだれが出る、口が乾く、むせる、吐くなど。

こんな場合は受診が必要です。