震災発生直後の高齢者への対応~身近な生活ニーズ~

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生活のニーズ

災害が発生すると高齢者は、健康や生活障害を容易にきたしてしまうと言われています。

備えていても災害発生時には、予測がつかない事態になってしまうことでしょう。

そのような状態で高齢者の介護にあたる方には、可能な限り高齢者への悪影響を予防することが求められます。

食事について

災害後に移動した避難所での食事や支援される食品などは、高齢者には適さない場合があります。

お粥やきざみ食やミキサー食を食べている高齢者は、硬めのおにぎりやお弁当などはそのままでは食べることが難しいでしょう。

災害で義歯を紛失してしまうことなどで、硬いものは更に食べにくくなります。

また、おにぎりよりも移送が簡単なためによく支援されるパンなどは、高齢者があまり好まないことがあります。

食品はできれば温めたり、柔らかく細かくしたり、汁物をつけるとよいでしょう。

高齢者が飲み込みやすく、食べやすくなります。栄養状態が不良な場合は、高カロリーの栄養補助食品などを支給してもらえるように求めてください。

それでも下痢などの消化器症状や栄養状態の悪化が著しい時には、医療者へ相談して援助を求める必要があります。

また、災害発生後には食中毒の発生も懸念されます。実際に熊本地震の後に発生してしまったことは記憶に新しいでしょう。

水や電気などのライフラインが断絶することで、トイレが不衛生になったり手洗いや食品の洗浄が十分でなかったり、食品の冷蔵保存やゴミの処理も難しくなるためです。予防のために手洗いを励行し、水の確保が困難な場合には手指消毒薬やウェットティッシュなどを設置しましょう。

居住空間とゴミ置き場を分け、高齢者の健康状態を把握するようにしてください。

高齢者は脱水に陥りやすく、栄養状態も悪くなれば様々な健康被害に繋がります。高齢者の食事摂取状況をアセスメントし、被害の状況下でも可能な部分の対応に努めましょう。

排泄について

避難所の仮設トイレや、自宅や施設でも状況が変わってしまうと、高齢者には排泄環境が適さない可能性があります。

例えば避難所でのトイレは遠く、道順がわかりにくかったり、途中に階段があったりします。自宅でもライフラインの断絶により、トイレが暗く寒くなり、バケツで水を流さなければならない状況があるでしょう。

トイレに行きにくくなると飲水を制限してしまいがちなため、注意してください。

できれば無理なく行ける場所にトイレを確保できるよう、周囲の人の協力を求めてください。

照明や段差についても解消できればよいですが、環境の改善が難しければ周囲の理解や手助けによりカバーできる部分も多いでしょう。

清潔について

避難所などの環境では、高齢者には使いにくい設備だったり介護者がいないなどの条件により、高齢者が長期間にわたって入浴できないことがあるようです。

日常的にも風邪予防にはうがい手洗いが重要と言われており、様々な感染症を防止するために清潔保持の援助は重要となります。

東北大震災の発生後には、尿路感染症のために亡くなった高齢者もいました。

水の確保も困難となる状況ですが、尿路感染症や褥瘡の悪化を防止するために、尿道留置カテーテルを挿入していたり褥瘡がある高齢者では、1日1回は陰部・創部を洗浄するようにしてください。

入浴ができなくても、部分浴などでも感染症予防は期待できます。使い捨てのものを含めて下着を頻繁に交換したり、ウエットティッシュやドライシャンプーなどで清潔を保ちましょう。