老人ホームを探すと決めたら-特別養護老人ホームについて⑤

浜離宮の桜

こんにちは。
最近読んだ本は『叱られる力』。人生迷走中の朝です。

今回は、特別養護老人ホーム(特養)に利用者さんを100人収容し、8時と12時と18時に食事が食べられる状態に持っていくとはどういうことかについて考えてみたいと思います。この生活の流れは、従来型の老人保健施設(老健)等にも大体あてはまると思います。

まずは朝です。
8時に全員着席を目指すべく、介護スタッフの格闘は夜勤帯から始まります。多くの施設では早番と呼ばれる泊りではないその日最初のスタッフは、6時半~7時半頃からの勤務です。早番スタッフが来てから100人の利用者さんを起こしたのでは到底間に合わないので、少ない夜勤スタッフで早ければ4時頃から着替えの介助を始めます。
まあ、スタッフは仕事ですから置いといて、問題は利用者さんです。
朝4時にたたき起こされて着替えをさせられ、もう一度布団に戻されはしたものの、果たして寝直せるでしょうか。起きてしまう人は起きてしまい、認知症であればスタッフを呼び続けたり歩き回ったり色々して、朝ごはんが来る頃には疲れてうとうとする人もいますし、認知症じゃなければ、まあまあ慣れればしょうがない。職員さんも手が足りないのだから…と妥協してくれる場合がほとんどです。

そして、7時前後からはいよいよ順々にベッドから引っぺがされ、8時に朝ごはんが運ばれて来るまで食事の席で延々待たされることになります。TVが近ければまだいいですが…

この時早い時間から離床(ベッドから離れること)する人というのは、大体決まっています。まずは、スタッフが起こすまでもなく起きてしまう人(一人にしておいても危険な行為をしない人限定)。次に、車椅子に乗ってしまえば自分では動かなくて、体力的に食事終了時間まで座った姿勢を保つことに堪えられる人。次に、ご飯ですから座って待っててくださいといえば待っていられる人を待てる時間に応じた順番で。食事直前に、声を出したり騒ぐ人。配膳が終わった頃に体調が思わしくない人。
といった順番でしょうか。

つまり、待てる人は待てるだけ待たなくてはなりません。それも、毎日。
食事に限ったことではありません。お風呂もトイレもおやつも、体調や認知症の具合で優先順位がかなり明確に決められています。自立に近ければ近いほど我慢が増えるでしょう。しょうがない。そんなことは分かっています。頭ではしょうがないと思ってますけど、、、ねえ?

スタッフだって分かってます。でも、現状そこまで配慮できる人員体制ではないのです。そこに真剣に葛藤を抱え続けた場合、いずれ燃え尽きてしまうんじゃないかなあと思います。だからみんな少しずつ鈍感になっていく。自分がここに現実に入るんだったら…という視点をあえて切り離して毎日仕事をしている。
介護の世界のスタッフって、私にはそんな風に映るんです。

特別養護老人ホームについて⑥へ続く

ABOUTこの記事をかいた人

主な経歴は約6年の介護付き有料老人ホームの介護スタッフで、現在3ヵ所目の有料老人ホームで相談員として働き始めたところです。 有料老人ホーム以外にも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、デイケア、お泊まりデイの現場も見てきました。 半年間ではありますが、介護老人保健施設の相談員も経験しています。