介護職員が利用者様のキーパーソンに!?それって良い事?悪い事?

キーパーソンとはその人の判断や決定に対して大きな影響を与える人物です。

しかし、社会的なルールがあるわけではなく精神的な要素の強い役割のため、配偶者や家族、親族といった血縁者に限らず、親友やお世話になった知人などがキーパーソンに選ばれることも少なくありません。

このように利用者様の人生を左右するような重大な選択の鍵を握るキーパーソンですが、その対象に介護職員が選ばれてしまった場合どのような対応を取ればよいのでしょうか!?

また、介護職員がキーパーソンとなってしまう背景にはどのような理由があるのでしょうか!?

個人的な感情で公私混同しないように要注意!

介護職員がキーパーソンに選ばれる背景には大きく2つの理由があります。

1つめの理由は認知機能の低下による誤った認識による関係性の構築です。

利用者様が介護職員を本来のキーパーソンである配偶者や子供と勘違いしてしまったケースがこれにあたります。

認知症が原因となっている場合には、利用者様の記憶の混乱を招くことのないように受容的な姿勢を示しながらも、介護職員の関わり方について家族や親族の方々から誤解されてしまうことがないように、そして利用者様と周りの方々の関係性が悪化することのないように認知症介護のプロフェッショナルとして適切なフォローを行う必要があるでしょう。

2つめの理由は介護サービスを通じて生まれた信頼関係への依存です。

認知機能による勘違いなどではなく、利用者様の意思によって選ばれた本当のキーパーソンであるという点から何の問題もないように感じてしまいがちですが、本当にそうなのでしょうか。

もしも介護職員側が個人的な感情から、介護サービス外の援助を個人的に行ったり、他利用者様に比べて特別扱いをしてしまったとしたら…?

もしも突然介護職員が離職して、キーパーソン不在の状態となってしまったら…?

キーパーソンというのは利用者様にとって心の支えであり、信頼できるパートナーなのです。

介護職員自身や上司がキーパーソンの持つ強い影響力を正しく理解していないと大きなトラブルに発展してしまうこともあるでしょう。

利用者様の思いや本音をケアプランに反映させるために

介護職員がキーパーソンに選ばれることは、決して悪いことではありません。

それは利用者様にとってキーパーソンとなった介護職員が安心して信頼できる人だという確かな証拠であり、利用者様が普段抑えてしまっている希望や本音を介護のプロという専門的な視点で吸い上げてケアプランに活かすことにより、利用者様を主役とした介護を実現させてあげることが可能となるからです。

利用者様に関わる全ての介護職員が均一なケアを提供することが理想ではありますが、人間同士が関わることで成立する介護という仕事においては相性の良し悪しで利用者様から特別な評価を受けることは少なくありませんし、至って自然なことだと考えています。

大切なのはキーパーソンとして選ばれた介護職員がその優越感や使命感から個人プレーを行うのではなく、利用者様の思いを尊重し、安定した介護サービスを長期的に提供するという目標に向かい、介護事業所全体がチームとして協力し合うということです。

今一度、現在のケア内容を見直してみてください。

キーパーソンの影響力と役割を理解して向き合うことで、自分自身の精神的負担を軽減するだけではなく、利用者様の生活をより良いものへと変えていくことができますよ!