貧困と孤立から起こる高齢者の犯罪

冷たい空と桜の花

増え続ける高齢者の犯罪

高齢者の犯罪が増え続けています。高齢者の人口が増えているのだから、そうなるのは当然のことと片付けていい問題ではありません。

何より残念に感じるのは、高齢者が同じ高齢者を相手に犯罪を犯すことです。

振り込め詐欺などの犯罪に加担していたり、近隣トラブルやストーカー行為の末、殺人に及んでしまったりと、自分と同じ様に頑張って長く生きてきた筈の高齢者を標的にしてしまうのです。

お互いに、やっとこれから安らぎを得ようとする年齢だったのに、どちらも不幸になってしまったのかと思うと、やりきれない思いになります。
 

万引き

高齢者の犯罪で特に多いと言われているのが万引きです。

数年前から急速に増え始め、かつては少年犯罪の代名詞だった万引きは、今では高齢者の方がその数を上回っています。

しかし万引きをする高齢者の中には、認知症の為、それと分からずにやってしまったというケースもあります。

高齢者が万引きをする背景には、貧困が原因になっているということもありますが、孤立が深く関係しているとも言われています。

実際にその多くが単身者で、友人や知り合いも殆どいない、仕事もしていない、まるで社会から切り離されてしまったかのように孤立した日常を送っている人達なのです。
 

孤立感が犯罪を呼ぶ

人間は誰かと関わりを持って生きていく生き物です。

ずっと一人で過ごすということは出来ない筈です。

孤独は少しずつ心を壊していきます。

自分の存在を知っている人はいるのだろうか。自分が生きていても死んだとしても、誰も何も感じてくれないのではないだろうか。

そんなネガティブな感情が心を支配し、自分の存在を知ってもらいたくて万引きに及ぶのだとも言われています。

また刑務所からせっかく出所した高齢者が、刑務所に戻りたくて罪を犯すという問題もあります。

孤立した生活を送るより、誰かに見ていてもらえて三食寝床付きの刑務所の方がずっと居心地がいいというのがその理由です。

そうでなくても刑務所では定員オーバーな状態が続いているのですから、そういった理由から刑務所に戻って来る高齢者が増えることは、早急に食い止めなくてはなりません。
 

犯罪を減らすために

高齢者の犯罪の要因に「貧困」「孤立」ということが大きく関わっていることは間違いありません。

貧困の問題を解決するには、やはり高齢者が働きやすい環境を整えることでしょう。

働くことが出来れば、貧困の問題と同時に孤立の問題の方もいくらか良い方向に向くかも知れません。

社会との関わりを持つことで、孤立感からも解放されるからです。

自分の存在を認めてもらい、人とコミュニケーションを取るというごく当り前なことが、実は生きていく上でとても大切なことなのです。