高齢者介護の現場における離職について

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介護職の離職原因

私が子供の頃は周囲の大人の話から、一度会社に入ったら定年まで働くという終身雇用が普通だと思っていました。

しかし現在では社会の状況や考え方の変化にも伴い、就いた仕事を退職・転職する人もたくさんいます。実際私の周囲では、共に働く医療・福祉分野のスタッフで、一度も転職を経験したことがない人の方が少ないくらいです。

介護スタッフが退職する理由には様々なものが考えられます。

一つには結婚や出産、伴侶の転勤や子供の進学、親族の介護など人生のライフサイクルに属することがあります。

また、介護の仕事は残念ながら4K(きつい、汚い、臭い、給料が安い)などと言われる対象であるため、よい待遇を求めて他の事業所への転職や、全く違う仕事への転職も考えられるでしょう。

人間関係のストレスや介護職自体が自分に合っていないという悩み、腰痛などの身体的、うつ病などの精神的疾患のために退職をするという話もよく聞きます。

離職による周囲のスタッフや利用者への影響

実際に退職するケースですが、「突然来なくなってしまった」という辞め方も聞きます。

しかし、突然の退職は職場の同僚や何より利用者への影響を避けられないでしょう。

職場の規定もあると思いますが1か月以上前には退職の意思を伝え、シフトを調整したり後任の育成をするなどの準備を行って、「立つ鳥跡を濁さず」という風に辞めることが理想的だと考えます。

利用者への影響が大きい理由の一つとして、病院のように日々多くの患者が訪れる職場とは異なり、介護の現場ではスタッフと利用者や家族がある程度長期にわたって同じ顔ぶれで関わり続けることが挙げられます。

そのため、利用者とスタッフが信頼関係を構築できた場合には、スタッフが退職する場合の抜けた穴は大きいものとなることがあります。

私も、退職前最後となるケアを行い退職を伝えた時には、涙を見せられる利用者の方に多くお会いしました。

スタッフの離職後の対応について

スタッフの中には、それまで介護していた利用者に、退職後も継続して個人的な関わりを持とうとする人もいます。

しかし私個人の考えですが、そのような対応をする人には疑問を感じます。

介護職員と利用者は、サービスを提供する・受けるという契約関係にあり、退職すればその関係から外れることになります。

一度築いた契約上の関係から、サービスや利害が絡まない友達関係に移行することは困難だと考えられます。

また、関わりのあった利用者全員と、公平に友達関係を築くことも不可能でしょう。このようなことから、様々なトラブルの引き金にもなりかねないと思うからです。

スタッフが退職すれば、利用者は他のスタッフや後任のスタッフと新しい関係を構築していきます。

また退職するスタッフの方もその後別な介護の現場へ転職するのであれば、新しい職場において新しく出会った利用者に全力でよいケアを提供しなければなりません。

長期間関わりを持った利用者とのお別れが悲しく、情が湧くのは人間として当然のことであり、いいケアを行ってきた結果でもあると思います。

しかし自分の立場を理解してある程度のところで一線を画し、退職したあとのことは後任のスタッフに任せることも、介護職のプロとして求められることであると考えます。

介護職の高い離職率を阻む対策

私の意見として、同じ介護に関する仕事でも違う現場を見てみたいという理由や、起業するためになどといった前向きな理由での退職は応援したいところです。

しかし、勤務時間が長すぎる・給料が安いといった待遇面や、出産などのライフサイクルに関する離職は、考え直してもらう可能性があると考えます。

現状としてはまだまだですが、全国的に介護職の賃金を見直す動きも広まっています。

また出産・子育てに関する女性への育休(時には男性に対しても)などを、介護職に限らず今後更に取得しやすい社会になることで、介護職の離職率を低下させることもできるのではないでしょうか。

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