老人ホームを探すと決めたら-特別養護老人ホームについて⑥

赤いチューリップのテクスチャー

こんにちは、朝です。
「必要なのは、マイナスをゼロに近づけるケア」(三好春樹:『介護職よ、給料分の仕事をしよう』より抜粋)。
理想論に踊らされず、無理せず、腐らず、自然体。
高齢者は弱者ではありません。それぞれダテに長生きしておらず、時に誰よりも強い存在です。東日本大震災の時など、当時いた施設では誰一人パニックを起こさず、悠然とした姿はもはや見ものでした。(スタッフは大パニックでした。)その強さは信頼に値します。
強さを信じて余計なことはしない。
いったい何が必要で何が余計なのかを、本人と向き合って一生懸命考えるのが家族であり、介護スタッフなのだと思います。
なんか真面目っぽくも意味不明なことを言ってしまいました。誰が読んでも良い本だと思います。ご興味があればぜひ。

特別養護老人ホームについて続けます。
今回は、個室がいいか多床室がいいか。

これも個人的な感覚ですが、同室者は少ない方がいいと思います。
「うちの母はさびしがり屋だから、個室じゃない施設がいいんです。」という娘・息子さんもいましたし、実際に認知症になって個室に一人でいることができず、夜も共用部のソファでうとうと…という方もなかにはいます。

だからこれはあくまで好みの問題ですが、他人が数人同じ部屋で暮らせば何かしらいざこざが起こることは容易に想定されます。ましてや介護施設で数人同室だった場合、ありとあらゆることが起こり得ます。認知症の人がいれば、個人の荷物が入っている棚を開けて物を持って行かれる(または物をしまわれる)、自分のベッドにいつのまにかお隣さんが寝ている、夜中にカーテンを開けてお隣さんが入ってきた(すごく怖いと思います)。夜中に声を上げる、唸り声。消灯時間が来ているのに突然電気をつけてみる…
自分がする方になるかされる方になるかは分かりません。このほかにも考えられないようなアンビリーバブルはしょっちゅうです。ご家族ともどもぜひおおらかなスタンスでお願いします。

全員認知症じゃなかったとしても、TVがあってもイヤホン着用、おむつ交換のときの臭いが気になる、いびき、歯ぎしり、寝言、家族が来ていて楽しそうでうらやましい。差し入れのお菓子をもらったけど、お隣さんは食事制限があってなんとなく気を使う…などなど。

個人的な結論としては、寮生活が楽しいのは自分で好きに動けて外出もできる健康人だけ。私のような気ままなゆとり野郎には、多床室はいささか厳しい環境のようです。

次に、ユニット型について書きたいと思います。
ユニット型とは、『利用者を10人以下のグループに分け(個室)、1ユニットごとに専用の居住空間と専任の職員を配置することにより、少規模生活単位の家庭的な雰囲気の中での介護ケアを行うこと』です。
つまり、10個の個室とその10人のためのリビング(?)があって、これをユニットと呼びます。そこに主にその10人を担当する介護スタッフがいて、そのユニットにたんぽぽだのさくらだのの名前がついているところが多いです。
基本的にはスタッフも含めたそのたんぽぽ村の村人単位で生活し、食事はみんなでリビングで、介護はなじみのスタッフで、ということです。
認知症じゃなくてもお風呂や排泄介助などは顔なじみのスタッフにしてもらいたいですし、認知症の場合は見知らぬ人に介助されることに激しく抵抗し、暴力をふるうこともあります。
スタッフにとっても担当する利用者さんが少なければその人の細かいところまで把握して気を配れるでしょう。
ユニット制は利用者さんにもスタッフにも優しい方法だと思います。
個人的にはもし身内を特養に預けるならユニット型にしたいと思っています。

が、ユニット型もいいことずくめなわけではありません。次回は従来型とユニット型を比較しながらそれぞれの長所と短所を考えてみようと思います。

特別養護老人ホームについて⑦へ続く

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。